映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

東京公園  三浦春馬

2012-03-26 18:21:34 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
「東京公園」は青山真治監督の4年ぶりの作品だ。
カメラ好きの主人公の大学生と彼を取り巻く3人の女性のかかわりを描く作品
色男三浦春馬君がクローズアップされる。女性的なルックスを持つ彼の魅力を引き出そうと監督が踏ん張ったという印象だ。


主人公(三浦春馬)はカメラ好きの大学生だ。東京の公園をめぐって、家族写真を撮っている。
いつものように乳母車で子供を連れ出していた女性を写していたときに、ある男性に呼び止められた。
「何をしているのか?」と。事情を説明してその場は別れたが、再びその男が主人公の前に現れる。
「彼女を尾行して写真をひそかに取ってくれないか」と言われる。戸惑ったが、主人公はそれを受け入れる。依頼主の指示通りの公園に向かい、彼女(井川遥)の写真をとった。そしてメールで依頼主の男へ送信とすることにした。
主人公は40年代の建物と思しき、古い下宿に友人と住んでいた。夜はカフェバーでバーテンをしていた。
そこにはゲイのマスターがいて、時折主人公の母親違いの姉(小西真奈美)と主人公の元彼女(榮倉奈々)が飲みに来ていた。
尾行をする女性が美しい人だとわかったとたん、姉と元彼女が今までにない反応をするようになったのであるが。。。


ストーリーには大きな起伏がない。淡々と主人公を中心にして姉、元彼女、友人のことを描いていく。
尾行する女性は写真を撮られるだけである。そのままずっと進む。
義理の姉は継母の連れ子で9歳上である。主人公と義姉はずっと普通の姉弟関係であった。
ところが、尾行する女性が美女であることがわかると、急に態度が変わってくる。血がつながっていない普通の男女に戻るのである。
中間に何かが入るだけで化学反応が起きてくるのだ。この化学反応がこの映画の肝である。


同様に元彼女も同様にちがった反応を示す。高校の時からよく主人公のことを知っているちょっとおせっかいな女の子だ。ゾンビ映画が好きで、元彼女なのにやたらと彼にちょっかいを出す。
別に尾行する女性と主人公が会話をするわけではない。やきもち妬かれる筋合いはない。
それなのに不思議な化学反応が起きる。

その化学反応で試験管は爆発しない。
わずかな反応しか示さない。そうして映画が進んでいく。静かにピアノがバックで流れる。
最後に向かって一番の肝と思える長まわしのシーンがある。義姉と主人公を写す。これはよかった。
父母が移住した大島の風景、都内の公園風景や古い下宿の光景を取り混ぜながらラストに向かった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする