映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

どいついたるねん  赤井英和

2011-05-21 14:48:50 | 映画(日本 1989年以降)
「浪速のロッキー」とまで言われた赤井英和の自伝的作品だ。荒戸源次郎事務所作品として、今でこそ日本映画の巨匠となった阪本順治監督と俳優としてはほとんど実績のない元ボクサー赤井英和がコンビを組む。プロによる本格的なボクシング映画だ。少し太めになった赤井英和の姿から見ると、20年前は実に精悍だ。


大阪が舞台、試合でノックアウトされ再起不能となった元チャンピオンこと赤井英和は、自らのジムを設立した。ある日、ジムにふらりと中年男が現れた。男は元ウェルター級の日本チャンピオンこと原田芳雄だった。赤井は原田をコーチとして雇うが、ジムに集まった練習生たちは赤井のあまりの横暴さに嫌気をさし、みな去ってしまう。結局、ジムを閉めることになった赤井は、元の所属ジムに戻り、会長麿赤児とその娘こと相楽晴子、そして原田と共に現役カムバックへと向かっていった。過酷な減量に苦しむ赤井だ。4回戦ボーイからやり直しとなった赤井のカムバック戦の相手が決まったが。。。。

コテコテの大阪が舞台である。なつかしい。
これが公開された89年に会社の異動で大阪へ行った。天王寺から一つ先のところに住んだ。最初に天王寺動物園が出てくる。御堂筋線のホームはいかにも動物園らしくなっていて途中下車したくなるが、周りの連中は「あそこで降りたらあかんで」と言う。確かに行ってみると驚いた。通天閣は大阪の象徴だと思っていたが、通天閣に上ったことがないという関西人にずいぶんと出あった。そんなコテコテのディープなエリアがこの映画の舞台だ。新世界のロケってものすごく情緒を感じる。飛田も出てくる。

映画公開の数年前まではバリバリの現役だった赤井英和だけにリアル感がある。彼は大学の時からものすごく有名だったらしい。当時を知る人の話では、近大に赤井ありと言われていたらしい。かっこいいので有名だったそうだ。本気で殴っているなあ!と思しきシーンもずいぶんとある。原田芳雄も今からすると22年前だけに、その昔の荒々しさを残している。

何と言っても適役なのは麿赤児だ。関西の匂いをぷんぷんさせる彼に「あしたのジョー」の丹下役をやらせてみたかった。途中だれておもしろくないという展開もあったが、試合の場面では盛り上がりが凄い。ある意味名作ロッキーのような後半戦となっているのでわくわくする。

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