映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

ア・フューグッドメン  トムクルーズ

2011-04-10 21:56:48 | 映画(洋画 99年以前)
「ア・フューグッドメン」はトムクルーズ主演のかなり特殊な法廷ものだ。「ミザリー」でキャシーベイツを恐怖のストーカーに仕立て上げたロブライナー監督による傑作だ。当時人気絶頂のデミムーアがトムの上官として出演する。基地を統括する大佐を演じるジャックニコルソンが2人の対決相手でいつもながらの名演だ。軍の規律および暴力制裁がテーマとなる。全体的にバランスの良い映画だ。



キューバを臨む米海軍基地で、海兵隊員サンティアゴが就寝中に2人の兵に襲われるシーンからスタートする。そして結局隊員は死ぬ。事件の背景にコードR(規律を乱す者への暴力的制裁)の存在を感じた内部調査部の少佐ことデミ・ムーアは、被告の弁護を申し出る。しかし、当局はハーバード出身で法廷経験のないキャフィー中尉ことトム・クルーズを任命する。彼は示談専門でこれまで法廷に出る前に数多くのもめ事を処理してきた。今回は好きな野球にかまってばかりいて事件に真剣にならない。
検察官の大尉ことケヴィン・ベーコンは、2人を殺人罪で起訴する。トムとデミムーアと助手の3人は調査を開始する。やはり被告たちは、上官からコードRの命令を受けていた。死んだサンティアゴは訓練に絶えかね、不法発砲事件の情報提供と引き換えに、基地からの転出を申し出ていた。それを知った最高指揮官ジェセップ大佐ことジャック・ニコルソンは激怒し、コードRの実行を指示したのだった。2人は命令に忠実に従っただけで、殺意は無かったと告白。これまで法廷を避けてきたトムクルーズは、被告の無罪を申し立て裁判が始まった。。。



法廷といっても軍事法廷だ。海軍という枠の中で、陪審員や裁判官がいる。
絶対服従の上下関係は非常に厳しい。上司の命令に従わないということは軍の追放のみならず、その人間のおしまいを意味する。そういうことがテーマになる。あとは暴力的制裁である。
「フルメタルジャケット」「プラトーン」あたりで、軍の内部の辛さは映画のテーマとして顕在化してきた。ちょうど湾岸戦争の時期とあってか、クローズアップされている。軍の規律が厳しいのは戦前の日本だけではない。



法廷物として見ても、弁護人トムの切り返しはなかなかのふるまいだ。脚本もうまい。軍の幹部の証人尋問では鮮やかなトークを連発する。どきどきしてしまう。対決する検察官であるケビンベーコンも悪くはない。ジャックニコルソンの上官はなかなか貫禄あってお見事。トムとの対決のシーンには緊張感が走る。スピード感もまずまずでいい映画だと思う。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 羅生門  黒澤明 | トップ | サンシャインクリーニング ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(洋画 99年以前)」カテゴリの最新記事