映画「テルマエ・ロマエⅡ」は好評だった1作目を受けて製作された2014年のコメディ映画だ。
1作目は映画館で見て、このありえない設定と阿部寛のパフォーマンスに笑ってしまった。2作目は「二匹目のドジョウ」かな?と思い、DVDスル―。2作目なのに、本年度興行収入は邦画で第4位、1作目の59億には及ばないものの、44億も稼いだという。大したものだ。
1作目で使っていないお風呂ネタにプラスして、相撲取りを登場させたり、忘れかけていた昔の有名人が脇役として登場するなど観客を楽しませようとする努力は買う。
タイムスリップした先である現代日本の風呂文化から着想を得て斬新な浴場建設をした古代ローマ浴場技師ルシウス(阿部寛)に、コロッセオで決闘するグラディエーター用の浴場を作るよう命令がくだる。頭を悩ませたルシウスは再び現代日本へタイムスリップしてしまう。
銭湯で気がつくと、大勢の相撲取りたちがいた。平たい族だが、やけに太っている。マッサージチェア、ツボ刺激の足ふみくん、バスクリンなどにえらく驚き、力士たちに笑われる。草津温泉では風呂専門雑誌のライターになった真実(上戸彩)と再会する。
一方ローマ帝国では、占領した国々との和平路線を進める皇帝ハドリアヌス(市村正親)とグラディエーターたちの戦いを通して市民の好戦意欲を高めようと企んでいた強硬派の元老院が反発しあう状況にあった。ルシウスの存在が邪魔になり、さらなる陰謀をめぐらせる。
日本に再度ルシウスが戻った早々から風呂ネタギャグが連発する。相撲取りの真ん中で阿部寛が驚くその顔がおかしい。テンポがいい展開だ。加えて温泉でのストリップやラーメンネタそしてウォータースライダーに、のたうちまわるところもいい。どうやって観客の笑いをとろうかとじっくり練っている様子がうかがえる。
コロッセオではグラディエーターたちが本気の決闘を繰り広げている。強い闘士の1人に横綱曙演じるアケボニウスや琴欧州演じるコトオウシュウヌスなんていうのがいる。この戦いもすごいよね。そのために相撲取りがくつろいでいる銭湯にタイムスリップするなんて発想がいい。
1.ハドリアヌスとローマ皇帝
我々は世界史で「五賢帝」というのを習った。ネルヴァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス-ピウス、マルクス-アウレリウス-アントニヌスの5人だ。トラヤヌス時代に領土が最大になったと習った。ここではハドリアヌスが占領した土地を地元民にもどそうとしていると映画の中で解説する。
この映画のいいところは、ニセの名前でなく史実の名前で皇帝を登場させるところだ。後継ぎは北村一輝演じるケイオニウスであるが、彼が結核にかかるということになる。それを現代の日本からタイムスリップした上戸彩演じる真実がケイオニウスが風呂に入るとみんなが結核になると阻止しようとして、捕まってしまいそうになる。歴史を後年から見ると、こんなこともできる。
映画を見ている間はわからず、調べてみたが宍戸開演じるアントニヌスってアントニヌス-ピウスのことなのかなあ?今から30年以上前にマルクス-アウレリウス-アントニヌス名前を全部覚えるのに難儀したのでむしろそっちの方かと思ってしまった。でもアントニヌス-ピウスがハドリアヌスの後継者に指名され、その後でケイオニウスとマルクス-アウレリウス-アントニヌスが共同帝ということで同時に皇帝になっているようだ。この映画でもその設定になっているが、ケイオニウスは相当な放蕩ものだったみたいだ。世界史の時間では彼の名前は習わない。
2.昭和の有名人を絶妙に脇役起用
白木みのるには驚いた。自分はテレビの「てなもんや三度笠」をリアルタイムでみた最後の世代だと思う。藤田まこととのデコボココンビが絶妙だった。何がおかしかったのか記憶に残っていないが、「あたり前田のクラッカー」だけは頭にこびりついている。そんな白木がラーメン屋の店主として登場する。阿部寛扮するルシウスにラーメンや餃子をだすと、ルシウスは怪訝そうな顔をするが、食べてみるとおいしいので一気にガツガツ食べて、ローマに持って帰ろうと餃子を1個持ち帰ろうとする場面がおかしい。
温泉のマッサージ場に、浪越徳治郎の銅像がかかっている。すると本人が出てくる。元気そうだった浪越徳治郎がおじいちゃんになっていたのかとマジに思った。あのじいさんまだ生きていたのかと思ったら、錯覚だった。ネットをみたらもう死んでいる。そうだよな。でもここに出てきたじいさんは、浪越が生きていればああなったのかな?と。。。お風呂ネタなので、自分より年長の人たちがこの映画を見に行ったのかもしれない。きっと自分と同じように浪越がまだ存命と思ったに違いない。「指圧の心は母ごころ」と念仏のように唱えた浪越徳次郎のパフォーマンスは昭和のお人でなければわかるまい。
あと松島とも子も出てきて、猛獣とたわむれるシーンがある。昭和の匂いをプンプンさせて、観客の老人たちへのサービス精神も旺盛だ。
1作目は映画館で見て、このありえない設定と阿部寛のパフォーマンスに笑ってしまった。2作目は「二匹目のドジョウ」かな?と思い、DVDスル―。2作目なのに、本年度興行収入は邦画で第4位、1作目の59億には及ばないものの、44億も稼いだという。大したものだ。
1作目で使っていないお風呂ネタにプラスして、相撲取りを登場させたり、忘れかけていた昔の有名人が脇役として登場するなど観客を楽しませようとする努力は買う。
タイムスリップした先である現代日本の風呂文化から着想を得て斬新な浴場建設をした古代ローマ浴場技師ルシウス(阿部寛)に、コロッセオで決闘するグラディエーター用の浴場を作るよう命令がくだる。頭を悩ませたルシウスは再び現代日本へタイムスリップしてしまう。
銭湯で気がつくと、大勢の相撲取りたちがいた。平たい族だが、やけに太っている。マッサージチェア、ツボ刺激の足ふみくん、バスクリンなどにえらく驚き、力士たちに笑われる。草津温泉では風呂専門雑誌のライターになった真実(上戸彩)と再会する。
一方ローマ帝国では、占領した国々との和平路線を進める皇帝ハドリアヌス(市村正親)とグラディエーターたちの戦いを通して市民の好戦意欲を高めようと企んでいた強硬派の元老院が反発しあう状況にあった。ルシウスの存在が邪魔になり、さらなる陰謀をめぐらせる。
日本に再度ルシウスが戻った早々から風呂ネタギャグが連発する。相撲取りの真ん中で阿部寛が驚くその顔がおかしい。テンポがいい展開だ。加えて温泉でのストリップやラーメンネタそしてウォータースライダーに、のたうちまわるところもいい。どうやって観客の笑いをとろうかとじっくり練っている様子がうかがえる。
コロッセオではグラディエーターたちが本気の決闘を繰り広げている。強い闘士の1人に横綱曙演じるアケボニウスや琴欧州演じるコトオウシュウヌスなんていうのがいる。この戦いもすごいよね。そのために相撲取りがくつろいでいる銭湯にタイムスリップするなんて発想がいい。
1.ハドリアヌスとローマ皇帝
我々は世界史で「五賢帝」というのを習った。ネルヴァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス-ピウス、マルクス-アウレリウス-アントニヌスの5人だ。トラヤヌス時代に領土が最大になったと習った。ここではハドリアヌスが占領した土地を地元民にもどそうとしていると映画の中で解説する。
この映画のいいところは、ニセの名前でなく史実の名前で皇帝を登場させるところだ。後継ぎは北村一輝演じるケイオニウスであるが、彼が結核にかかるということになる。それを現代の日本からタイムスリップした上戸彩演じる真実がケイオニウスが風呂に入るとみんなが結核になると阻止しようとして、捕まってしまいそうになる。歴史を後年から見ると、こんなこともできる。
映画を見ている間はわからず、調べてみたが宍戸開演じるアントニヌスってアントニヌス-ピウスのことなのかなあ?今から30年以上前にマルクス-アウレリウス-アントニヌス名前を全部覚えるのに難儀したのでむしろそっちの方かと思ってしまった。でもアントニヌス-ピウスがハドリアヌスの後継者に指名され、その後でケイオニウスとマルクス-アウレリウス-アントニヌスが共同帝ということで同時に皇帝になっているようだ。この映画でもその設定になっているが、ケイオニウスは相当な放蕩ものだったみたいだ。世界史の時間では彼の名前は習わない。
2.昭和の有名人を絶妙に脇役起用
白木みのるには驚いた。自分はテレビの「てなもんや三度笠」をリアルタイムでみた最後の世代だと思う。藤田まこととのデコボココンビが絶妙だった。何がおかしかったのか記憶に残っていないが、「あたり前田のクラッカー」だけは頭にこびりついている。そんな白木がラーメン屋の店主として登場する。阿部寛扮するルシウスにラーメンや餃子をだすと、ルシウスは怪訝そうな顔をするが、食べてみるとおいしいので一気にガツガツ食べて、ローマに持って帰ろうと餃子を1個持ち帰ろうとする場面がおかしい。
温泉のマッサージ場に、浪越徳治郎の銅像がかかっている。すると本人が出てくる。元気そうだった浪越徳治郎がおじいちゃんになっていたのかとマジに思った。あのじいさんまだ生きていたのかと思ったら、錯覚だった。ネットをみたらもう死んでいる。そうだよな。でもここに出てきたじいさんは、浪越が生きていればああなったのかな?と。。。お風呂ネタなので、自分より年長の人たちがこの映画を見に行ったのかもしれない。きっと自分と同じように浪越がまだ存命と思ったに違いない。「指圧の心は母ごころ」と念仏のように唱えた浪越徳次郎のパフォーマンスは昭和のお人でなければわかるまい。
あと松島とも子も出てきて、猛獣とたわむれるシーンがある。昭和の匂いをプンプンさせて、観客の老人たちへのサービス精神も旺盛だ。