映画「阪急電車」は西宮北口から宝塚を結ぶ阪急今津線の乗客たちを描く。車中に繰り広げられる人間模様を描いた作品だ。映画のポスターを見ながら奇妙な題名だなあと思っていた。ポスターに映る阪急電車ホームの中谷美紀のドレス姿が奇妙だった。でも割とおもしろい。傑作という大それたものではないが、楽しめた。転勤で行った大阪を離れて17年になる。そんな大阪を象徴する阪急電車が舞台の映画をみて郷愁のようなものを感じた。
阪急今津線は宝塚から西宮北口間を約15分で走る。阪急伝統のえんじ色の車体だ。
まずは中谷美紀が映る。婚約者と会社の後輩の2人に子供が出来てしまったという告白をうける。驚く中谷だ。許せない2人だが、結婚式に列席させてくれたら婚約不履行で訴えないという。そして式当日、中谷は花嫁と思しき真っ白なドレスに身を包んで式のテーブルに着く。あわてる新郎新婦に周辺の列席者だった。ホテル担当者が気を使ってはおるものを持ってくるが、静かに中谷は式場を去る。
白いドレスに身を包み宝塚駅から乗車した阪急電車にはさまざまな人たちがいた。
きれやすい彼氏のDVに悩む女子大生こと戸田恵梨香。息子夫婦との関係がぎくしゃくしている老婦人こと宮本信子。セレブの奥様たちとの付き合いに疲弊する主婦こと南果歩。沿線の関西学院に馴染めない地方出身の男と女谷村美月。年上の会社員と付き合う関西学院に憧れる女子高生などなど。。。
それぞれが全く独立している存在である。それが単なる乗客という関係の中で静かに接近していく。。。
阪急電車のえんじ色は、関西ではエリートカラーである。最初はなんてどんくさい色だと思ったけれど、慣れるとちがう。乗車する人たちも誇りを持ってこの電車に乗っている。知的レベルも高いし、プライドも異常なくらい高い。そんな電車に乗車する若い女性たちと一人の初老のご婦人を描く。
小さな話をたくさん積みあげるが、いずれもありそうな話である。不自然ではない。
特に息子の同級生の母親グループにいやいや誘われる南果歩の姿がいじらしかった。家では質素な食事で節約しているのに、無理やり高級レストランのランチを誘われ、息子の手前断れない。このエリアにありそうな話だ。
中谷美紀は関西弁を話さない。これはこれでいいのではないか。元々の関西人でないと関西弁が不自然になる。不自然な関西弁ほど嫌なものはない。自分も最初に大阪に転勤で行った時、大阪弁とやらをしゃべってみようかと思った。でもすぐやめた。大阪弁といっても一つの言葉でない。エリアエリアで違う言葉をしゃべる。これは難しい。妙な言葉を話すと、相手からはバカにしているように見られるかもしれない。そう思った。でも不思議なものでイントネーションはどうしてもつられてしまう。今でも当時くせのついたおかしなイントネーションで話すことがある。ちなみに自分の妻は関西人で毎日関西弁を聞いている。
宮本信子は初老の設定で関西弁を話す。芸達者の彼女ゆえ不自然ではない。伊丹映画で見せた名調子を久々見せる。往年の片りんを垣間見せるのは悪くない。
阪急今津線は宝塚から西宮北口間を約15分で走る。阪急伝統のえんじ色の車体だ。
まずは中谷美紀が映る。婚約者と会社の後輩の2人に子供が出来てしまったという告白をうける。驚く中谷だ。許せない2人だが、結婚式に列席させてくれたら婚約不履行で訴えないという。そして式当日、中谷は花嫁と思しき真っ白なドレスに身を包んで式のテーブルに着く。あわてる新郎新婦に周辺の列席者だった。ホテル担当者が気を使ってはおるものを持ってくるが、静かに中谷は式場を去る。
白いドレスに身を包み宝塚駅から乗車した阪急電車にはさまざまな人たちがいた。
きれやすい彼氏のDVに悩む女子大生こと戸田恵梨香。息子夫婦との関係がぎくしゃくしている老婦人こと宮本信子。セレブの奥様たちとの付き合いに疲弊する主婦こと南果歩。沿線の関西学院に馴染めない地方出身の男と女谷村美月。年上の会社員と付き合う関西学院に憧れる女子高生などなど。。。
それぞれが全く独立している存在である。それが単なる乗客という関係の中で静かに接近していく。。。
阪急電車のえんじ色は、関西ではエリートカラーである。最初はなんてどんくさい色だと思ったけれど、慣れるとちがう。乗車する人たちも誇りを持ってこの電車に乗っている。知的レベルも高いし、プライドも異常なくらい高い。そんな電車に乗車する若い女性たちと一人の初老のご婦人を描く。
小さな話をたくさん積みあげるが、いずれもありそうな話である。不自然ではない。
特に息子の同級生の母親グループにいやいや誘われる南果歩の姿がいじらしかった。家では質素な食事で節約しているのに、無理やり高級レストランのランチを誘われ、息子の手前断れない。このエリアにありそうな話だ。
中谷美紀は関西弁を話さない。これはこれでいいのではないか。元々の関西人でないと関西弁が不自然になる。不自然な関西弁ほど嫌なものはない。自分も最初に大阪に転勤で行った時、大阪弁とやらをしゃべってみようかと思った。でもすぐやめた。大阪弁といっても一つの言葉でない。エリアエリアで違う言葉をしゃべる。これは難しい。妙な言葉を話すと、相手からはバカにしているように見られるかもしれない。そう思った。でも不思議なものでイントネーションはどうしてもつられてしまう。今でも当時くせのついたおかしなイントネーションで話すことがある。ちなみに自分の妻は関西人で毎日関西弁を聞いている。
宮本信子は初老の設定で関西弁を話す。芸達者の彼女ゆえ不自然ではない。伊丹映画で見せた名調子を久々見せる。往年の片りんを垣間見せるのは悪くない。