山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

マメヅタラン

2020年08月19日 | ラン科
 山地帯の谷間に生えている広葉樹を好んで着生しているランである。葉の形はシダの仲間のマメヅタに酷似しており、花が咲いていない時期は見分けるのが難しい。山梨県では県南部に生育しており生育箇所は少ない。


    マメヅタラン 平成30年5月 南部町で撮影。 シダ類のマメヅタに酷似している。


    トリーミング画像。小さな花芽が多数出ている。


    平成30年5月 再写に行く。今度は満開である。


    別の幹


    望遠撮影


    トリーミング画像


    令和1年6月 同じ木。昨年以上にたくさん花を付けてくれた。


    別の幹


    トリーミング画像。マメヅタランの花。

 他にも生育している木があるはずだが、私が見たのはこの場所1ヶ所のみである。遠い位置に着生しているので撮影が難しく、もう少し撮影し易い場所を探せればと思っている。

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サカネラン

2020年08月19日 | ラン科
 広葉樹林帯、主にブナの林床に生育する葉緑素を持たない菌従属栄養植物である。花は淡黄色ないし黄褐色で房状に多数重なって付く。富士山を中心に杓子山周辺、御坂山系など比較的広い範囲に生育していると思われるが生育地での個体数は少ない。櫛形山でも発見されている。花期は5~6月。


    平成25年5月 東部富士五湖地方で撮影。 初めて見た時は何だか分からなかった。


    同上


    平成26年5月 同じ場所で撮影。


    個体数はあまり変わらず、少なかった。


    平成27年5月 南アルプスで撮影。


    個体数は少なく、まだ蕾だった。


    平成27年6月 御坂山系で撮影。 もう終わりかけていた。

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ホテイラン

2020年08月18日 | ラン科
 亜高山帯の針葉樹林の林床に咲く赤紫色の美しいランである。山梨県で確認されているのは南アルプスおよび前衛の山の極限られた場所である。個体数は少なく、生育する斜面の乾燥化により減少の傾向にある。富士山麓にも生育していたらしいが現在では確認出来ない。八ヶ岳の長野県側には生育地があるが山梨県側では発見されていない。


    ホテイラン  平成30年5月 南アルプスで撮影。


    同上  森の妖精の名にふさわしい可憐な容姿


    個体数は少ない


    平成30年5月 南アルプス前衛の山で撮影


    同上  この場所の個体数はきわめて少ない。


    かつては林道脇でも観察できたらしいが、現在では急峻な尾根を登らなければ見ることが出来ない。

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 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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ヒトツボクロ

2020年08月17日 | ラン科
 広葉樹林の林床ないしは針葉樹と広葉樹の交雑する林床にひっそりと生えているランである。葉は緑色ないしは黒緑色で、裏側は濃い紫色をしている。細くて長い茎の先に小さな花を何個も付ける。茎が長いうえに花数が多く、風で揺れるために撮影には苦労する。分布域は広いが生育地は限局的である。個体数は比較的多い。


    平成28年6月 富士山麓で撮影。


    同上。この場所は地肌が乾燥化して数が減っているように見える。


    平成30年6月 茅ヶ岳で撮影。 この場所は個体数が少ない。


    同上


    平成30年6月 甘利山で撮影。


    同上。 生育地は極限られている。


    令和1年6月 精進湖近傍で撮影。


    風が穏やかで撮影し易かった。


    マクロ接写。真っ直ぐ、ないしは少し上に曲がった距がピンと伸びている。


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フウラン

2020年08月14日 | ラン科
 2018年版山梨県レッドデータブックから新たに登場したランである。山梨県では県南部に生育しており、常緑針葉樹や柿の木、シダレヤナギなどの幹に着生している。生育地での個体数は比較的多い。


    フウラン 令和1年7月 南部町で撮影。 常緑針葉樹の枝に着生していた。


    望遠撮影


    さらに望遠撮影


    同じ木に着生していた別株


    別株


    シダレヤナギの木に着生していたフウラン


    令和2年7月 南部町の同じ場所で撮影。


    太い枝に着生した株


    シダレヤナギの幹に着生した株。この日は天候が悪く画像がいまひとつ。


    令和2年7月 身延町で撮影


    同じ株を別角度から撮影。

 常緑針葉樹の大木に多くの個体が集中して着生しているが、その他の木にはまばらにしか生育していない。大木が老化や気象条件などで倒れてしまわないことを祈っている。

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カヤラン

2020年08月12日 | ラン科
 主に身延町より南側の県南部に生育しているが富士山周辺での生育記録もある。梅の木や樫の木、杉の木などを好んで生育しており、普通は高い位置に生育している着生ランであるが、梅の木などでは手の届く位置に生育しているものもある。生育地は限られているが個体数は比較的多いと思っている。


    広葉樹の幹に着生したカヤラン  平成31年4月 身延町で撮影


    同上。まだ蕾だった。


    梅の木に着生したカヤラン  平成31年4月 南部町で撮影。


    同上。


    同上。別株。


    小さなランであるがなんとも言えない美しさと愛らしさがある。


    マクロ接写

 他にも沢沿いの樫の木などに着生している個体を確認しており、また杉林の中で落下してしまっていた個体をいくつか目撃している。高い位置に生育している個体は発見しにくいが、数はそれなりにあるのではないかと期待している。

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ハコネラン

2020年08月08日 | ラン科
 ブナの森の林床に咲く小さなランである。1枚の葉から茎を伸ばして先端に数個の黄緑色~緑色の小さな花を付ける。コイチヨウランに良く似ているが唇弁の側面にギザギザがあるところが異なる。生育環境もハコネランが広葉樹林の林床であるのに対してコイチヨウランは針葉樹林帯に生育しているところが違う。山梨県では富士山を中心に生育が確認されているが、大菩薩・小金沢山系にもある。個体数は少ない。


    ハコネラン  平成26年7月 大菩薩・小金沢連峰で撮影


    1枚の葉から茎を伸ばして数個の小さな花を付ける。


    個体数は少ない。


    コイチヨウランに似ている。


    違いは唇弁の形である。


    ハコネランの唇弁は側面が鋸歯状である。

 平成26年に撮影したこの場所は斜面の崩落が進み、だいぶ個体数が減ってしまっている。

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コイチヨウラン

2020年08月06日 | ラン科
 高山帯の針葉樹林の林床に咲く薄黄色~黄緑色の小さなランである。名前の通りに一枚の根生葉から茎を出して数個の花を付ける。唇弁は通常全縁であるが、富士山では時にややギザギザしているものを見かける。八ヶ岳、奥秩父、南アルプス、富士山に生育し、群生している場所も時として見かけるがさほど個体数が多いとは言えない。


    コイチヨウラン  平成30年7月 黒戸尾根で撮影


    平成30年7月 黒戸尾根で撮影


    黒戸尾根では群生が見られる。


    令和2年8月 鳳凰山で撮影


    鳳凰山は個体数が少ない。


    平成30年8月 金峰山で撮影


    金峰山はあまり個体数は多く無い。


    平成30年 富士山で撮影  富士山は個体数が少ない。


    通常は唇弁が全縁であるが富士山では時として唇弁が少しギザギザしている個体がある。

 良く似たハコネランは広葉樹林の林床に生育し、唇弁の側縁が鋸歯状であるところが異なる。

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ツチアケビ

2020年08月06日 | ラン科
 葉緑素を持たない菌従属栄養植物で、ナラタケの菌と共生する。茶色いグロテスクな花であるが、開花した花は黄色い唇弁を広げてそれなりに美しい。結実すると赤いソーセージのような実をつける。


    ツチアケビ  令和1年7月 忍野村で撮影


    花は咲き始めたばかりだった。


    後日同じ場所で再写する。


    開花した花は黄色い唇弁を広げてランの形をしている。


    結実したツチアケビは赤いバナナのような実をつける。 平成26年9月 姥子山で撮影

 2018年版山梨県レッドデータブックでの生育地は主に富士山周辺であるが、姥子山や南部町でも見つかっている。広い範囲に生育していると予想されるがいずれの場所も個体数は少ない。

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フガクスズムシソウ

2020年08月06日 | ラン科
 苔の生えた木の上に生育する着生ランである。富士山南麓では比較的多く生育しているが、山梨県側では生育場所が限られている。その理由のひとつが伐採と植林による広葉樹林帯の減少ということが言えるだろう。ハウチワカエデを中心とした高い木の上に生育しているので、撮影するには望遠レンズが必用である。


    フガクスズムシソウ  平成28年6月撮影


    令和1年7月撮影 570㎜望遠レンズで撮影したもの。


    さらに2倍エクステンダーを装着して1,140㎜望遠レンズで撮影したもの。


    苔の生えた木を好んで着生する。そのほとんどがハウチワカエデである。


    白花のフガクスズムシソウ  平成30年6月 200㎜望遠レンズで撮影。


    570㎜望遠で撮影したもの。この年まではこの個体は元気に生育していた。


    令和1年7月 同じ場所を撮影したもの。苔が脱落して大部分が落下してしまった。


    その落下した個体を誰かが倒木の上に移植してくれたと聞いている。

 着生ランは木の老化や苔の脱落とともに落下して消滅してしまう運命にあるのだと思う。大きな株もいつ消滅するか分からず、いつも心配しながら木の上を見つめている。

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セイタカスズムシソウ

2020年08月06日 | ラン科
 草地に生育するランであるが、草地の真ん中では無くて広葉樹林の森との境界付近を好んで生育している。スズムシソウに似ているがこちらは茎が真直ぐに伸びる。生育地が限られており個体数も多くは無い。花期は7~8月。


    セイタカスズムシソウ  令和1年7月 富士北麓で撮影。


    令和1年7月 富士北麓で撮影


    令和1年7月 山中湖近傍で撮影


    令和1年7月 山中湖近傍で撮影


    鈴虫のような花は半透明で透けて見える。


    令和1年8月 富士北麓で撮影  この場所では大型の個体を見ることが出来た。


    令和1年8月 富士北麓で撮影  元気な花。しかしこの場所は林道拡張工事のため令和2年7月には消滅してしまった。

 林道拡張工事が始まった頃にこの場所が削り取られることを知り、移植を考えたが訪問した時には既に時遅く、削り取られた後だった。花を守ってやれず残念である。

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ウチョウラン

2020年08月05日 | ラン科
 ランのブームの際はアツモリソウと同様に徹底的な盗掘に遭い、激減してしまったウチョウランであるが、人のあまり近付かない山の上ではひっそりと生き残っていたようで、近年少しずつ増殖傾向にある。御坂山系だけでなく八ヶ岳や奥秩父でも生育が確認されている。紫色の蝶が舞う美しい花である。


    ウチョウラン 平成27年7月 御坂山系1


    平成27年7月 御坂山系1


    平成28年7月 御坂山系1


    平成28年7月 御坂山系1 岩場の中の草が生えた場所を好んで生育している。


    平成28年7月 八ヶ岳


    令和1年7月 奥秩父山系 新たに奥秩父山塊でも発見された。


    令和1年7月 奥秩父山系


    令和1年7月 御坂山系2


    令和1年7月 御坂山系2


    令和1年7月 御坂山系2  御坂山系の個体数は少しずつ増えているように見受けられる。

 台風や大雨の影響で岩盤の崩落や土砂の流出が起こらなければ、これからも咲き続けてくれると期待している。

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ミスズラン

2020年08月05日 | ラン科
 山梨県準絶滅危惧ⅠA類の稀少なランである。八ヶ岳と富士山で生育が確認されているがいずれでも個体数はきわめて少ない。小さな卵円形の一枚葉から5~10cmほどの穂を出して緑色の米粒ほどの花を数個つける。小さいうえに緑色なので探すのに苦労する。大きさと形から、私は「マッチ棒」と呼んでいる。


    ミスズラン


    苔の生えた場所を好んで生育する。


    2株並んで生えていた。


    マッチ棒のように小さなラン


    米粒くらいの大きさの小さな花


    葉にはうっすらとウズラ葉模様が入る。

 いずれも八ヶ岳で見た個体である。

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