山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

花咲く武田の杜、湯村山から白山を経て興因寺山へ(前編)

2011年04月26日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年4月24日

 数日前に下見をしておいた八王子山(白山)界隈のヤマザクラは見頃を迎えている。春爛漫のこの季節、甲府市北部の低山は新緑に包まれて花が咲き、散策するには最高のシーズンを迎える。毎年恒例のように歩いているこのあたりの山だが、今回は昨年と逆のコース、湯村山から興因寺山までを歩いてみた。当院職員とその知人2名を誘い、計5名で出かけた。下山予定の積翠寺西側林道に予め車を止めておき、緑ヶ丘運動公園から出発した。
 7時45分出発。湯村山はアスファルトの道が山頂付近まで整備されていて、散歩する地元の人たちやトレイルランニングの人たちが走っているコースだが、ここはこのアスファルトの道を避けて、南東側の送電線の立つ尾根を直登する。送電線の監視用ルートと思われるが、道らしきものはしっかりとついている。30分ほどで湯村山山頂に到着する。柔らかな新緑の向こうに、春にしては珍しいすっきりとした富士山が立っていた。

    湯村山から見る春富士


    ヤマツツジと烽火台


    新緑の武田の杜を歩く


    ヤマザクラ咲く春の杜

 武田の杜遊歩道に入り、白山を目指す。新緑の中に咲くヤマザクラが満開でまさに春爛漫。足元を見ればタチツボスミレやニオイタチツボスミレ、センボンヤリ、タンポポなど、春の花が咲いている。途中の小ピークは左に巻き道があるのだが、ここは草の生えるやや急な斜面を直登する。以前来た時、この斜面にアケボノスミレがたくさん咲いていた記憶がある。草を踏まないように花を探しながら歩くが、アケボノは1株だけしか見つからず、その代わりに花が開いたばかりの可愛らしいフデリンドウの花を見つけた。食べごろのワラビも数本だが出ていた。

    途中の小ピークを、花を探しながら直登


    見つけたのは咲いたばかりの可愛らしいフデリンドウの花


    春爛漫、ヤマザクラ咲く杜と南アルプス


    ヤマザクラ彩る

 白山直下の西側斜面はヤマザクラがたくさんあり、柔らかで上品な白い色が新緑の淡い緑に溶け込んで、春の臭い満点の景色を見ることができた。ルートを少し外れて岩の上に乗ると、歩いてきた湯村山の稜線の向こうに甲府盆地が広がり、その向こうに富士山が立つ絶景を楽しむことができる。天気も良く、この山域を歩くには最高の日になった。

    白山手前のピークから見る甲府盆地と富士山


    白山から見る南アルプス


    白山の千代田湖側展望台から見る八ヶ岳と茅ヶ岳


    同上、南アルプス

 八王子神社を越えて千代田湖側に行くと、白いイワカガミが咲いている。これはこのあたりの特産種カイイワカガミだ。この花を見るために千代田湖から散策に訪れる人も多い。以前に比べると花の数が減って花の着き方も少なくなったような印象を受けた。しかし県道に近い北側の遊歩道に行ってみると、そちら側では大株のカイイワカガミを見ることができた。探していたアケボノスミレも咲いていた。

    アケボノスミレ  この日に見たかった花のひとつ。


    カイイワカガミ  これは比較的大きな株。

 さて、ここから一旦県道に下りて甲府市街側に20分ほど下り、武田の杜遊歩道に入って金子峠(きんすとうげ)に登りなおし、淡雪山、興因寺山を目指す。千代田湖のほとりからアスファルトの道をユースホステル目指して歩き、その先にある金子峠に行ったほうがコースとしては楽なのだが、あえて武田の杜遊歩道を歩くのは理由がある。(後編に続く)
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