山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

アズマシャクナゲ咲く森、小川山八丁平  平成23年6月16日

2011年06月20日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年6月16日

 明け方に皆既月食の赤い月が見られるはずだったこの日、予定では前夜から杓子山にテントを張って富士の裾野に沈む赤い月を見るはずだった。半年前から計画的にこの日は休みをとっていたのだが、あいにくの空模様で月は見えず、杓子山行きは中止した。しかし、折角の休み、何もしないのはもったいない。どんより曇り空だが、夕方まではなんとか天気が持ちそうなので小川山に行く途中の林の中にある秘密の場所、アズマシャクナゲ林を見に行くことにした。
 夜更けまで携帯電話の衛星雲画像と三つ峠富士山ライブカメラ、そして空の様子をにらめっこしていたので、朝起きられるはずもなく、起床したのは7時半。8時過ぎに自宅出発し、瑞牆山荘のところの駐車場から歩き始めたのは10時になってしまう。急いで行くかといったらそういうわけでもなく、この季節に咲くクリンソウを見て道無き道を歩き、さらにカモメランの咲く場所に立ち寄って登るため、そう簡単には目的地に到着しない。カモメランは咲いてはいたが、昨年よりは数が少なく感じた。今回は調査ではないので、群生地の一部を見るに留めたが、5株の花を見つけることができた。

    駐車場からすぐのところに咲いていたササバギンラン


    登山道脇に咲いていたギンリョウソウ


    この季節恒例のクリンソウ この株は紫色で鮮やかだった。


    登山道脇の湿地に咲くクリンソウ


    山の中にひっそり咲くカモメラン

 富士見平を過ぎて瑞牆山と小川山の分岐部のところに行くとシャクナゲが咲いていた。少し時期を過ぎていたが満開のものもある。今年は例年に無く花の付きが良く、当たり年のようだ。

    アズマシャクナゲと瑞牆山

 右側の小川山方向に進むと瑞牆山の展望地があるが、この日は雲に霞んで瑞牆山は不鮮明だった。さらに行くと造林小屋跡地の平坦地に出る。ここはかつてはキバナノコマノツメとシロバナノヘビイチゴが足の踏み場が無いほどにびっしりと咲いていた場所だが、ずいぶんと数が減ってしまい寂しくなってしまっていた。

    造林小屋跡地のキバナノコマノツメとシロバナノヘビイチゴ群落


    小川山八町平 左が大日岩に行く道、右が登って来た富士見平からの道

 小川を渡って進むと川から離れて樹林帯に入り、ほどなく八丁平というツガ林の中の広場に出る。ここで大日岩方面と小川山方面に行く道に分かれる。秘密のシャクナゲ展望地は小川山側に進む。登山道脇にシャクナゲが見え始めるが、そのあたりは花の付きが悪く、今年はダメかとその時は思った。しかし、登山道を登って行くと左側のシャクナゲ林にピンク色の鮮やかな花がたくさん見え出した。満開直前、まだ新鮮な花ばかりで観賞するには絶好の時期だった。薮に分け入って良さそうな場所を探して撮影する。

    登山道を覆うシャクナゲの木  このあたりの花付きは悪かった。


    登山道脇の斜面に咲いたアズマシャクナゲ  今年は色が濃くて花が大きく、数も多い。


    シャクナゲの藪  見渡す限りシャクナゲだらけ。

 さらに登って秘密の展望地に到着すると、そこはアズマシャクナゲの花園。ピンク色の絨毯が広がっているかのようだった。いつもよりも色の濃い、上品なピンク色の花がたくさん咲いていた。今年は明らかに当たり年、3度訪れた中で今年がいちばん良い。予定では大日岩を回って富士見平に戻るはずだったが、ここで完全に足が止まった。2時間近くもこのシャクナゲ林を堪能し、時間は3時を過ぎてしまう。雲行きも怪しくなり始め、大日岩は止めて来た道を戻って下山した。午後5時半、駐車場到着。車に乗って運転し始めるとすぐに雨がパラパラと降り出し、甲府に到着した頃にはもうすっかり本降りになっていた。

    秘密の展望地から見るシャクナゲの森 (15mm diagonal fisheye)


    奥秩父の森、アズマシャクナゲ林


    アズマシャクナゲ咲く森


    同上  向こうに微かに見えているのは瑞牆山


    アズマシャクナゲ 今年は色が良い。是非行くべし!

 今年の奥秩父山塊はアズマシャクナゲ当たり年である。6月いっぱいがちょうど見頃、是非行かれてみることをお奨めする。(この後、6月19日は瑞牆山に行きました。山頂は7~8分咲き、まだ十分楽しめます。)
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ミツバツツジ咲く十二ヶ岳、鬼ヶ岳、節刀ヶ岳 平成23年6月4-5日(2日目)

2011年06月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 6月5日 十二ヶ岳から鬼ヶ岳、節刀ヶ岳、大石峠を経て下山

 十二ヶ岳の朝は、なんとか晴れてはいるものの霞が多く、富士山は霞んで微かに見える程度だった。横になって少しウトウトした程度で、ほとんど徹夜に近い状態で朝を迎えた。朝食をとり、テントを撤収し、6時過ぎ、隣の鬼ヶ岳に向って出発する。
 この先の稜線はミツバツツジがたくさん咲いている。富士山を入れて撮れる良い場所を探しながら歩くが、なかなか無く、富士山も霞で真白になりうまく写ってくれない。

    十二ヶ岳から見る西湖と富士 ハーフND+PLフィルター使用


    十二ヶ岳のミツバツツジと富士


    ドウダンツツジと鬼ヶ岳


    振り返って見る十二ヶ岳  右側に肉眼では富士山が見えたのだが・・・写真では見えない。


    節刀ヶ岳

 分岐部の金山でテント、シュラフ、余計な水や食料を下ろし、荷物を軽くして鬼ヶ岳に向う。御坂山塊は再三歩いているが、実はこの金山から鬼ヶ岳の道は歩いたことがなかった。鬼ヶ岳山頂から見る限りでは急傾斜の下りで、さぞかし悪路なのだろうと思っていたが、実際に歩いてみると山頂直下意外は歩き易い良い道だった。この稜線はミツバツツジと富士山を撮影するに良い場所があったが、この日の富士山はご機嫌悪く、PLフィルターとハーフNDフィルターをかけてようやく見られる程度だった。

    金山の分岐点。ここに荷物をデポして鬼ヶ岳へ。


    鬼ヶ岳稜線のミツバツツジと富士山


    同上  下の湖は西湖、右の山は雪頭ヶ岳。


    鬼ヶ岳山頂のミツバツツジと富士  PL+ハーフNDフィルター使用


    鬼ヶ岳山頂の鬼の角と十二ヶ岳

 金山に戻ってしばし休憩。寝不足で頭がぼんやり、体がだるい。節刀ヶ岳は止めようかとも思ったのだが、折角来たのだから立ち寄ってみると、意外にも節刀ヶ岳山頂付近はミツバツツジがたくさん咲いていた。ここはドウダンツツジの山だとばかり思っていたのだがミツバツツジもたくさんあった。時間は10時、この頃にはもう富士山は見えなくなってしまっていた。以前から気になっている節刀ヶ岳の裏側に続いている道、いったいどこに下りるのだろうか?10分ほど下りてみたが、ルートはしっかりしている。しかし、2万5千分の1の地図にもこのルートは載っていない。いつか機会があったら下りてみたいと思う。

    節刀ヶ岳山頂のミツバツツジ


    節刀ヶ岳のミツバツツジと十二ヶ岳  天気が良ければ富士山をバックに撮影できる。


    節刀ヶ岳山頂

 あとは大石峠に向ってひたすら稜線を歩き、大石峠で一休みして下山する。大石峠は真っ赤なヤマツツジがまさに咲こうとする直前だった。夕方から雨の予報で次第に雲が厚くなってきたが、降られずに午後1時、登山口の車に到着した。

    大石峠 キンポウゲが咲く。


    まさに咲かんとする大石峠の真っ赤なヤマツツジ

 帰り際に御坂山塊に登った時に時折立ち寄っている御坂の湯で汗を流し、着替えをして帰ったが、とにかく眠かった。今回のルートは健脚ならば1日で歩けるルート、十二ヶ岳、節刀ヶ岳を周回して戻れる魅惑のルートである。


    2日目に歩いたルート
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