山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

霧に咲くアズマシャクナゲ、瑞牆山  平成23年6月18日

2011年06月28日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年6月18日

 7月海の日の連休に北岳に行く予定を立てているが、初心者が多いために2泊、1日目は御池小屋に泊り、2日目で肩の小屋、危険な八本歯のコルと左俣雪渓は避けて右俣回りで行く予定である。今回の瑞牆山はそれに向けてのトレーニングを兼ねている。予定ではもう少し大人数で行くはずだったのだが、都合のつかない人と天候が不順なために行くかどうか微妙だったため、連絡が遅くなってしまい、最終的に私を含めて3人となった。先日の小川山八丁平は今回の下見があるが、この日に登れなかったことを想定して今年のシャクナゲの状況を見ておきたかったこともある。
 6時に甲府市内の職場駐車場に集合し、車で出発。明野の広域農道を通って増富の瑞牆山荘に向うが、1時間半ほどかかり、登山開始は7時50分ごろになってしまう。空はどんより曇り空でいつ降り出すかわからないような空模様だ。にもかかわらず、駐車場には20台以上の車が停まっていた。天気が良ければ駐車できないほどの登山者が訪れていたことだろう。いつものようにスローペースで歩き始め、クリンソウの咲く登山道脇の湿地に立ち寄り、林道に出てからは登山道ではなく林道を歩き、瑞牆山展望台、さらにカモメランを探しながら歩く。今年のカモメランはやはり数が少なく、いつもならば簡単に5~6株見つけられる場所で1株しか見つけることができなかった。富士見平小屋に到着したのは9時少し前、1時間少々で到着できた。

    富士見平小屋とレンゲツツジ

 富士見平から天鳥川(あまとりがわ)へは一旦下りとなり、最後の急下降点のところからシャクナゲが見え始める。このあたりのシャクナゲは時期を若干過ぎていて、花が落ち始めていた。天鳥川のところで休憩していよいよ瑞牆山への急登りとなる。昨年来た時に工事をしており、何を作ったのかと思ったら立派な階段がつけられていた。確かに登り易くはなったが、これが無くても普通に登れるのではないだろうか。

    霧に巻かれるアズマシャクナゲ  天鳥川下降点付近で。


    霧に巻かれる桃太郎岩  このあたりからレンズが結露し始める。


    登山道脇のアズマシャクナゲ  花が大きい。


    同上  こちらの花は色鮮やか。レンズが結露して画像が霞むが、これもまた良し??


    中腹で突然若者に声をかけられた。「ブログやられている方ですよね?」私も有名人になったものだ。

 下部のシャクナゲはもう花が落ち始めていたが、日当たりの悪い林の中は満開のシャクナゲが楽しめた。標高1,800mあたりから上部はちょうど見頃、上品なピンク色や濃い色のシャクナゲが登山道脇や林の中に咲き誇る。ちょっと道を逸れて大ヤスリ岩の根元の部分、ロープが張られたところを越えて行くとそこはコイワカガミの群落になっている。昨年にも増して花がたくさんついていた。

    霧に咲くアズマシャクナゲ  こんな感じの画像を撮ってみたかった。


    満開のアズマシャクナゲ


    登山道脇に咲くキバナノコマノツメ


    大ヤスリ岩あたりの登山道は一部渋滞。でもそんなの関係ねー。登って来られた方々ほとんどに追い抜かれました。


    大ヤスリ岩基部のところのコイワカガミ群落

 上部の岩の下に2年前来た時にクモイコザクラを発見したのでその場所を探すが花が見つからない。これと思わしき岩を見つけたが、その岩の下は雨水が流れた跡で地面がえぐられており、花は消失していた。さらに上部の左側の岩には7~8輪咲いているのが確認できた。まだ残っているようで、安心した。

    岩の隙間に咲いていたクモイコザクラ  望遠レンズを持って行かなかったのでこれが限界。


    山頂裏ルートに咲くシャクナゲ  向こうに見えるのは山頂隣の岩峰。

 さて、山頂直下は正規のロープとハシゴのあるルートのほかに道とは思えないような場所から登る裏ルートがある。もともとはきちんとした道だったのだろうが、入り口が崩落してわからなくなってしまったのだろう。その道にもきちんとしたハシゴが設置されている。山頂の喧騒が嘘のように静かな人が入らないルートだ。シャクナゲがたくさん咲く。

    山頂に無事到着。5時間もかかってますが、その分いろいろ楽しめました。

 ザックを下ろして身軽にしてそのルートを登ると10分ほどで山頂に到着する。午後1時、山頂到着。紅葉の季節と並んでシャクナゲが咲くハイ・シーズンなので山頂はたくさんの人が訪れていた。雨がポツポツと降り出し、記念撮影して早々に撤退、ザックを下ろした場所に戻って一つ向こう側の岩峰の裏側に移動する。これもあまり知る人がいない場所で、そこに行く取り付き口がわからないので知らないと行けない。テントが2~3張できそうな平らで広いスペースがある。雨が降ってきたのでカッパを着用し、岩の陰に隠れてやや遅い昼食となる。時折空が明るくなって隣りの金峰山が見えるが、天気予報ではこらから下り坂だ。眼下の大ヤスリ岩を取り囲むように雲が流れて行く。

    休憩した隣の岩峰から見る山頂と金峰山


    眼下に見える大ヤスリ岩


    雲上に咲くアズマシャクナゲ

 2時10分、下山開始。岩が滑るのでスリップに十分に注意しながら順調に下山。小雨は持続的に降っていたが本降りにはならず、途中で富士見平小屋に立ち寄って休憩させてもらった。新しい管理人さんが着任されたばかりで、小屋の中が整備されてきれいになっていた。休憩料300円かかるが、お茶を出してくれ、瑞牆山や金峰山の山情報をいろいろ聞くことができた。いつかは歩いてみたいと思っている八幡尾根(黒平方面から金峰山山頂のひとつ増富側ピークに至る道無き尾根)のことも大変良く知っていた。小屋主さんと30分以上も話し込んでしまい、最終的に駐車場に到着したのは5時半だった。下界は雨が降っていなかった。

    存分に楽しませていただきました。来年もたくさん咲いてください。

 レポートがすっかり遅くなってしまったが、今年の奥秩父山塊のシャクナゲは当たり年だ。標高の高い金峰山や黒金山あたりでは次週もまだ楽しめるかもしれない。(6月28日記)
コメント (2)
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