6月4日 大石峠登山口から淵坂峠、毛無山を経て十二ヶ岳へ
5月15日に短絡路を通って十二ヶ岳に登った帰り道で新しい道標を見つけた。それは大石峠登山道入り口の反対側にある広場のところにつけられていた「淵坂峠・大石キャンプ場バス停」を表示する看板だった。昭文社の地図にもこのルートは書かれてはいるのだが、点線で示されていて、有るのか無いのかわからないようなルートだと思っていた。しかし、今回は明らかな看板があり、川を渡って入るそのルートは覗きこんでみるとテープがつけられていた。いったいどんな道なのだろうか。

大石峠登山道入り口の反対側広場奥にある道標。この先の川を渡って古道に入る。
この2日間は別の予定があったにはあったのだが、天気予報と雲の衛星図を見て、この季節では数少ない天の川が見られそうな天候だった。予定をキャンセルして山上からの富士山と天の川を見に行くことに前日決める。午前中に職場の仕事を片付けて大石峠登山口に向かい、午後1時から歩き始める。水場の無い稜線テント泊なので、水を多目にと3.5リットル持ったつもりだったのだが、あとでザックを開けてみると4.3リットルも入っていた。かつ、ラーメンを持ってくるのを忘れ、水はあるが食料が1食足りないという事態が生じてしまったのに途中で気付く。

驚くほど広くて良い道がある。

淵坂峠の稜線に取り付く階段
さて、川を渡って淵坂峠への道に入ると、入り口こそ薮っぽいのだが中に入ると驚くほど明瞭な良い道が通っていた。この道はおそらく古くから芦川のから河口湖の大石の集落に向う古道だったのだろう。今でこそアスファルトの道路が張り巡らされ、さらに若彦トンネルができてさらに河口湖と芦川が近くなっている。薄暗い木々の間を通るその道は古(いにしえ)の道といった趣のある、私好みの道だった。40分ほどで稜線に着くと、そこが淵坂峠で、さらに道は河口湖湖畔の大石に向って延びている。
ここに道標と朽ちかけた木の階段があり、これを登って今度は稜線歩きの道となる。道は直角以上に進路を変え、ひたすら稜線上を西に向って進む。細い道だが稜線通しなので迷うことは無く、急登りを2~3度繰り返して1時間半ほどで標高1,500mの毛無山に到着した。ここでようやく展望が開け、南に雲を巻いた富士山が見え出す。時間は3時半、ここで中途半端にとった昼食をもう一度取り直す。

中腹はもうミツバツツジが終わりヤマツツジが咲き始めていた。(標高1,200m付近)

毛無山目前のところで展望が開ける。このあたりのミツバツツジはもう終焉(標高1,500m付近)

毛無山から見る富士山
ここから先が十二ヶ岳に向う竜の背(と私が勝手に呼んでいる)の難所だ。長いロープが何ヶ所もある御坂山塊最高のアルペンコースと言って良い。このあたりからミツバツツジが満開となっており、あまりにも見事なので三脚を出さずにはいられない。さすがに十一ヶ岳のコルのところの長いロープは三脚をたたんだが、その手前の尾根道は担いだまま歩いた。大木のミツバツツジもあり、かつ、時間が時間だけに歩いている人にも出会わず、ミツバツツジを満喫することができた。十一ヶ岳から十二ヶ岳にかけてはコイワカガミの大群落があり、こちらも見頃だった。通常ならば1時間少々のルートだが、2時間以上もかけて歩き、6時20分、十二ヶ岳山頂に到着した。

二ヶ岳のミツバツツジ。このあたりから満開。

満開のミツバツツジ

ミツバツツジの大木。根本は1本の木。

ミツバツツジと富士 良い場所を探しながら歩くがなかなか無い。

十一ヶ岳への登りロープ 久しぶりに訪れたが、こんなロープあったっけ??

十一ヶ岳のコイワカガミ群落 たくさん咲いていた。

十一ヶ岳山頂から見る十二ヶ岳 山頂に霧(雲)がかかる。

今度は十一・十二ヶ岳のコルへの下りロープ。これは結構怖かったので良く覚えている。

名所、コルの吊り橋 グラグラ揺れます。

さらに十二ヶ岳への急登りと鎖。たかが御坂山塊、されど御坂山塊。スリル味わえます。

鎖場上部に咲いていたコイワカガミ
山頂到着時は山の上は霧に巻かれ、かろうじて霞んだ富士山が見えたがすぐに消えてしまった。折角来たのに、果たしてこれで星が出るのだろうか?携帯電話で雲の衛星画像を見るが、微妙な雲行きだ。天の川が南の空に南中するのは深夜12時ごろだ。ひとまず林の中にテントを張り、前述の如く食事が1食足りないので夕食は野菜サラダとお菓子で辛抱する。遅く取った中途半端な時間の昼食のおかげでそれほど空腹感無く過ごせた。7時半を過ぎても霧は晴れず、深夜の星を期待して一旦寝袋にもぐり込んで寝る。

十二ヶ岳山頂 霧で霞む。

微かに富士山が見えたが、すぐに霧の中に消えてしまった。
忘れてきたのはラーメンだけではなかった。エアーマットも置いてきてしまい、落ち葉の積もった山の中にテントを張り、ビバークシートを敷いて横になったが、寒さは感じず快適に寝ることができた。(後編に続く)

本日歩いた行程

梅雨の合間のさそり座と天の川 後編にご期待ください。
5月15日に短絡路を通って十二ヶ岳に登った帰り道で新しい道標を見つけた。それは大石峠登山道入り口の反対側にある広場のところにつけられていた「淵坂峠・大石キャンプ場バス停」を表示する看板だった。昭文社の地図にもこのルートは書かれてはいるのだが、点線で示されていて、有るのか無いのかわからないようなルートだと思っていた。しかし、今回は明らかな看板があり、川を渡って入るそのルートは覗きこんでみるとテープがつけられていた。いったいどんな道なのだろうか。

大石峠登山道入り口の反対側広場奥にある道標。この先の川を渡って古道に入る。
この2日間は別の予定があったにはあったのだが、天気予報と雲の衛星図を見て、この季節では数少ない天の川が見られそうな天候だった。予定をキャンセルして山上からの富士山と天の川を見に行くことに前日決める。午前中に職場の仕事を片付けて大石峠登山口に向かい、午後1時から歩き始める。水場の無い稜線テント泊なので、水を多目にと3.5リットル持ったつもりだったのだが、あとでザックを開けてみると4.3リットルも入っていた。かつ、ラーメンを持ってくるのを忘れ、水はあるが食料が1食足りないという事態が生じてしまったのに途中で気付く。

驚くほど広くて良い道がある。

淵坂峠の稜線に取り付く階段
さて、川を渡って淵坂峠への道に入ると、入り口こそ薮っぽいのだが中に入ると驚くほど明瞭な良い道が通っていた。この道はおそらく古くから芦川のから河口湖の大石の集落に向う古道だったのだろう。今でこそアスファルトの道路が張り巡らされ、さらに若彦トンネルができてさらに河口湖と芦川が近くなっている。薄暗い木々の間を通るその道は古(いにしえ)の道といった趣のある、私好みの道だった。40分ほどで稜線に着くと、そこが淵坂峠で、さらに道は河口湖湖畔の大石に向って延びている。
ここに道標と朽ちかけた木の階段があり、これを登って今度は稜線歩きの道となる。道は直角以上に進路を変え、ひたすら稜線上を西に向って進む。細い道だが稜線通しなので迷うことは無く、急登りを2~3度繰り返して1時間半ほどで標高1,500mの毛無山に到着した。ここでようやく展望が開け、南に雲を巻いた富士山が見え出す。時間は3時半、ここで中途半端にとった昼食をもう一度取り直す。

中腹はもうミツバツツジが終わりヤマツツジが咲き始めていた。(標高1,200m付近)

毛無山目前のところで展望が開ける。このあたりのミツバツツジはもう終焉(標高1,500m付近)

毛無山から見る富士山
ここから先が十二ヶ岳に向う竜の背(と私が勝手に呼んでいる)の難所だ。長いロープが何ヶ所もある御坂山塊最高のアルペンコースと言って良い。このあたりからミツバツツジが満開となっており、あまりにも見事なので三脚を出さずにはいられない。さすがに十一ヶ岳のコルのところの長いロープは三脚をたたんだが、その手前の尾根道は担いだまま歩いた。大木のミツバツツジもあり、かつ、時間が時間だけに歩いている人にも出会わず、ミツバツツジを満喫することができた。十一ヶ岳から十二ヶ岳にかけてはコイワカガミの大群落があり、こちらも見頃だった。通常ならば1時間少々のルートだが、2時間以上もかけて歩き、6時20分、十二ヶ岳山頂に到着した。

二ヶ岳のミツバツツジ。このあたりから満開。

満開のミツバツツジ

ミツバツツジの大木。根本は1本の木。

ミツバツツジと富士 良い場所を探しながら歩くがなかなか無い。

十一ヶ岳への登りロープ 久しぶりに訪れたが、こんなロープあったっけ??

十一ヶ岳のコイワカガミ群落 たくさん咲いていた。

十一ヶ岳山頂から見る十二ヶ岳 山頂に霧(雲)がかかる。

今度は十一・十二ヶ岳のコルへの下りロープ。これは結構怖かったので良く覚えている。

名所、コルの吊り橋 グラグラ揺れます。

さらに十二ヶ岳への急登りと鎖。たかが御坂山塊、されど御坂山塊。スリル味わえます。

鎖場上部に咲いていたコイワカガミ
山頂到着時は山の上は霧に巻かれ、かろうじて霞んだ富士山が見えたがすぐに消えてしまった。折角来たのに、果たしてこれで星が出るのだろうか?携帯電話で雲の衛星画像を見るが、微妙な雲行きだ。天の川が南の空に南中するのは深夜12時ごろだ。ひとまず林の中にテントを張り、前述の如く食事が1食足りないので夕食は野菜サラダとお菓子で辛抱する。遅く取った中途半端な時間の昼食のおかげでそれほど空腹感無く過ごせた。7時半を過ぎても霧は晴れず、深夜の星を期待して一旦寝袋にもぐり込んで寝る。

十二ヶ岳山頂 霧で霞む。

微かに富士山が見えたが、すぐに霧の中に消えてしまった。
忘れてきたのはラーメンだけではなかった。エアーマットも置いてきてしまい、落ち葉の積もった山の中にテントを張り、ビバークシートを敷いて横になったが、寒さは感じず快適に寝ることができた。(後編に続く)

本日歩いた行程

梅雨の合間のさそり座と天の川 後編にご期待ください。