6月4日 梅雨の合間の天の川、十二ヶ岳一夜(1日目後編)
大石峠登山口から反対側の淵坂峠、毛無山を経て十二ヶ岳に到着したのは午後6時半近かった。ちょうど日没の頃だったが、山頂には霧がかかり眺望が得られず、8時前には一旦テントの中で横になった。果たしてこの霧は晴れるのだろうか?
横になっただけで眠ることも無く時間は過ぎて行く。10時半、そろそろさそり座が南中し、天の川が昇って来る時間だ。テントの換気窓から空を見上げると薄く霞がかかった空の上に星が輝いているのが見える。果たして天の川は見えるのか?三脚、カメラをセットして星空撮影用にモードを切り替え、眺望の効く山頂に向う。そこから見る眺めは・・・ああ、なんだ、この富士山は・・・!西湖とその湖畔を覆った霧の上にぽっかりと富士山が浮かんでいる。なんと幻想的な富士山のことか。空は霞んではいるがさそり座ははっきりと見える。天の川も鮮明ではないがなんとか見えている。これならば撮影できそうだ。来た甲斐があった。
梅雨の霞に浮かぶ富士 眼下の西湖は霧でおおわれ、湖畔の明かりが透けて見える。
梅雨の合間の天の川とさそり座
十二ヶ岳山頂と夜富士 フラッシュ光オーバー、夜の雰囲気が消えてしまっている。
山頂で富士山と星空を撮影するが、薄い雲(霧)が流れているようで、同じ条件で撮影しても写り方が1枚1枚まるで違う。霧が晴れている時に撮れた画像は、梅雨の空の合間に流れる天の川の雰囲気が良く出ている。
富士を流れる梅雨の天の川
さらにその先の尾根にミツバツツジが咲いていたので、今年になってから試している二段階フォーカス撮影を試みる。フラッシュの光量調整が難しく、まずティッシュペーパー1枚を折り畳んでフラッシュを覆って減光するが、光量オーバー。さらに2枚、3枚と追加し、最終的には3枚を八つ折にして重ね合わせた程度の光量で落ち着いた。ミツバツツジと富士山、さらに天の川が入る構図で撮影したかったのだが、なにせ狭い稜線の上、一歩間違えれば崖から転落しかねない場所なので、画角の隅にようやく天の川が入る構図が精一杯だった。
夜のミツバツツジと霞に浮かぶ富士 まず手前のミツバツツジにピントを合わせてフラッシュ撮影、後ろの富士山にピントを合わせ直して30~60秒露光撮影したもの。合成ではありません。
夜のミツバツツジと富士 天の川が隅になんとか入る。狭い稜線の上、これが限界。
さらに鬼ヶ岳側に行くとロープが張られており、これを越えると岩の上から眼下の西湖と足和田山越しの富士の眺望抜群の場所がある。そこは間違ってスリップしたら大変、50mは軽く転落するだろう。夜なので足元に十分注意しながら足場を確認して撮影する。眼下の西湖を覆う生き物のようにうごめく霧、そこに浮かぶ富士山、そして富士山を覆う霞の上を流れる天の川。腕を故障して以来テント泊が減り、なかなか見られなかった山上の星空は、久しぶりに出会った友のように、暖かく歓迎して出迎えてくれたように思えた。未明2時半までこの星空と戯れ、テントに戻る。
梅雨の霞に浮かぶ富士 ホワイトバランスを変えて出力。
森に昇った夏の大三角形 プロソフトン拡散フィルター使用。
林の中に張ったテント。後ろの薄明りは河口湖。
ウトウトしたかと思ったらもう外が明るくなっていた。時間は4時半、もうすぐ日の出だ。朝日に照らされた富士山を見ようとまた三脚とカメラを持って展望地に行くが、随分と霞んだ富士山が立っていた。こんな状況で夜間撮影したのだろうかと思うほど不鮮明な富士山、夜と昼の世界は別物のようだ。PLフィルターやハーフNDフィルターを使ってみるがどうにもうまく撮れない。おまけに夜間に星空撮影で使ったプロソフトンという拡散フィルターが付けっぱなしだったことに後で気付き、朝はいまひとつの写真になってしまった。
朝の富士山
夜に撮影した場所でミツバツツジを再写。霞む富士山、さらに拡散フィルターがつけっぱなし。
これから目指す鬼ヶ岳
人が登って来る前にテントを撤収し、6時半には次の目的地、鬼ヶ岳を目指して出発する。(2日目に続く)
大石峠登山口から反対側の淵坂峠、毛無山を経て十二ヶ岳に到着したのは午後6時半近かった。ちょうど日没の頃だったが、山頂には霧がかかり眺望が得られず、8時前には一旦テントの中で横になった。果たしてこの霧は晴れるのだろうか?
横になっただけで眠ることも無く時間は過ぎて行く。10時半、そろそろさそり座が南中し、天の川が昇って来る時間だ。テントの換気窓から空を見上げると薄く霞がかかった空の上に星が輝いているのが見える。果たして天の川は見えるのか?三脚、カメラをセットして星空撮影用にモードを切り替え、眺望の効く山頂に向う。そこから見る眺めは・・・ああ、なんだ、この富士山は・・・!西湖とその湖畔を覆った霧の上にぽっかりと富士山が浮かんでいる。なんと幻想的な富士山のことか。空は霞んではいるがさそり座ははっきりと見える。天の川も鮮明ではないがなんとか見えている。これならば撮影できそうだ。来た甲斐があった。
梅雨の霞に浮かぶ富士 眼下の西湖は霧でおおわれ、湖畔の明かりが透けて見える。
梅雨の合間の天の川とさそり座
十二ヶ岳山頂と夜富士 フラッシュ光オーバー、夜の雰囲気が消えてしまっている。
山頂で富士山と星空を撮影するが、薄い雲(霧)が流れているようで、同じ条件で撮影しても写り方が1枚1枚まるで違う。霧が晴れている時に撮れた画像は、梅雨の空の合間に流れる天の川の雰囲気が良く出ている。
富士を流れる梅雨の天の川
さらにその先の尾根にミツバツツジが咲いていたので、今年になってから試している二段階フォーカス撮影を試みる。フラッシュの光量調整が難しく、まずティッシュペーパー1枚を折り畳んでフラッシュを覆って減光するが、光量オーバー。さらに2枚、3枚と追加し、最終的には3枚を八つ折にして重ね合わせた程度の光量で落ち着いた。ミツバツツジと富士山、さらに天の川が入る構図で撮影したかったのだが、なにせ狭い稜線の上、一歩間違えれば崖から転落しかねない場所なので、画角の隅にようやく天の川が入る構図が精一杯だった。
夜のミツバツツジと霞に浮かぶ富士 まず手前のミツバツツジにピントを合わせてフラッシュ撮影、後ろの富士山にピントを合わせ直して30~60秒露光撮影したもの。合成ではありません。
夜のミツバツツジと富士 天の川が隅になんとか入る。狭い稜線の上、これが限界。
さらに鬼ヶ岳側に行くとロープが張られており、これを越えると岩の上から眼下の西湖と足和田山越しの富士の眺望抜群の場所がある。そこは間違ってスリップしたら大変、50mは軽く転落するだろう。夜なので足元に十分注意しながら足場を確認して撮影する。眼下の西湖を覆う生き物のようにうごめく霧、そこに浮かぶ富士山、そして富士山を覆う霞の上を流れる天の川。腕を故障して以来テント泊が減り、なかなか見られなかった山上の星空は、久しぶりに出会った友のように、暖かく歓迎して出迎えてくれたように思えた。未明2時半までこの星空と戯れ、テントに戻る。
梅雨の霞に浮かぶ富士 ホワイトバランスを変えて出力。
森に昇った夏の大三角形 プロソフトン拡散フィルター使用。
林の中に張ったテント。後ろの薄明りは河口湖。
ウトウトしたかと思ったらもう外が明るくなっていた。時間は4時半、もうすぐ日の出だ。朝日に照らされた富士山を見ようとまた三脚とカメラを持って展望地に行くが、随分と霞んだ富士山が立っていた。こんな状況で夜間撮影したのだろうかと思うほど不鮮明な富士山、夜と昼の世界は別物のようだ。PLフィルターやハーフNDフィルターを使ってみるがどうにもうまく撮れない。おまけに夜間に星空撮影で使ったプロソフトンという拡散フィルターが付けっぱなしだったことに後で気付き、朝はいまひとつの写真になってしまった。
朝の富士山
夜に撮影した場所でミツバツツジを再写。霞む富士山、さらに拡散フィルターがつけっぱなし。
これから目指す鬼ヶ岳
人が登って来る前にテントを撤収し、6時半には次の目的地、鬼ヶ岳を目指して出発する。(2日目に続く)