いろいろなパック旅行に参加したが、これほど奇想天外なスケジュールの旅は初めてだった。2006年3月25、26、27、28日の4日間、家人と2人で参加した。
旅程をご覧下さい。
第1日、9時に新宿を豪華トイレ付ベンツ・バスで出発、中央高速、松本平から安房峠を越えて奥飛騨温泉の平湯に14:00時到着。すぐに新穂高ロープウエイにて穂高頂上付近へ登り残雪の北アルプスの山々の絶景を楽しむ。夜は平湯温泉に泊まる。
第2日、平湯を昨日のベンツ・バスで8:30時出発、高山の朝市、宿場町を散策。その後、合掌造りで世界遺産になっている白川郷を見物する。午後は更に郡上八幡へ行き、市役所職員による盆踊り、春駒などを見る。踊りが素朴で上品で良い。富山の風の盆も上品な盆踊りだが、郡上八幡の盆踊りは賑やかで、しかも優雅である。
この後が奇想天外。そこから真っ直ぐ名古屋港へひた走る。20:00時出航の豪華フェリー、木曽(長さ200m、15795トン)の特等個室へ乗り込む。このフェリーで一泊しながら太平洋を北上し、翌朝、仙台港へ着岸するのだ。
第3日目:仙台に着いたら、名古屋で別れたベンツ・バスが待っていて、作並温泉へ行き一泊する。(バスは船倉に入って居たのかもしれない)
第4日目は作並温泉をバスで出発し、日本三景の一つの松島を観光してからバスで東京へ帰ってきた。
旅程が東京、奥飛騨、高山、白川郷、郡上八幡、名古屋、仙台、作並、松島、東京となっている。何回かパック旅行に参加したがこのような旅程は初めてなので、皆様へもご紹介したい。
=======以下に、木曽号について記す=======
木曽号には以前にも、仙台港から苫小牧港まで乗った。その設備の良さに感心していたので再度乗船した次第。ダイニングルームが豪華で洒落ている。夜にはクラシック音楽が広いシアターで上演される。入場無料である。ラウンジではプロのピアニストによる演奏もある。
特等個室は大きな窓があり、太平洋が一望できる。バス・トイレ付きである。
他に大浴場も売店も軽食スタンドも、なんでも揃っている。廊下が幅広くゆったりしている。
船倉には大型トラックや乗用車が積んであるが、カーフェリーという感じではない。以前、伊豆七島を周遊する豪華客船のニッポン丸に乗ったことがあるが、それとあまり変わらない。違う所はサービス専門の人の数が少なく、人件費を節約している点だけである。それと正装の必要が無い。気楽に時を過ごせる。
15000トンと言えば横浜に係留されている氷川丸の11622トンより少し大きい。氷川丸は5500馬力の大型ジーゼルエンジンを2基装備して太平洋を時速18.ノットで巡航した。
一方、木曽のエンジンは16100馬力のジーゼルエンジンを2基付けている。それで長さ200mの巨大な船体を時速25ノット(時速46Km)で走らせる。特等船室は船の前方上部にあるのでエンジンの音があまり聞こえない。木曽とその僚船は2005年に進水した。新しいコンセプトで作られた客船である。
以前、船旅へ憧れて、川崎から高知まで大型・快速フェリーに乗ったこともある。15000トン、25ノットで木曽と同様の性能だが、大型トラック輸送に重点がある。客室が簡単すぎる作りで、その上食堂が決まった時間にだけ定食を出していた。木曽が乗り心地の良い大型乗用車なら、四国・九州行きの大型フェリーはバネの硬いトラックに乗ったような心地がする。
ただ豪華客船のニッポン丸や飛鳥とは少し違う雰囲気ではある。
この3泊4日6食つきのクラブツーリズム(株)主催のパック旅行代金は1人当たり45980円であった。
似たような旅程が今でも有るか不明だが、問い合わせ先は;同社、東京バス旅行センター(電話:03-5998-3333)である。尚この会社は近畿ツーリストから分離、独立したパック旅行専門の会社である。
写真説明:上の大きな写真は木曽号のパンフレットより、下の列の左端は客室内の様子。その右はロビーにあるグランドピアノの様子。真ん中の写真は新穂高ロープウエイから北アルプスの山々を見た写真。その右が白川郷の写真。そして右端の写真は松島の福浦島へ渡る橋の写真。