トヨタはスープラをスポーティセダンと言う言葉を用いて盛んに広告をしていた。
あまりにも華麗な姿なので、初代スープラ、1G-EU を1987年に購入した。乗り心地は2000ccクラスの乗用車と同じ。エンジン性能も乗用車と同じ。排気量1988CC,OHC-自然吸気、出力105馬力、最大トルク、16.0kg-m/4000rpm であった。視界が悪くて取り回しが難しい車である。後部座席の定員は2名だが、座席が小さすぎて大人2人は無理である。
しかし、ボデーの色が輝くような白色で、形も綺麗だったので家人が気に入っていた。子供も独立して2人で乗ることが多かったので不便は無かった。幸い故障もなかったので、8年くらい乗った。終いには冷却水の循環速度を制御する車載コンピューターが壊れ修理が難しくなったので止めにした。
左の写真の出典は、トヨタ・スープラ - Wikipedia である。感謝の意を表す。
中の写真は1987年8月30日に、家人と2人で富士スバルラインを登り5合目で撮った写真である。
ところが、最近、友人が右端の写真のようなアルファロメオ156GTAに乗っている。何度か運転させてもらったが、その走行性能には驚いてしまった。これこそ正しく、「スポーティ・セダン」ではないか!
車マニアの為に記す。
アルファロメオ156GTAは通常の2L/2.5Lと異なり、専用設計の3.2L、V6DOHCのエンジン(250馬力)を搭載している。車重1420kgは、一馬力あたり5.7kgとなり、マツダのロードスターの6.4を大きく下回る。
0-100km/hに到達する時間は6.1秒、3.5Lエンジンを積むニッサン・フェアレディZ(6.7秒)やマツダ・ロードスターの9.4秒を大きく下回る。
加速性能だけでなくハンドルは非常に敏感に作られていてロックトゥロックが1.8回転(通常の車は4回転)という設定になっている。
ブレーキはブレンボ社の対抗4ポッドのキャリパーを採用、直径305mmの大型ディスクと強化タイプのブレーキサーボにより加速に応じた制動力を持つ。
しかもエンジンオイルを循環し、小型ラジエーターで常時冷却している。富士サーキットの一般向け開放日に試したら時速230kmは軽く出たと言う。
走行性能はヨーロッパの一流のスポーツカー並で、サスペンションや椅子が乗用車に近く設定しているので長距離でも、それ程疲れない。こういう車を欧米ではスポーティ・セダンと言うらしい。
それにしても運転技術の下手な小生にとってはトヨタ・スープラで十分であった。京都、神戸、伊根、丹後半島、天橋立など遠方へも走った。
自分が乗った歴代の車の中の唯一、所謂、高級車に近い車であった。(終わり)