後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

行田の秘密の食べ物と合言葉

2008年06月08日 | 旅行記

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005 034_2 035 007 東北自動車道を加須ICで降り、17km西へ走れば行田市に着く。ところが道の左右は茫々たる水田と麦秋の広がり。人家が遥か遠方に散在するばかりで心細くなる。行田は水田に浮かぶ孤島のよう。

忍城(おしじょう)を探し、水城公園に入るといきなり行田名物「ゼリーフライ」の看板の店がある。これが奇妙な食べ物で、秘密の名物らしい。ジャガイモ粉、おから、小麦粉を混ぜ、葱少々をいれ、木の串に笹かまぼこのような形につけて、油で揚げ、ソースに漬けたもの。おやつに行田の人々が好んで食べる。味は材料と製法からご想像下さい。微妙な味です。

これの妹のようなおやつに「フライ」がある。簡単に言えば薄いお好み焼きのようなもの。

味の好みは習慣によると言う。行田の人は子供の頃おやつとして食べ、習慣で好みの味になり、大人も老人も気軽に食べる。市内にゼリーフライやフライを売る店が数十軒ある。

好奇心の強い観光客が買っている。味はどうですか?と聞くと、買うのは2本だけにしたほうが良いですよ、と忠告してくれる。食した後で忠告に感謝!

行田の人の合言葉。「うまい。うまい!、うま過ぎる!」と呼びかけると、「十万石饅頭!」と答える。答えられない人は行田の人でない。よそ者である。上の最後の写真がこの十万石の店の写真である。

テレビの「秘密のケンミンショー」で最近取り上げられたのでご承知の方も多いと思う。地方テレビ局のコマーシャルで、この文章が30年間変えずに流れているからと言う。たまたま入ったウナギ店の隣が「十万石」の菓子店である。ウナギを丁寧に焼いている間に家人がそれを偶然見つけて饅頭を十分過ぎるくらい買ってきた。上質の小豆をつかった、じょうよ饅頭で「花園饅頭」の行田版である。

関東平野の広さとローカル文化の面白さを実感した小さな旅であった。(終わり)