8月6日に武蔵野日赤病院で田中良典先生によって前立腺を全て取ってしまう手術を受けました。8月14日の退院後は回復も順調で、昨日はヨットのセイリングへ行けました。
今日は退院後はじめて田中先生を訪問し前立腺ガンの解剖結果の説明をうけました。摘出した臓器を縦や横に輪切りにした断面のカラー写真が出来ていて、その中にガン細胞になった部分が色分けして示してあります。臓器の中の2ケ所に立派なガン細胞の島が見えます。その他に1ケ所、小さいガン細胞の塊も見えました。臓器の表面を突き破っている部分があるので、完全にガン細胞を取り除いたということではないので、これからは3ケ月毎のPSAという血液検査を受けることに決まりました。
最後に私の素人考えにもとづいた質問をしました。田中先生のご説明はきっと皆様にも貴重な情報と思いますので、以下にご紹介しました。
私の質問:「前立腺ガンになったのでガン細胞が出やすい体質と想像しています。次は膀胱や腎臓にガン細胞が現れるのですか?それはPSA検査で判明するのでしょうか?」
田中良典先生のお答え:「前立腺ガンと膀胱や腎臓のガンは別で関係有りません。PSA検査は前立腺ガンのみに反応を示します。他の臓器のガンを検査したいときは人間ドックに入って調べて下さい」
田中先生が素晴らしいのでまた手術して貰いたいのです、と冗談をいったら笑っていました。
次のPSA検査を10月7日午後2時からという予約を頂いて帰ってきました。
田中先生が毎日このブログをご覧になっていらっしゃると言うのです。従って、余計な、バカなことも書けないので今回の報告はこれで終わります。蛇足ながら、あの激務の田中先生がよく患者のブログまで見て居らっしゃると、改めて感動しました。(終わり)
ガンになってみるとネット上での友人・知人の励ましが身にしみて重要だということを実感します。家族や肉親の愛情も大切ですが、他人の励ましや支援が絶大な助けになります。
今日はとくに独り暮らしでガンを患っている人が、ボランティアの人々によって楽しい最後の日々を過ごしたという文章をご紹介します。版権がありますので、転載は致しませんが、以前にこのブログでご紹介したJPAPの事務局の高橋紗瑛子さんが送ってくれた情報です。この団体はスマイルアワードというガン患者・関係者の写真作品や体験談を公募していました。その応募作品が、http://www.jpap.jp/1020/smileaward/ に公表してあります。このURLをクリックして3ページ目にある山口県の前川 育 さんの文章、「最後まで自分らしく生きた Sーさん」という短い作品を是非お読み下さい。
前川さんはガン患者を支援しているボランティアです。グループを組んで患者の生活が少しでも楽しくなるように支援しているのです。前川さん自身もガンの治療を受けた経験があります。支援した S-さんは一人暮らしの男性でした。自宅に戻りたいという S-さんを病院から連れ帰り、一緒にレストランで食事をしたり、散歩した様子が淡々と書かれています。最終的に S-さんは病院に戻り、永眠するのです。他人のボランティア-の励ましや、支援は患者を非常に前向きにします。元気にします。
何故でしょうか?
他人だからこそ大きな影響があるのです。「他人なのにどうしてこんなに本気で助けてくれるの???」という患者の感謝の気持ちが毎日を楽しく、充実してくれるのです。
独り暮らしの老人が病気になったら是非、孤独な病人を支援する団体を探して連絡するのも良いと思います。全国各地にあるようです。いずれ私も探して、皆様へご報告したいと思います。そう思わせるような報告書です。短い文章ですから是非原文をお読みください。
話はいきなりインドへ飛びます。(まあ、このブログではよく突拍子もなく、話がとびますが、、、)
インドの街路の上で多くの貧しい人が孤独に死んで行くそうです。マザーテレサさんが引きとって手でさすり看護し、優しい言葉をけると、病人がとたんに明るい顔になって感謝して死んで行くそうです。
遠くインドまで行かなくとも、同じようなことが日本でもあるのです。多くの無名のボランティアが全国で活動しているのです。
以前も書きましたが、前立腺ガン全摘出の手術を受けた前後にネットの上だけの友人・知人が、見知らぬ私の為に本気で励ましのメッセージを送ってくれました。延べ100人くらいの人々が本気で励ましてくれたのです。その事を時々思い出して目頭が熱くなります。この文章を書いている現在も涙がしみ出してきます。
家族が励まし、心配してくれるのは当然です。ところが他人も本気で心配し、支援してくれるのです。ガンになったお陰で人間の善意が信じられるようになりました。あの節は本当に有難う御座いました。(終わり)
今日は皆様へ感謝をしながら、ご健康と平和をお祈り致します。 藤山杜人