毎週、火曜日の午後7時から9時まで、池上彰さんが担当する番組が有ります。「教えて!Mr.ニュース」という2時間番組です。昨夜は、事業仕分け、デフレの危険、日航支援は何故?、日本の学力は?大統領と首相の違い、中国のGDPが日本を追い抜く、などなどの社会経済の重大な問題を実に明快に説明する番組でした。論点を公平に、そして誰にでも分かりやすく説明する池上さんの抜群の能力はNHKで「子供ニュース」という番組を担当していた頃から感動していました。NHKを辞め、民間へ出てから久しぶりに満塁ホームランを打ったような名番組です。自分でフィンランドの教育事情を調査に行って、教科書を自費で買い集め日本の教科書と比較検討した結果を60秒で説明していました。
幾つかの話題の中で、中国の本年度の国内総生産(GDP)が日本を抜いて世界第二位になると言う話には番組出演者のタレント全員が驚いていました。
国別の順位はアメリカ、中国、日本となり日本はそのうちインドにも抜かれてどんどん落ちて行くという統計表が明快に示されていました。
中国は日本より金持ちなのです。吃驚しました。そこで自分で考えて、続きを少し調べて見ました。個人の生活が楽か?苦しいか?という問題で考えてみました。
そうすると国民1人あたりのGDPが問題です。検索してみるとそのような統計の順位一覧表がすぐに見つかります。
順位の一番はヨーロッパ連合体(東欧、西欧の広大な地域)です。国別ではヨーロッパの人口の少ない国々、産油国の国々が続き、10位くらいにアメリカ、そして日本は23位です。韓国や台湾も日本に続いてかなり高い順位を守っています。
しかし、中国は103位です。総生産では世界第二位の国ですが、国民独り当たりで順位をつけるとまだまだ発展途上国なのです。
日本人は金持ちでしょうか?貧乏でしょうか?この比較計算にも色々な方法によって順位が変わります。個人1人当たりの貯金や投資信託の金額(動産価格)は世界一に近いと思います。しかし個人的な生活は貧乏な感じが否めません。やっぱり、アメリカやヨーロッパの人々の方が金持ちのように思います。欧米には社会的資産の蓄積が豊富なのです。高速道路はただです。広大な公園があちこちにあります。土地が広々として土地代が安いのです。都会にある街並みが美しく、建物の一つ一つが立派です。農業も盛んで美しい田園風景が広がっています。こういう社会的な資産は長い間、各国が経済的に繁栄したお陰で蓄積されて来たからです。その上、世界中に植民地を有し、富を持ち帰った時代が大雑把に言って100年間もあったのです。さい最近、どういうわけかか単純にGDPだけを比較する議論が多すぎます。世界を見る目が大きく間違う恐れがあります。そんな事を深く考えさせる素晴らしい番組を担当しているのが池上彰さんです。それを放映しているのがフジテレビです。
テレビ番組は低俗なものも多いのも事実ですが、良質な番組は皆で絶賛し、応援すればテレビ番組の質も改善されると信じています。皆様のご意見やコメントを頂ければ嬉しく思います。
最後に目をおやすみ頂く為に ちひろさんの撮影した美しい木の実の写真を挿絵の心算でお送りします。