普天間基地移転がとん挫してしまい、米軍基地が日本に長期間居座る情勢になって来ました。私も1人の日本人として他国の軍事基地が国内に存在していることは当然嫌なことです。
そこで何故、アメリカ軍は日本に基地をおいて置く必要があるのか?少しばかり調べて見ました。
調べる時、英語で検索するとアメリカの立場からの説明があります。説明は体系化され明快な理屈でなされて居て実に分かり易いのです。Kadena Air Base, Futenma Air Base, Yokota Air Base という言葉を検索すると米軍側で作ったそれぞれの基地のホームページが出て来ます。それで分かったことを個条書きに示します。
(1)米軍の基地は一つの戦略目的ごとに別々に建設、保有されているのです。
例えば嘉手納はアメリカ空軍の最大の戦闘機部隊基地です。普天間はアメリカ海兵隊の支援航空部隊の飛行場であり、東京のそばの横田基地はアメリカ空軍の輸送機部隊の飛行場として、それぞれの役割が明快に分けてあります。
(2)在日空軍基地の守備範囲は実に広大で、アメリカの西海岸からアフリカの東海岸までです。南北は南極大陸から北極までの範囲です。日本、韓国、中国、ベトナム、タイ、ミャンマー、インドなどなど全ての国国で一旦戦争が起きたら、即刻日本の米軍基地から戦闘機や爆撃機が発進するのです。
(3)沖縄で広大な面積を有する基地は嘉手納基地と普天間基地です。この二つのアメリカ側から見た重要性は嘉手納基地が非常に大です。太平洋とインド洋で一番大規模な戦闘機・爆撃機基地なので、これの移転は不可能でしょう。
(4)一方普天間基地はアメリカ海兵隊の作戦支援航空隊の飛行場です。アメリカの海兵隊の飛行隊の基地はハワイや岩国にもあり沖縄の普天間は嘉手納基地ほど重要では無いようです。
(5)嘉手納基地は空軍のもので、普天間基地は海兵隊のものです。空軍と海兵隊は対立的な歴史を持っているので基地を合同で使うということは不可能でしょう。
(6)普天間基地は市街地にあり、住宅密集地に隣接し騒音被害、墜落事故による被害、気の荒い海兵隊員の基地周辺での粗暴な行いの被害などで一番沖縄住民にとって頭痛の種になってきました。
以上の背景のもとに自民党政権はアメリカ側と困難な交渉をしてやっと危険な普天間基地の移転の合意を取りつけたのです。
それを民主党政権が日米合意を一方的に無視したのですから今後長年にわたって日本にある米軍基地はそのまま存続すると思います。
このようにアメリカの立場で基地問題を調べてみると日本の民主党の政治家の基地に対する考え方があまりにも狭量で我田引水的過ぎるという事が分かります。
国際問題は先方の立場に立って考え、両方の納得する妥協点を探して行く努力をしなければいけません。元の防衛大臣の石破さんが嘆いていましたが無理もありません。今後の日本の外交に非常に暗雲が立ちこめています。貴方のお考えはをお聞かせ頂ければ嬉しく思います。(終り)
伊豆の伊東から大室山の方へ車で登り、一碧湖を過ぎると湖の上に池田20世紀美術館があります。池田英一(1911-82)さんという会社の社長さんが個人的な趣味で集めた20世紀の画家達の絵画1300点を収蔵しています。主にフォービズム、キュービズム、アブストラクト(抽象画)、ポップアートなどの20世紀の絵画を展示してあります。印象派の絵もあります。池田英一さんの集めた絵画はなにか温かく、人間的で、心が安らかになります。池田さんは人間の全てが好きなようです。多様な描写で人間を描いた数多くの作品が集めてあります。抽象画の画面の向こう側にも何故か人間が見えるようです。勿論、温かい描きかたをした風景画もあり、楽しい美術館です。
奇抜な抽象画、挑戦的な生の感じの画が無いので心穏やかに楽しめます。絵画を下手な写真で紹介することに少し罪悪感がありますが、写真から原画をご想像頂ければ嬉しく思います。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人