後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

アメリカの最初の総領事館が3年間あった玉泉寺の写真

2009年12月23日 | 旅行記

ペリー提督が三浦半島の浦賀で江戸幕府と日米和親条約を作ったのが1852年。帰国後、ペリーはタウンゼント・ハリスを初代の在日総領事として下田へ派遣したのが1856年です。ハリスを乗せた3本マストの帆船で蒸気機関を持ったサン・ジャシント号が下田港に錨を下ろした所は下の写真の付近です。この写真の海からボートで陸に上がった所に玉泉寺があります。玉泉寺は420年の歴史のある曹洞宗の古刹です。江戸幕府はその寺をハリスにアメリカ領事館として与えたのです。

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1856年8月5日にハリスは通訳官ヒュースケンを伴い、玉泉寺に入ります。次の日に高い旗竿を立てて、日本で初めて、星条旗を掲揚したのです。それから2年10ケ月の間、ハリスはこの寺にとどまり、アメリカの初代総領事館を守ったのです。

下の左の写真が寺の入口の階段でハリスが登り降りした階段です。右の写真がハリスが住んでいた本堂です。この中にアメリカから運んできた大きな薪ストーブを取りつけ、冬の寒さをしのいだのです。本堂の前庭では牛を殺して牛肉を食べていたと記録にあります。牛乳も飲んでいました。夏は暑くて、大きな蚊に悩まされたとハリス日記に書いてあります。ハリスの世話をしたのが唐人お吉でした。

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寺の本堂の右手に大きなハリス記念館があり、当時ハリスが使っていた文房具、家具、調度などが展示してあります。展示物は数多く、ハリスの人物像もあり当時の生活の実態がよく分かります。

このお寺の裏山には、ペリー艦隊の5人の死亡者のお墓もあります。下の左の写真です。右の写真は、ロシアの黒船の3人の墓です。

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アメリカ人の5つの墓もロシア人の3つの墓も見かけは佛教風な作りですが、墓石の前面には大きく十字架が彫り込んであります。 特に興味深いのはアメリカ人の墓の一つは若い海兵隊員のものです。海兵隊(Marine)が当時からアメリカの軍隊組織の中に独立した組織として区別されていたのです。

江戸時代からアメリカ領事館が日本に有ったのです。やがて明治維新が起き、アメリカ総領事館は東京へと移転して行くのです。幕府の外交方針は閉鎖的な考えに基ずいて居ました。外国人は江戸からなるべく遠方に離して置いたのです。それは函館に最初のロシア領事館を置いたことでも分かります。このように、外人を遠方に置きたい、異人と感じるという深層心理が現在の日本人にも時々見られます。少し困った心理状態と思っています。撮影は12月15日でした。


府中の森芸術劇場でクリスマスコンサートを聴いて来ました

2009年12月23日 | うんちく・小ネタ

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新宿駅から京王線の電車で30分で府中市に着きます。府中市は大変に財政の豊かな自治体です。府中の森という広大な公園には市立美術館や贅沢な芸術劇場があります。大型のシンフォニーホールの他に上の写真のようにパイプオルガンを設置した室内楽専門のホールと、他にもう二つ会場があります。レストランもあります。

今日は室内楽専門のホールで開催されたNHK交響楽団所属の金管楽器演奏者による楽しい5重奏を家内と一緒に聞いてきました。

トランペット2人、フレンチホルン1人、チューバ1人、トロンボーン1人という編成です。第一部はクラシックの曲でした。第二部は映画音楽や日本の曲やミュージカル曲、そしてジャズもありました。最後のほうではクリスマスソングのメドレーもありました。

弦楽四重奏は時々聴きますが、金管だけのブラスバンドは初めてです。驚きました。弦楽器の音を出すのです。嫋嫋と哀愁をおびたメロディーを歌い上げるのです。ブラスの編成なので行進曲のような勇壮な曲が多いと思っていましたが違います。華やかな音の響きのなかに哀愁が含まれているのです。ハンガリー舞曲の3番、4番、6番を演奏しましたがオリエンタルな基調低音が流れ奥行きの深い演奏です。映画音楽ではゴットファーザーの主題歌をトランペットソロで奏でるのです。家族愛や友情を美しく描いたイタリアマフィヤの映画です。皆カトリック教徒で、幼児洗礼やミサの風景が随所に挿入されています。非合法の暴力団です。最後は悲しい決末で終ります。そんなストーリーを語るようにトランペットが歌い続けるのです。

東京の西半分にお住まいの方々へこの芸術劇場の演奏会をお勧めします。例えば来年の2月6日(土)2時開演でモーツアルトの交響曲第41番、ジュピターなどの演奏会があります。詳しくはhttp://www.fuchu-cpf.or.jp/theater/ をご覧ください。(終り)


アメリカ軍のそれぞれの基地の守備、攻撃範囲を知って、もう思い煩うことは止めました

2009年12月23日 | うんちく・小ネタ

天間基地問題が起きてからイライラして居ました。国家間の約束事のはかなさに驚き、イライラの原因になりました。そして日本を占領しているように、多くの軍事基地を持っているアメリカへ対してイライラしていたのです。

そこで幾つかの基地の役目と守備(攻撃)範囲を調べてみました。

恐ろしいことですがアメリカは全世界のどの国をも瞬時に攻撃出来るように軍事基地を世界中に配置しているのです。

例えば、嘉手納基地の戦闘機や爆撃機の攻撃範囲は太平洋全域とアフリカ東海岸までです。南北は南極大陸から北極までの範囲です。横田基地の輸送機部隊の作戦範囲も同じです。一方普天間基地はアメリカ海兵隊の作戦支援航空隊の飛行場です。

横須賀と厚木飛行場はアメリカ海軍の海外基地の中では一番大きく、すぐれた海上攻撃能力を持っています。アメリカ海軍が海外に常駐している航空母艦は、横須賀に常駐している、ジョージ・ワシントン ただ一艦だけです。守備範囲は太平洋とインド洋の全域です。横須賀基地の強さは実は厚木飛行場が艦載機の貯蔵、修理、訓練を受け持っていることによります。

ドイツにある大きなアメリカ空軍基地はSpangdahlem Air Baseです。ホームページの右下のmissionという項目をクリックすると守備範囲が出て来ます。中近東、アフリカ全域、ヨーロッパ全域と書いてあります。イラク戦争の時には戦闘爆撃機がイラクの空襲に出撃していました。

ここまで調べて見れば、アメリカの戦略がはっきりと理解できます。

アメリカの陸軍、海兵隊、空軍、海軍の4つの軍隊組織が別々に世界中に基地を保有しているのです。そして地球上のどの国をも瞬時に攻撃出来るように合理的に配置しています。イギリスのようにアメリカが深く信頼し相互軍事条約を持っている国が航空母艦を戦闘配備している場合はアメリカの海軍基地は有りません。イギリスがアメリカに代わって敵を攻撃してくれるからです。

こうしてアメリカ軍の基地の配置状況と攻撃分担範囲を知ってしまうと安心です。

安心とは実態を知ったので、「カエサルの物はカエサルへ返せ」という境地に達したので安心なのです。ユダヤの神殿がお金を儲けていました。ローマ総督が神殿へ税金をかけお金を取ろうとしました。ユダヤ教の指導者が猛烈な反対運動をします。キリストの周りにいた人がこの問題についてイエス様へ意見を聞きます。

イエスは言います、「カエサルの像の彫ってあるお金なのだからカエサルへ返しなさい」と。それは税金を納めなさいという意味を婉曲に言ったのです。当時のユダヤではローマのお金が流通していたのです。この言葉の意味は、利益を得たらその一部は税金として返して、戦争や争いを起こしてはいけない。それよりも重要な神の事を深く考えなさい、という意味にも解釈されます。もっと拡大解釈すれば、この世のことでイライラしたり政治運動したりするひまが有ったら、もっと神のことに時間を使いなさいという意味なのです。

アメリカ軍がどんなに強大で横暴な印象を与えていても、それは所詮、この世の小さな現象です。永遠に続くものではありません。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必滅の理(ことわり)を現わす、おごれる人も久しからず、・・・猛き者も遂には亡びぬ・・・。

日本人ならこの文章を信じていると思います。在日米軍基地をこのように考えるともう一切思い煩うことはありません。

今日も皆様のご健康と平和を御祈り申し上げます。藤山杜人