津波や地震の多い日本には原子力発電は危険です。
核兵器の基礎技術を保有するために原発は重要ですが、一方では、もっと自然に優しい水力発電や風力発電や太陽光発電を大切する精神文化を育てることが日本人の心を豊かにします。
誤解を避けるためにはっきり言明して置きます。水力発電や風力発電は発電規模が小さくて巨大な日本の電力需要を賄えません。どうしても大電力を安定して供給出来る火力発電や原子力発電に頼る必要があります。
ですから火力発電や原子力発電は人間の経済活動です。
しかし一方、水力発電や風力発電や太陽光発電は人間の考え方を変え、自然を大切にする文化活動なのです。
私の主張したいことは経済活動を多少ゆっくりして、気持ちの余裕を持って自然を大切にする文化をもっと、もっと育てるべきだということです。
その為には水力発電所や風力発電所や太陽光発電パネルをもっと知るのが良いと信じています。
そんなわけで、今日は山梨県、上野原町にある東京電力の八つ沢水力発電所の写真を撮って来ました。明治45年、1912年に出来た発電所で大正3年、1914年には出力が35000Kwとになり、当時としては東洋一の発電量を誇っていたのです。
現在も発電を続行していて、出力は42000Kwになっています。
この電気は主に上野原町、大月市、都留市へ供給されています。
それではこの八つ沢水力発電所の取水口からご案内いたしましょう。
大月市にある駒橋発電所で使った水と桂川からの水の両方をこの堰に集め、写真の右下にある送水用のトンネルへ送り込んでいます。
そのトンネルの入り口は上の写真には写っていませんが、写真の右下にレンガ積みで見事に出来ていました。そして下の写真の調整池へ送られのです。
取水口から取り込んだ水はトンネルや水路橋をつないで10Km先のこの大野調整池へ送ります。ここから又5Km位先の八つ沢水力発電所へ水をおくります。
電力需要の少ない夜間はこの貯水池から水を発電所へ流さず貯めておきます。朝になって電力需要が増えるにしたがって流す水の量を増やします。すなわちこの池で発電量を調整しているのです。ですから大野調整池といいます。
上の写真が八つ沢水力発電所の水の導管です。この圧力管の下に発電機が4基入った立派な建物がありました。凄い水音がしていてさかんに電気を作っている様子が実感できます。
電気を送り出す前に電圧と周波数を一定にしなければなりません。それをするのが変電所です。上の写真は桜花に囲まれた変電所の一部を示しています。
八つ沢水力発電所で使い終わった水はさらに3Km位先の松留水力発電所に送られます。この発電所は水位差が4mしか無くて発電出力が小さすぎます。
今日見ましたら水は発電機へ送らずにわきの水路から直接上の写真のように桂川へ放出していました。
この写真の水は富士五湖の山中湖から流れ出し、忍野八海の湧水を集めて富士吉田、都留市と流れ下り、都留市で取水され駒橋水力発電所で使われた水です。
このように自然の水流を大切に集め、水路で送った水で発電するのです。有害な廃棄物や汚染水は一切出しません。綺麗に澄んだ水だけを元の川へ感謝しながら返すのです。
そんなことを考えながら写真を撮っていた今日はとても心が和みました。幸せな気分でした。このような文化の溢れている国にするのも決して悪くないと信じています。(終わり)