万葉集に次のような歌があります。・・・淡路島 松帆の浦に 朝凪に 玉藻刈りつつ 夕なぎに “藻塩”焼きつつ 海人娘子 ありとは聞けど 見に行かむ ・・・
松帆の浦で藻塩を使って塩を作っている美しいという噂の娘を見に行きたいのだが・・・という男の歌です。彼は笠朝臣金村といい万葉集 巻六-935の歌です。
その他に万葉集には藻塩や塩を焼くという言葉が度々出て来ます。
塩を作る製法は次のように3段階です。
(1)海水を玉藻すなわちホンダワラにかけ天日に干します。乾いたらまた海水をかけ干します。これを何度も繰り返しホンダワラの上についた塩を増やします。
(2)塩が多量に付着したホンダワラを海水で洗い、濃厚な塩水、すなわち「かん水」(鹹水)を作ります。この鹹水にはホンダワラの風味が少しついています。
(3)この鹹水を製塩土器に入れて煮つめて塩の結晶を作ります。
この上の(3)の過程で乾燥させたホンダワラを焼いてその灰を鹹水に混ぜてホンダワラの味を濃くしたものもあります。
現在、全国のあちこちで「藻塩」を製造して販売しています。近代的な製造設備を使っているので「製塩土器」は使いません。
一番目の写真は市販されている藻塩の一例です。「藻塩」を検索すると数多くの店で販売していて、ネットで取り寄せられます。値段は一袋数百円です。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/c2/54de810af502865d22bd4453ca44af11.jpg)
話は変わりますが宮城県の塩釜市には塩竃神社がありその中に御釜神社があります。この御窯神社の神事に藻塩焼神事があります。
その神事は上で示した3段階を忠実に行う神事です。
二番目の写真に御釜神社を示します。そして三番目の写真には藻塩焼神事の様子を示します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/51/ed7ea043be38b26a760a14cfaca9bfe2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/9f/219aea083eef3dc8445bca86714db4fc.jpg)
大和朝廷が塩竃市の西隣に多賀城の砦を作ったころ、塩竃で藻塩焼きをして塩を作ったという伝承にもとずいた神事です。以下のような3段階の神事です。
(1)7月4日 藻刈 鹽竈神社の幟を立てた小船を宮城郡七ヶ浜町花淵湾(鼻節神社の沖合)に出し、海底より海藻のホンダワラを刈り取って櫃に納めて持ち帰り、社殿に御供えする。
(2)7月5日 御水替 午前10時、当社に奉告の祭典を行った後、松島湾の釜ヶ淵に小船を出す。船上で儀式を行い、満潮時の海水を汲み帰って神竈の柵内に置く。午後5時より旧来の神竈の古い水を新桶に汲み取って残水を去り、竈の内外を藤蔓で洗浄してから、汲み帰って来た潮水を竈に入れる。
(3)7月6日 藻塩焼例祭 神竈と同形に作った塩焼竈の上に竹で編んだ棚を置き、4日の藻刈により刈り取って来たホンダワラを広げる。その上から潮水を注いで竈の中に鹹水を蓄え、時間をかけて煮詰める。できた荒塩は採集して、まず御釜神社の神前に供え、10日に鹽竈神社の3座の神前に御供えする。
現在市販されている「藻塩」の味は塩にホンダワラの味を加えたようなまろやかな美味しい味だそうです。試に購入されて味わうのも良いと思います。
松帆の浦で藻塩を使って塩を作っている美しいという噂の娘を見に行きたいのだが・・・という男の歌です。彼は笠朝臣金村といい万葉集 巻六-935の歌です。
その他に万葉集には藻塩や塩を焼くという言葉が度々出て来ます。
塩を作る製法は次のように3段階です。
(1)海水を玉藻すなわちホンダワラにかけ天日に干します。乾いたらまた海水をかけ干します。これを何度も繰り返しホンダワラの上についた塩を増やします。
(2)塩が多量に付着したホンダワラを海水で洗い、濃厚な塩水、すなわち「かん水」(鹹水)を作ります。この鹹水にはホンダワラの風味が少しついています。
(3)この鹹水を製塩土器に入れて煮つめて塩の結晶を作ります。
この上の(3)の過程で乾燥させたホンダワラを焼いてその灰を鹹水に混ぜてホンダワラの味を濃くしたものもあります。
現在、全国のあちこちで「藻塩」を製造して販売しています。近代的な製造設備を使っているので「製塩土器」は使いません。
一番目の写真は市販されている藻塩の一例です。「藻塩」を検索すると数多くの店で販売していて、ネットで取り寄せられます。値段は一袋数百円です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/c2/54de810af502865d22bd4453ca44af11.jpg)
話は変わりますが宮城県の塩釜市には塩竃神社がありその中に御釜神社があります。この御窯神社の神事に藻塩焼神事があります。
その神事は上で示した3段階を忠実に行う神事です。
二番目の写真に御釜神社を示します。そして三番目の写真には藻塩焼神事の様子を示します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/51/ed7ea043be38b26a760a14cfaca9bfe2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/9f/219aea083eef3dc8445bca86714db4fc.jpg)
大和朝廷が塩竃市の西隣に多賀城の砦を作ったころ、塩竃で藻塩焼きをして塩を作ったという伝承にもとずいた神事です。以下のような3段階の神事です。
(1)7月4日 藻刈 鹽竈神社の幟を立てた小船を宮城郡七ヶ浜町花淵湾(鼻節神社の沖合)に出し、海底より海藻のホンダワラを刈り取って櫃に納めて持ち帰り、社殿に御供えする。
(2)7月5日 御水替 午前10時、当社に奉告の祭典を行った後、松島湾の釜ヶ淵に小船を出す。船上で儀式を行い、満潮時の海水を汲み帰って神竈の柵内に置く。午後5時より旧来の神竈の古い水を新桶に汲み取って残水を去り、竈の内外を藤蔓で洗浄してから、汲み帰って来た潮水を竈に入れる。
(3)7月6日 藻塩焼例祭 神竈と同形に作った塩焼竈の上に竹で編んだ棚を置き、4日の藻刈により刈り取って来たホンダワラを広げる。その上から潮水を注いで竈の中に鹹水を蓄え、時間をかけて煮詰める。できた荒塩は採集して、まず御釜神社の神前に供え、10日に鹽竈神社の3座の神前に御供えする。
現在市販されている「藻塩」の味は塩にホンダワラの味を加えたようなまろやかな美味しい味だそうです。試に購入されて味わうのも良いと思います。