皆様は「風が吹けば桶屋がもうかる」という小話をご存じでしょうか。
風が吹くと砂埃がま舞い、目の不自由な人が増える。すると音曲で暮らしを立てることになり三味線の需要が増える。三味線を作るために猫の皮を用いる。猫が少なくなるとネズミが増える。ネズミが台所や物置にある桶を齧って穴をあけてしまう。新しい桶がどんどん売れる。だから桶屋が儲かる。
この小話は因果関係のないことを強引に繋いだところがおかしいのです。その上、昔の日本人の暮らしぶりを示しているので歴史的な価値があります。
前置きが長くなってしまいましたが今日これから書くことは「風が吹けば桶屋が儲かる」ような話です。信用しないで下さい。笑い飛ばして下さい。
最近、優秀な二人の女性大臣が有権者へウチワを配ったり、ワインを配ったりして辞職しました。
この2人を比較すると、ウチワよりもワインを配った方が悪いと感じます。
それが普通の感じ方ではないでしょうか?有権者を酔わせて投票してもらうのと、ウチワであおいで良い気分になって投票してもらうのとどちらが悪いのでしょうか?
この違いは二人の大臣の持っている文化の違いです。二人を取り囲む後援者の民度の違いです。お酒を貰いたい有権者が居る。お酒は選挙違反だと思っている有権者が居る。この違いが民度の違い、文化の違いです。
ところが比較文化人類学ではどんな民族、どんな文化にも絶対に優劣が無いと教えています。ですから民度の違いなどという考え方を厳しく否定します。
この原理に従えばウチワもワインも同じように選挙違反だという結論になるのです。優秀な二人の大臣が同じ日に辞めたことは比較文化人類学的には正しいことでした。
ここで「風が吹けば桶屋がもうかる」ように話を飛ばします。この世の全ては比較すると客観的に、公平に理解出来るという話へ飛躍するのです。
日本の政治体制とアメリカの政治体制を比較するとそれぞれの民主主義の違いが理解出来ます。しかし双方の民主主義には絶対に優劣が無いのです。
同じように仏教とキリスト教を比較すると絶対に優劣が無いのです。私がカトリックになったお蔭でそのことが確信するようになったのです。そのことを説明すると長くなるので稿をあらためて書きたいとおもいます。
結論を言えば上のような飛躍した話こそ「風が吹けば桶屋がもうかる」という話になります。なにせウチワとワインの違いが仏教とキリスト教の違いへつながっているのですから。
荒唐無稽な話を書いて失礼いたしました。今日の挿絵は私の好きな唐招提寺の写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/b1/21de5e8e44e4819aa5ca0bdac0baf2f9.jpg)
===唐招提寺とは======================
唐招提寺は、南都六宗の一つである律宗の総本山です。
多くの苦難の末、来日をはたされた鑑真大和上は、東大寺で5年を過ごした後、新田部(にたべ)親王の旧宅地(現在の奈良市五条町)を下賜されて、天平宝字3年(759)に戒律を学ぶ人たちのための修行の道場を開きました。
「唐律招提」と名付けられ鑑真和上の私寺として始まった当初は、講堂や新田部親王の旧宅を改造した経蔵、宝蔵などがあるだけでした。
金堂は8世紀後半、鑑真和上の弟子の一人であった如宝の尽力により、完成したといわれます。
現在では、奈良時代建立の金堂、講堂が天平の息吹を伝える、貴重な伽藍となっています。
http://www.toshodaiji.jp/about.html より。