現在の日本では世界中の美味しいものが食べられます。昔からのフランス料理や中華料理は勿論、イタリアンやタイ料理、インドネシア料理、そして寿司やウナギの蒲焼など全ての美味しいものが食べることが出来るのです。
しかしこれらの食料のカロリーベース自給率は40%で、残りの60%は全て外国から輸入されているのです。食料の品目別自給率を調べると米以外は魚も穀類も乳製品も全て輸入に頼っているのです。
一旦、大戦争が起きれば食料の輸入が途絶え、国民の60%が栄養失調になってしまうのです。そして貧富の差が厳然として存在している日本では栄養失調で死んでしまう人が何十万人、何百万人も出ると想像されます。
日本の食料自給率は世界でも最低の国々と同じようなレベルにあるのです。
下の2枚の図面をご覧下さい。出典は、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E6%96%99%E8%87%AA%E7%B5%A6%E7%8E%87 です。
上の図面で恐ろしいことは日本の自給率が毎年、減少していることです。1961年には75%もあった自給率が2012年には40%まで減少しているのです。
上の図面は穀類だけの自給率ですが、アメリカ、フランス、ドイツは穀類が余って輸出しているのです。イギリスは自給率がほぼ100%です。日本だけが毎年減少しして現在は25%位まで下がっています。
このよ2つの図面が示すように先進国の中で日本だけが自給率が突出して低くなっているのです。それも毎年減少する傾向が止まらないのです。
その原因を、日本の農業と農協にだけ責任があると考えるのは間違いです。
むしろ日本の高度経済成長によって外国から美味しいものを際限もなく輸入し、食べつくすという文化を作った人々に責任があります。私自身も輸入食品を沢山買いますし、輸入食材を多量に使ったレストランなどで食事もします。
その外国産の食材を世界のはてから輸入しているのが大小さまざまな商社なのです。
輸入に必要なお金は日本の先進的な工業製品を輸出して稼いでいるのです。例えば昨年度のトヨタの自動車販売数が世界一になったと言います。トヨタだけでなくニッサンもホンダも利潤を上げています。
そして多数の日本の会社が、中国や東南アジアに工場や支社を作って利潤を上げ、その一部を日本へ送金しているのです。
一言でいえば日本の民間会社の経済活動がグローバル化して巨大な利潤をあげています。その利潤の増大にしたがって食料自給率が次第に下がって行くのです。
日本は戦後70年平和が続きました。ですから世界はいつまでも平和で、現在の食料の輸入も永久に続くと信じている人が多いのです。
しかし「この世の全ては必ず変化します」というお釈迦さまのこの言葉は永遠に正しいと信じています。
現在のような食料自給率を何とかして増大するにはどうすれば良いのでしょうか?
それは非常に難問です。解答はありません。
しかし砂上の楼閣のような日本の繁栄を時々真剣に考えることは健全な精神文化を創る為に非常に重要なことと私は信じています。
楽観も悲観もない静かで健全な精神文化が続くようにお祈りしながら美しい富士山の写真を2枚お送りして終わりとします。富士山の写真の出典は、http://fotopus.com/fuji/ です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料===============
日本の食料自給に関して:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E6%96%99%E8%87%AA%E7%B5%A6%E7%8E%87
日本の食料自給率
日本の食料自給率 1965年73% - 2010年39%
日本は世界最大の食糧輸入国であり、2008年財務省貿易統計によると、食糧輸入額は約5兆6000億円で世界全体の10%を占めている[7]。
日本の食糧自給率は、カロリーベース総合食料自給率で39%(2010年度)、生産額ベース総合食料自給率では69%となっている。
農林水産省の試算では日本の2010年の品目別自給率は:
• 穀類 27%、(内訳:食用穀物 59%、粗粒穀物 1%)
• いも類 75%
• 豆類 8%
• 野菜類 81%
• 果実類 38%
• 肉類 56% (飼料作物の自給率は約25%である[10]。)
• 卵類 96% (同上。)
• 牛乳・乳製品 67% (同上。)
• 魚介類 54%
• 砂糖類 26%
• 油脂類 13%
2010年度の米、麦、とうもろこし等の穀類の日本国内の総需要(仕向量)は、3476万トンで国内生産は932万トン(総需要の27%)であった。総需要 3476万トンの内訳は飼料用1516万トン(44%)、加工用514万トン(15%)、純食料1196万トン(34%)となっている。
2010年度の大豆など豆類では総需要404万トンに対し国内生産32万トン(8%)で、需要の内訳は飼料用12万トン(3%)、加工用270万トン(67%)、純食料108万トン(27%)となっていた。
魚介類の総合自給率は54%と報告されているが、2010年度の国産漁獲は531万トンでその内訳は沿岸漁業129万トン、沖合漁業236万トン、遠洋漁業48万トン、海面養殖111万トン、内水面漁業8万トンとなっており、自給率の1割弱は遠洋漁業によるものである。食用魚介類のみでは自給率は若干高く2010年度は62%であった。2011年度の国産漁獲量は東日本大震災の影響もあり2010年度比で約1割減となった。
畜産物(肉類・卵類・牛乳・乳製品等)の自給率が高くなっているが、必要とする飼料用の穀類は4分の3は輸入に頼っており、輸入飼料による飼育分を輸入畜産物と見なすと、畜産物の自給率は16%(2010年度)である。
各都道府県の食料自給率(カロリーベース)では、100%を超える都道府県は北海道と青森県、岩手県、秋田県、山形県のみである。北海道は192%と全国一の値を誇る。一方、一番低い東京都は、約1%となる。
また、穀物自給率は28%となっている。これは、173カ国・地域中124番目(2002年時点)となっている。
日本国民の意識としては、7割の人が食料自給率を低いと感じている。