毎年、2月になると南米のリオのカーニバル風景がマスコミの話題になります。そしてその風景は2月の風物詩のように日本人の持っているイメージの一つになっています。
しかし多くの人はそれがキリスト教の祭りだということを知りません。しかしキリスト教のカトリック教徒にとってはカーニバル(謝肉祭)、灰の水水曜日、四旬節、復活祭という一連の宗教行事の幕開けとしていろいろなことを考えさせるのです。
今回の記事の目的はこれらの宗教的な行事の意味とお互いの関係を簡略に説明しようとするものです。
その前にカーニバルの風景写真をご覧ください。
一番目から三番目までの3枚の写真は南米のリオのカーニバルの写真です。四番目の写真はイタリアのヴィネチアのカーニバルの仮装の写真です。5番目の写真は日本の小平市の花小金井のサンバ祭りの写真です。写真の出典は、http://www.jiji.com/jc/d4?p=smb005&d=d4_int です。

さて復活際とその前の宗教行事の意味をご説明いたします。
イエス・キリストは、ローマ提督、ピラトによって十字架刑にされました。2000年程前の出来ごとです。しかし3日後に復活して生き返りました。そして弟子達と会い、話をして、天国へ登り、神の右の座に着きました。
このイエス様の復活を祝うのが復活祭です。春先の大きなお祭りです。今年は4月5日(日曜日)です。その前の40日間が四旬節として歌舞音楽を控え、断食や節食をしてイエス様の処刑を悼みます。カトリック圏では騒がしい音楽やお笑いがテレビやラジオから消えます。静かな番組になります。禁欲的な生活を送る40日間なのです。
その四旬節の始めの日が、「灰の水曜日」です。灰の水曜日とはその日に神父さまが信者一人、一人の頭に灰をつけてくれるのです。この世の全てのものは土から生まれ、土へ還るということを忘れないように信者の頭に灰をつけるのです。今年は2月18日の水曜日です。
そしてこの日から禁欲の40日(四旬節)が始まります。
この禁欲的な40日間の前に大いに肉を食べ、ワインを飲み、バカ騒ぎをして断食や節食の期間へ突入する準備をします。それがカーニバル、あるいは謝肉祭と呼ばれるお祭りなのです。
ですからこの飽食の馬鹿騒ぎは「灰の水曜日」の前日にピタリと止めます。大規模なリオのカーニバルも2月17日にピタリと止め、世の中は水を打ったように静謐になります。
この謝肉祭が行われるのはカトリックの国々です。特にスペインやポルトガルの植民地だった南米では大きなお祭りとして毎年行われます。
しかし、よくよく考えてみるとイエス様は飽食や、欲望のままに酒を飲むのを喜ぶでしょうか?「汝、肉慾に生きるな」と教えました。ですから馬鹿騒ぎのカーニバルはキリスト教とは関係の無いお祭りだと私個人は理解しています。
けれどもカーニバルは地球上のすべての生物は土から生まれて、土に帰る灰の水曜日の意味を強調してくれます。
「灰の水曜日」はカトリックの重要な儀式で、今年は2月18日です。今年はこの日から復活祭の四旬節が始まります。
なお今年の灰の水曜日 、枝の主日 、主の晩餐、 主の受難、 復活Eve、 復活祭 、はそれぞれ、 2月18日、 3月29日、 4月2日、 4月3日、 4月4日 、4月5日となります。
復活祭(イースター、復活の主日)は、キリストの復活を記念する、キリスト教では非常に重要な記念日です。
さて話は変わりますが現在日本の各地で「サンバ・カーニバル祭り」というものが開催されています。これは1981年に始まった浅草サンバカーニバルが各地に広がったものです。
上の写真の5番目の写真はその一つの例です。
しかし日本のサンバ祭りは夏祭りなので灰の水曜日や復活祭とは関係がありません。
しかし日本に定着しているクリスマスと同じようにキリスト教を思い出して頂ければ、それも良いと信じています。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)