後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

我が人生で し残した趣味(2)小説を書き同人誌を発行する趣味

2016年02月17日 | 日記・エッセイ・コラム
よく若者の無謀な行いを「若気の至り」と言いますが、青春には恥ずかしいことが多いものです。
実は私はある新聞の懸賞小説に2度入選して賞金を貰ったことがあります。賞金で三省堂の金澤庄三郎編、「広辞林」を買いました。非常に厚い辞書で高価な本で今でも使っています。
応募先は仙台市の河北新報で1958年と1959年の2度応募しました。入選作の題目は、「老亜炭堀り」と「冬カッコー」でした。そして新聞に掲載されたのです。
選者は小説家の船橋聖一氏でした。選評で「構成力がある」などと褒めて下さり、嬉しかった記憶があります。
その時フッと思ったことが小説を書いて同人誌を発行する趣味を持つことでした。80歳の現在考えるとそれは無謀な「若気の至り」で恥ずかしくなります。
当時は理科系の大学院に入学したばかりでした。連日、徹夜の実験をしていた頃です。実験科学者として研究を続けるという決心でした。
そんな者に文才がある訳もなく、また時間的な余裕もありませんでした。しかし今でもそんな趣味に憧れています。私の人生での見果てぬ夢です。
ところが1974年に森の中に小屋を作った頃、近所の木内正夫さんの山荘に住んでいた木内光男さんという方と友人になったのです。
光夫さんは正夫さんの弟で当時、兄の山荘に寄寓していました。この兄弟とは何度か一緒にビールを飲み友人になったのです。
その後、この弟の光夫さんはサラリーマンをしながら小説を書いて、20年近くも毎年、同人誌を発行しているのです。
まさに私の夢を実行している方なのです。
その文学会は静岡県の伊東市を本拠地し、「岩漿文学会」と言います。平成9年に発足し、平成27年まで継続して同人誌「岩漿」(がんしょう)を発行しているのです。最近その24号が光夫さんから送られて来ました。
私はこの文学会の会員ではありませんが、初めから興味を持っていました。木内光夫さんはこの文学会を主宰し事務局長をしています。
馬場駿というペンネームで毎号に深い内容の私小説を発表しています。小説の単行本も出版しています。
私は自分の夢を実行してくれている友人なので自然に応援したくなりました。
そこで私のこのブログでは何回も馬場駿の作品を取り上げてご紹介して来ました。
そしてこの他に毎年、「岩漿」が送られて来る度に、その内容と馬場駿の作品の読後感をこのブログに掲載して来ました。
それはさておき小説を書いて同人誌を発行することは趣味なのでしょうか?そのことで生計費を稼いでいないので一応表題では趣味と書きましたが、それは間違っているかも知れません。
木内光夫さんにとって小説を書き文学会を作りその同人を集め、同人誌の「岩漿」を毎年一巻づつ発行することは人生そのものです。
生計を立てるため会社に勤めています。それも木内さんの人生の一部です。しかしもっと重要な人生は小説を書くことです。
ですから木内光夫さんいとっては文学活動は人生そのものだと考えられます。趣味などと言っては失礼にあたります。
木内光夫さんとはそんなひたむきなロマンチストなのです。
彼の主宰する文学会や同人誌のことなどは末尾の参考資料にあります。
あまり長くなりますので最後に彼と会った木内山荘の近辺の写真を示して終りと致します。

上の写真の草原の向こうの深い森の中に木内正夫さんの山荘があり、光夫さんがそこに寄寓していた時にお会いしました。

上の写真は木内山荘に登っていく悪路の様子です。

上の写真は車を停める場所の風景です。そこから100メートルくらい荒地を歩いて行ったところに山荘があります。

上の写真は現在の木内山荘です。光夫さんの兄の正夫さんが独りで暮らしています。

山荘の周辺には鹿や猿や猪が沢山棲んでいます。上の写真は昨年、山荘の近くで撮った野生の鹿の写真です。
===参考資料============
(1)木内光夫のホームページそして、馬場駿と岩漿文学会      
http://aseigansho.web.fc2.com/
静岡県伊東市を本拠地に活動する「岩漿文学会」は平成9年に発足し、平成27年まで継続して総合文芸同人誌「岩漿」(がんしょう)を発行してきました。現在24号に達しています。
同人は静岡県にとどまらず、東京都、神奈川県、山梨県の住人もいてやや広域です。年齢、性別、分野、執筆歴を問わず、どなたでも入会可能です。
発行は現在年1回、原稿締切が毎年1月末日、発行が3-4月となっています。
入会、投稿などの詳細は、上掲の「岩漿文学会」をクリックしてください。活動状況も分かります。
会員が上梓した数々の単行本もご紹介しています。
「馬場駿」は、当ホームページの主宰者で、「岩漿」の編集をしています。
このホームページでは、馬場駿の著作3冊もご紹介しています。興味がおありの方は上掲の
「太田道灌」、「夢の海」、「孤往記」をそれぞれクリックしてご入場ください。
   
馬場駿または会員の出版物を入手なさりたい方は、下記の岩漿文学会編集部のメールアドレスでお便りください。売り切れ、絶版がありましたらご容赦願います。中には「寄贈」させていただくことも可能という本もございます。
当会に入会をご希望の方は、上記編集部のメールアドレスでご連絡ください。
入会後は他の会員が掌る当会の事務局が「連絡機関」となります。
また当会にご質問などがありましたら、同様の連絡方法でお願いします。

(2)総合文芸誌『岩漿24号』  会創立20周年記念号  
  岩漿24号発行  2016年2月1日  200頁A5判  500円
              伊東市 サガミヤ書店 でも販売中! 0557-37-6767
送付図書館  静岡県立図書館 熱海市立図書館 伊東市立伊東図書館 伊東市八幡野コミセン 東伊豆町立図書館 下田図書館 伊豆の国市立図書館 国立国会図書館

ご希望の方は 岩漿文学会編集部へ (上記メール)
・・・・
岩漿、24号の目次:
  ◆小説                      ◆詩
      「夏つばき」 椎葉乙虫        「昨日のように朝が来て」 えびね蘭坊
      「現姥捨(いまうばすて)」 馬場駿  「詩集・四行詩抄」 小山修一
      「老詩人と長靴」 小山修一      「境界線/侵略者」 えびね蘭坊
      「恋歌」 佐木次郎          「あゆみ」 瀬戸あゆみ
  ◆論文                    ◆短歌 
「シベリアに抑留された伊豆の作家」桜井祥行   「母…五人の子どもの。二」 Chaco
 ◆詩集                    ◆短歌集
      「四行詩抄」小山修一       「媼空蝉(おうなうつせみ)」財津公江
     
  ◆随筆
      「爬虫類と暮らす」 桂川ほたる    ◆ひろば
      「孤高の人」 瀬戸あゆみ      「映画オタク」桜井祥行
      「てつびん」 深水一翠       「爬虫類に触れるよ」桂川ほたる
      「老いの悲しみ」 日吉睦子     「胎動」瀬戸あゆみ
  ◆編集部                  「愛書」岩越孝治
   「追悼」「作家と作品」「編集後記」    「流流子、語る」流流子
(3)馬場 駿の作品に関してこのブログに掲載した記事の例
以下はそのニ、三の例です。
「同人誌、「岩漿」を手にして趣味と人生を想う」、掲載日、2015年5月5日
「馬場 駿 著、「夢の海」の紹介・・・旧友の小説」、掲載日、2012年11月16日
「小説家、馬場 駿のドラマチックな生の軌跡」、掲載日、2011年06月01日
「馬場駿著「小説大田道灌」の読後感」、掲載日、2007年11月27日