このお盆休みに涼しい別荘に滞在して悠々と過ごしている方々もいると思います。
そんな別荘に憧れる人も多いと思います。
別荘を持っていると楽しいことは事実ですが、一方では湿気や害虫との戦いで苦労が絶えないのです。
今日は別荘の楽しさと厳しさを書いてみたいと思います。
まず私の小さな別荘の近くの風景写真をご覧下さい。
1番目の写真は私の別荘からよく遊びに行った白樺湖と蓼科山の写真です。長野県の諏訪湖から車山や霧ヶ峰の方へ登った所にあります。冬はスキーやスケートを楽しみました。
2番目の写真は甲斐駒岳の風景です。私の別荘はこの山の麓の山梨県の北杜市にあります。
3番目の写真は別荘へ登って行く雑木林の中の道路の風景です。夏は樹々の葉が繁って暗い道ですが冬には落葉して明るい道になります。
4番目の写真は山林の中にある別荘の写真です。1974年に完成した時、当時の武川村の役場から役人が調べに来てくれました。丁寧に見た上で「これは山林の中の小屋です。ですから不動産税は一切ありません」と言明したのです。最近は環境保全税とかいう名目で北杜市へ毎年払っています。
「これは山林の中の作業小屋です」ということなので私は別荘と言わずにいつも「山林の中の小屋」と言ってました。別荘と書いたのは今日が初めてです。
5番目の写真はこの別荘の庭を流れている小川です。以前やヤマメが棲んでいましたが最近は小さなカエルだけが棲んでいます。夏にはオハグロトンボが流に沿って飛び交います。
この小川のほとりで学生さんたちと夏の夜に一緒にビールを飲んだものです。当時は缶ビールが無く全て瓶に詰まっていました。そして生ビールは木の樽でしか配達しません。
小屋の下の方の村落にあった野本商店という酒屋さんの若い主人が生ビールの樽を担いで届けてくれました。それは個人向けの小さな樽でしたが、20リットルくらいは入っていました。十数人で長い夏の夜にゆっくり飲んでは雑木林の中を散歩したものです。
夜の雑木林と言えば犬と一緒に散歩していた若い奥さんのことを思い出します。私が、「犬が用心棒のような役目をするから怖くないのですね」と言いました。するとすかさず、「いえ、私が犬の用心棒なのです」という答えが返って来ました。彼女は絵を描くのが趣味で毎年展覧会に出展しています。
この小川のほとりではバーベキューをしました。夏には孫達が小川で水あそびをしていました。テントやハンモックを楽しんだり、小川の向こうの崖をイノチガケと言いながら登って、広い牧草地で野球をしました。
飲み水は車に積んで行きましたが生活用水は全てこの小川から汲んでいました。お風呂の水もこの小川から電動ポンプで汲み上げていました。
楽しかったことはもっと沢山ありましたが次に別荘を持つとどんな苦労があるか書きます。
山林の中に別荘を持ってみると現実の厳しさに辟易することも多いのです。
まず第一に泊まりに行く場合は自宅から布団や衣類を車に積んで持って行く必要があります。
夜具を別荘に置いておくと布団はジットリと湿ってしまいます。
カビも生えます。ですから別荘に着いたら早速カビを拭く掃除をしなければなりません。
その上いろいろな虫が棲みつきます。
別荘を持つとカビと湿気と虫との戦争を避けることが出来ません。
賢い奥様族はこの事態をあらかじめ、よく聞いて、知っています。
ですから別荘へは絶対に行かず、素敵なホテルに泊まります。
それでもロマンチストの夫が別荘を買うと言えば反対はしません。しかし自分は一緒に別荘に行きません。
別荘を持つと苦労するのは他にもあります。
小鳥が薪ストーブの煙突の中に巣を作っていました。取り除くのに苦労します。
イノシシが小川の岸辺を掘り返してミミズを食べます。
それにしても家内はよくついて来てくれました。
老境に至って別荘遊びによく付き合ってくれた家内に沁みじみ感謝しております。
結論を書けば別荘の良さは何と言っても気が向いた時フラリと行けることです。誰もいないので気がねなく遊べることです。大自然の中に溶け込めることです。別荘を持つことの苦労など些細なことです。小さいながらも別荘をもてた幸運に感謝します。
今日は別荘を持つことの楽しさと厳しさを体験にもとずいて書きました。
別荘を購入することをお考えの方々のご参考になれば嬉しく思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)