日本にはテーマパークという大きな国立野外博物館のようなものが幾つかあります。その中で名古屋のそばにある明治村は感動的でした。明治時代の建物が移築してあり明治時代の雰囲気です。嗚呼、明治時代はこんな時代だっと妙に納得しました。もう少し暖かくなったら明治村を是非訪れて見て下さい。
今日はそんな明治村をご紹介したいと思います。
明治村を訪れたのは2010年の4月はじめの桜の咲く頃でした。久しぶりの晴天で、桜が丁度満開でした。
遊歩道は高齢者にも歩けるようになだらかに出来ています。入鹿池の青い水面が雑木林の向こうに見え隠れします。
明治時代の銀行やホテル、兵舎や師範学校の建物があります。天主堂や教会堂もあります。小泉八雲が海水浴に通ったとき泊った焼津の魚屋の質素な家もあります。石川啄木一家が2階に住んでいた床屋があります。森鴎外と夏目漱石の住んでいた家もあります。
気持ちの良い里山の遊歩道を散策して行くと次から次へと興味深い建物が現れて来ます。そして明治時代の人々の一途な情熱に心が揺さぶられます。建物は何も言わずに静かに建っているだけです。その為にかえって明治の人々の喜びや悲しみの激しさを暗示しています。
明治村は昭和記念公園のような国立の野外博物館と思い込んで行きました。ところが2人の民間人が独力で作り上げたのです。
第二次大戦後、明治時代の美しい建物が荒れるにまかせ、倒壊して行く様子を見て、建築家の谷口吉郎さんが修理・保存を決心します。そして学生時代からの親友だった名古屋鉄道株式会社社長の土川元夫さんの協力を得て、昭和37年に土木工事に着手し、40年に開園しました。
愛知県、犬山市の入鹿池を囲む丘陵の里山の中に遊歩道を作り、全国から移築した明治時代の建物を散在させたのです。谷口さんと土川さんの精神の崇高さにおのずと頭が下がる思いです。
建築家、谷口さんが選んだだけに、全て建築美を漂わせています。それを入鹿池の周りの自然の景観に調和するように細心の注意を払って移築しています。
想像以上に素晴らしい野外博物館でます。
写真に明治村の風景を示します。写真は家内が撮りました。
里山に東京日比谷の帝国ホテルや京都にあった聖ザビエル天主堂や、そして京都にあった聖ヨハネ教会堂などが散在しています。長崎の」伊王島に建っていた聖パウロ教会堂もあります。内部はフランスのカトリック教会のように出来ています。
場所は名古屋から名鉄犬山線で30分で犬山駅のすぐ傍です。駅の東口からバスがあり、20分で明治村に着きます。是非訪問なさるさようお勧め致します。但し、野外を散策するので晴天の日に限ります。
この明治村は名古屋駅から離れているので行かない方も多いかも知れません。しかし是非訪れてみて下さい。感動すると思います。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)