後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

八王子城と東京近辺の城

2012年11月19日 | 日記・エッセイ・コラム
人間は優しさと残忍さを持つ。洋の東西を問わない。人間の殺戮の歴史を忘れないために、今回は戦国時代末期の八王子城の悲劇と、関東地方の鎌倉、室町、戦国時代の数多くの城跡をご紹介したいと思う。
 小田原城に北条早雲が拠点を置いてから4代目当主は北条氏政。関東中央部を支配ししていたのがその弟の氏照。武田信玄に攻められ苦戦した滝山城から山中の八王子城へ移ったのが1586年。しかしその4年後の天正18年、1590年6月23日に落城。秀吉に忠誠を約束した前田、上杉、真田の軍勢によって滅びされただ。
八王子城を攻めたのは信濃から進撃してきた前田利家、上杉景勝、真田正幸の連合軍である。上州の支城を北から席巻し、6月23日には15000人の勢力で4000人が守る八王子城を速攻し夕方には落城させた。生き残った家臣、婦女子は主殿裏の滝の上で自害し滝壺へ飛び込んだという。滝壺から続く谷川は血で三日三晩赤く染まったと言い伝えられている。
八王子城が落ちた6月23日は城主の氏照は小田原城に居て留守であったことも敗北を早めた一因という。
生き残った捕虜は小田原の秀吉のもとへ送られ、7月7日の小田原城の開城後、7月11日の氏政と氏照の切腹と前後して極刑に処せらた。
天正18年は関東、東北地方に散在していた多くの戦国大名が秀吉一派に敗北した年である。八王子城のような悲劇は関東全域の各地で起きた。
日本人と日本人が殺しあう。そんな時代がつい明治維新後の西南戦争まで当たり前であった。歴史を忘れる者は同じ過ちを繰り返すという。住んでいる場所の近くで起きた悲劇なら忘れ難いと思い、八王子城跡を静かに歩いてきた。針葉樹に囲まれた暗い谷間に雪道が寂寥として続いていた。上に示す写真はその折に撮ったものである。
八王子城の他にも城跡は実に数多く存在している。しかし東京都区内にあった城や館の大部分は市街地に呑み込まれ記念碑や説明板だけになっている。
一方、東京の郊外の多摩地方の城跡は堀跡、広場、出入口の土手、建物の礎石群がそのまま残っているものも多く往時の様子が偲ばれる。
八王子城の他、滝山城、片倉城、深大寺城、平山氏館跡などは当時の建物群の礎石や空堀が良く保存されている。発掘調査も行き届き、説明板も明快である。
これらは車で行くと便利が良いが、滝山城だけ駐車場が無い。壮大な規模の城跡がそのまま残っているだけに残念である。
その他、現在の東京の地名に関係したものだけを以下に記す。
江戸城、御殿山城、荏原氏館、品川氏館、池上氏館、馬込城、赤堤砦、奥沢城、世田谷城、渋谷城、滝野川城、板橋城、志村城、石神井城、練馬城、深大寺城、立川氏館、平山氏館、小野路城、小山田城、八王子城、滝山城、片倉城、高月城、桧原城などなどである。東京だけでこれだけあるのだ。関東地方一円にはもっともっと数多くの城跡が存在している。
それにしても城の数の多いのに驚かされる。戦国時代、室町時代の群雄割拠ぶりが想像され感慨深い。なお高幡不動の裏山にも高幡城跡があり、上記のものの他にも城があったのでは無いかと思われる。
現在住んでいる多摩地域の歴史は文献が少なく不明なことが多い。しかし城跡は発掘調査をすると当時の家具調度、日用道具、食器、鍋釜などの破片が多数出土し最近、色々なことが分かって来つつある。皆様の住んでいる地域の城跡や館跡についてお教え頂きれば嬉しく思います。(終わり)
今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。藤山杜人
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撮影日時;2008年2月19日午前11時ー12時、
撮影場所、八王子市城山東斜面の八王子城主殿跡付近(尚、本丸は主殿うしろの城山山頂にあり、徒歩40分かかる)
東京都内から車で行く場合;中央高速道、八王子ICを出て16号線を甲州街道20号線まで行き右折し20号線をJR高尾駅手前の町田街道を右折。間もなく八王子霊園方面へ左折し中央高速道の下をくぐればすぐ左折。案内板にしたがって800メートル上ると八王子城跡入口がある。JR中央線で行く場合は終点の高尾駅下車、北口からバスがあるが、よく調べてから行く必要がある。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
とても魅力的な記事でした!! (職務経歴書)
2012-12-02 16:29:21
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
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職務経歴書 さん (後藤和弘)
2012-12-04 15:25:34
職務経歴書 さん

コメント有難う御座いました。


敬具、後藤和弘
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