旅する力―深夜特急ノート沢木 耕太郎新潮社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
旅に教科書はない。しかし、偉大な先達の残したノートを参考にすることはできる。
『深夜特急』では書かれなかったエピソードや、旅に出るまでの経緯、沢木耕太郎ができるまでとも言うべきデビュー直後の秘話など、旅に関する文章の総決算となる初の長編エッセイ。
【読んだ理由】
久しぶりの沢木 耕太郎作品。
【印象に残った一行】
いま、私はいかに自分が無力かを知っている。できることはほんのわずかしかないということを知っている。しかし、だからといって、無力であることを嘆いてはいない。あるいは、無力だからといって諦めてもいない。無力であると自覚しつつ、まだ何か得体のしれないものと格闘している。無力な自分が悪戦苦闘しているところを、他人のようにどこからか眺めると、少しばかりいじらしくなってきたりもする。おいおい、そんなに頑張らなくてもいいものを、と。
しかし、そのように頑張ることができるのも、もしかしたら自分の無力さを深く自覚しているからかもしれないのだ。
私が旅という学校で学んだのは、確かに自分は無力だということだった。しかし、それは、新たな旅をしようという意欲を奪うものにはならなかったのだ。
【コメント】
サラリーマン生活最後になる東京出張の行き帰りに読んだ。
『深夜特急』全編を読んでいないので是非とも読んでみよう。
劇的紀行 深夜特急 '96 熱風アジア編 OP