阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

神戸がロケ地のドラマ「たとえあなたを忘れても」10月22日夜10時より放送スタート  阿智胡地亭が神戸時代に慣れ親しんでた地がロケ地になるようや。

2023年10月23日 | 音楽・絵画・映画・文芸

ABCテレビ(大阪府)制作の連続TVドラマ「たとえあなたを忘れても」が、10月22日よりテレビ朝日系24局で放送開始されます。

物語の舞台に神戸の街が選ばれたのは、「山と海がある街の美しい景色がドラマの世界観に合うのでは」というインスピレーションがきっかけだそう。

撮影は『須磨浦公園駅』や『石屋川公園』『摩耶観光ホテル(摩耶観)』『御影公会堂』『阪急御影駅』『水道筋商店街』など、

市内の各地で行われており、放送後のロケ地巡りが捗りそうです♪

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神戸時代に慣れ親しんでた地がロケ地になるようや。阿智胡地亭はこれ見逃したら大変ですわ(笑)。

TVerで視聴⇒こちら

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小説家佐江衆一さんの遺作「野望の屍」を読んだ。

2023年10月23日 | 乱読は楽しい

遺作の重み、そして敬意

保阪正康

 佐江衆一さんの遺作(『野望の屍』)を一読して深い感慨を覚えた。ああ作家として書きたかったテーマは、この点にあったのか、というように思える。昭和9年生まれ、太平洋戦争の始まった時は小学校(当時は国民学校と言ったが)の二年生であり、終戦時は六年生である。戦時下には東京からの疎開を体験している。世代論を持ち出すわけではないが、佐江さんの世代は少年期の戦時下体験が心理的な影になっている。
 大体がこの世代の作家はあの戦争に巡り合わせたが故の作品を書く。佐江さんもこの10年余前から、満州開拓団を書いた『昭和質店の客』や回天隊員を描いた『兄よ、蒼き海に眠れ』などを発表している。そしてこの『野望の屍』で、歴史の潮流を戦争時代に生きた少年の決着と覚悟で書かれたように思う。私たちはこういう指導者の作った時代に生かされたのだとの確認である。むろんこれを批判するとか恨みで書くというのではなく、ひとりの庶民がどのようにこの時代を見つめるか、といった姿勢を崩さずに書かれている。そのことが逆にこの作品に深みを与えていて、読者に改めて自分の生きている時代の確認を迫っているとも言える。
 舞台は1923年(大正12年)のミュンヘンのビヤホールから始まる。ナチ党の党首ヒトラーが取り巻きと聴衆の中央に座る。国家主義者のワイマール体制批判に耳を傾けながら、演説が佳境に入ると、ヒトラーは拳銃を天井に向けて撃ち、驚く聴衆を尻目に壇上に登る。そして、激烈な演説を始める。「共産主義者とユダヤ人どもがのさばるワイマール共和国政府を我々の一撃で倒す」というのだ。この出だしは、ヒトラーが登場するミュンヘン一揆の前夜祭のような演説会だが、佐江さんはこの場面にナチ党が持つ、あらゆる特徴を含めて書いているので、第一次世界大戦後のドイツの社会的混乱が全て盛り込まれている。
 つまり暴力と反ユダヤ、戦勝国への憎悪、そして何より復讐の心理である。
 続いてその頃にドイツに駐在して、第一次世界大戦そのものを研究、分析する日本陸軍の中堅将校の代表的人物である石原莞爾を語っていく。この頃には石原よりも4、5歳上の永田鉄山、小畑敏四郎、岡村寧次、東條英機らがいて、やはり国家総力戦の研究をしている。しかしそういう将校とは別に、ドイツ社会の惨憺たる状況を正確に受け止める感性知性をもつ石原の存在に佐江さんは着目したのであろう。
 加えて石原は日蓮宗の国柱会の信仰員として、日々の生活を律している。国柱会の創始者である田中智学の上野公園での演説が、ドイツの荒廃状況を見る石原に想起されてくる。「父親、夫、兄弟、息子を大戦でなくし、国破れたドイツ人を、われわれ大和民族の日本人がベルサイユ条約で裁きうるや!」。石原の心底に「日蓮宗信者の軍人」という像が浮かんでくる。
 石原はドイツの著名な軍人や歴史学者に教えを乞い、その過程でヒトラーという一兵士が、「ドイツ民族純血の“民族フォルクス国家”」を目指していることを知ったと佐江さんは書く。石原の知的欲求、明晰な頭脳は他の将校の追随を許さないのだが、そのことによりドイツのナチスの野望と、石原に代表される日本軍人の野望とがどのように史実を作り上げ、そして崩壊していくか。それが佐江さんが自身の少年期の戦時下の状況を理解しようとする本書の主たるテーマであると言っても良いであろう。
 むろん本書はヒトラーと石原莞爾の動きを精密に追っているわけではない。ただしドイツは確かにヒトラーとその周辺の指導者により、野望が着々と形を作っていき、やがて滅びる歴史だが、日本はむしろ石原を疎外する形で軍事主導体制が崩壊していく。佐江さんは日本の軍事総体が主語となって崩壊する様を描きながら、この国の無責任体制が浮き彫りになるような形でまとめていく。そのことに気がつくと、本書に託した佐江さんの思いは、極めて重いというべきであろう。最後のページで、アジア各地で戦死した日本軍の兵士たちは、屍と化してなお「太平洋の彼方の祖国を見つめつづけている」と書く。そういう何百万の人々が、「今なお(この国の)明日を縛っている」という語が、この書のモチーフだということにもなろうか。
 あえてもう一点、本書の読み方を私なりに提示しておきたい。私見では、いずれ歴史的には第一次世界大戦と第二次世界大戦は連結していて、20世紀の「1914年から1945年までの戦争」と言われるだろう。第一次世界大戦の終結から第二次世界大戦の始まりまでの21年間は戦間期と言われるが、実は「平和」が煙草を吸って一服していたにすぎない。次の戦争の準備期間だったのである。
 この間の人物の動きを直視し、作品化したことに、佐江さんの遺作の重みがあると、私は受け止めた。そのことに敬意を表したい。

(ほさか・まさやす 作家)
波 2021年2月号より
単行本刊行時掲載

著者プロフィール 佐江衆一

1934-2020)1934年、東京生まれ。1960年、短篇「背」で作家デビュー。1990年『北の海明け』で新田次郎文学賞受賞。1995年、『黄落』でドゥマゴ文学賞受賞。自身の老老介護を赤裸々に描いてベストセラーに。1996年『江戸職人綺譚』で中山義秀文学賞受賞。著書に『横浜ストリートライフ』『わが屍は野に捨てよ――一遍遊行』『長きこの夜』『動かぬが勝』のほか、『昭和質店の客』『兄よ、蒼き海に眠れ』『エンディング・パラダイス』の昭和戦争三部作など。古武道技術師範。『野望の屍』は最後の作品として取り組んだ渾身の史伝である。2020年10月逝去。享年86。

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10月22日に目に留まったSNS・メディアの記事

2023年10月23日 | SNS・既存メディアからの引用記事

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東日本大震災が起こった後の [ 2011年09月22日(火)の阿智胡地亭の非日乗ブログ ] から

2023年10月23日 | 東日本大震災ブログ
2011年09月22日(木)
 
東電はただいつもの通り社内規定通りに事務的に書類を作っただけ。
 
☆東電の常識は世間の非常識、世間の常識は東電の非常識、という大企業によくあることが起こっただけだが、この未曽有の事態にも、
 
東電社員の役員からヒラまでこんな書類を世間に出したら、どんなことになるかという感覚が絶無だということが恐ろしい。

 殿のいうことは藩民は黙って聞くものじゃ!!多少なりとも弁償してもらえるだけでもありがたいと思へ!

は~つ、ありがとうごぜいますだ、ご家老様。

それって時代が違うような気がするけど・・・。大人しい領民たちが、電力会社や霞が関のお役人さまという現代のオサムライさまたちをつけあがらせているツケかなぁ。☆

東電賠償請求書に経産相「あぜん」、改善要求へ

読売新聞 9月20日(火)18時47分配信

 枝野経済産業相は20日、東京電力福島第一原子力発電所事故の賠償請求手続きについて、「分厚い書類でひんしゅくをかっている。
 
私もあぜんとした。東電を厳しく指導したい」と述べ、東電に請求方法の改善を求める考えを示した。福島復興の要望で経産省を訪れた東北経済連合会の高橋宏明会長との会談で述べた。

 東電は今月、被害者向けに請求書類一式を発送し、社員による説明会も始めた。ただ、東電の賠償請求書は60ページで、
 
記入方法を説明した「補償金ご請求のご案内」は156ページに及ぶ。過去の給与明細やホテルの領収書などの添付も必要で、請求書以外にも「同意書」などの必要書類が複数ある。
 
専門用語も多く、高齢者などから戸惑いや不満の声があがっている。 .
 
2011年9月22日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
東日本大震災・原発 / 新聞・テレビ・雑誌から |
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内田樹の「多数派であることのリスクについて」
 
一部引用・・

「強いられた政治的意見」は「自発的な政治的意見」より歯止めを失って暴走する傾向が強いことを案じているのである。
 
歴史を振り返るとわかるが、「強制された政治的意見」を人々は状況が変わるといとも簡単に捨て去る。

後になって「ほんとうは反対だったのだが、あのときは反対できる空気ではなかった」という言い訳が通ると思えば、
 
人はどれほど過激な政策にも同調する。私が恐れるのはそのことである。

あからさまな強制は、それに屈服した人たちに「説得力のある言い訳」を用意してくれる。その「安心」が人を蝕む。

全文はこちら
 
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今日の気になるネット情報 / こんなことあんなこと |
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20110917 フクシマの衝撃 ~フランス・揺れる国境の原発」
 
投稿

NHK「ドキュメンタリーWAVE」より。福島第一原発の未曾有の事故が、世界に衝撃を与え続けている。

電力の80%近くを原発で賄うフランスも例外ではない。ドイツ・スイスとの国境近くにあるフェッセンハイム原子力発電所の地元では、

これまで原発容認で一枚岩だった周辺自治体の議会が、相次いで閉鎖を要求する決議を可決、反原発運動が活発化している。

「フクシマの衝撃」は、原発大国・フランスの人々の意識をどう変えようとしているのか?国境の原発をめぐる動きを報告する。
 

2011年9月22日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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