クラシックの演奏会で、現代の作曲家の作品に接することがあります。例えば、アラン・ギルバート指揮群馬交響楽団でジョン・アダムスの作品を聴きましたし、ファビオ・ルイージ指揮サイトウ・キネン・オーケストラでオネゲルの交響曲第3番を聴く予定です。そんなこともあって、宮下誠著「20世紀音楽」(光文社新書)という本を読みました。近現代の作曲家と作品を俯瞰できるばかりでなく、切り口が面白いので、最後まで読み通しました。ジャズの方も「THE CLASSIC TRIO」を聴いてみます。
DAVID HAZELTINE (デヴィッド・ヘイゼルタイン)
THE CLASSIC TRIO (Sharp Nine 1996年録音)
先日、山形市のジャズ喫茶「OCTET」を訪れた際に、デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)のCDがかかって、かなりいい演奏だったので、自宅で彼の演奏を聴いてみました。これは、ヘイゼルタインのデビュー第2作目にあたる若い頃のものですが、「The Classic Trio」というタイトルは、ピアノトリオの伝統を受け継ぐという意味もあるようです。
メンバーは、デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)、ピーター・ワシントン(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。ヘイゼルタインは、シダー・ウォルトンの路線を受け継ぐピアニストだと思っていましたが、最近来日して東京の「コットンクラブ」に出演したベニー・グリーン(p)もシダーの作品を多く取り上げていたようで、シダーの曲は人気が高いようです。
曲は、スタンダードが「You Make Me Feel So Young」、「Sweet & Lovely」、「You've Changed」、「These Foolis Things」。バド・パウエル作「The Fruit」、シダー・ウォルトン作「Midnight Waltz」、あとは、ヘイゼルタインの自作で、「Concentration」、「Catherine's Fantasy」、「One For Peter」、「My Stuff's on The Street Blues」の全10曲。ヘイゼルタインのオリジナルは、バラードありブルースありで、親しみやすい曲想です。
スイング感あふれる小気味よいピアノトリオの快作。「You've Changed」や「These Foolish Things」がやや早いテンポで演じられるなど、意外性のあるところもあって新鮮です。「One For Peter」は、ピーター・ワシントンに焦点を当てた曲ですが、ヘイゼルタインとワシントンのユニゾンが気持ちよく響きます。「My stuff's on The Street Blues」におけるブルージーで流麗なピアノソロや、バラード「Catherine's Fantasy」における美しいタッチも聴きどころです。
【宮下誠著「20世紀音楽 クラシックの運命(光文社新書)】
【最近購入した現代作品のCDの一例】
クルト・ワイルの「交響曲第1番・第2番」。エド・デ・ワールト指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏。
三文オペラやミュージカルの作者としておなじみの、クルト・ワイル(クルト・ヴァイル)ですが、1924年と34年には、交響曲を完成させています。無調的な響きも出てきますが、抵抗なく聴けて、なかなか面白い交響曲です。