長野県松本文化会館で行われたベルリン交響楽団のコンサートに行ってきました。指揮は、1997年からこの楽団の首席指揮者を務めるリオール・シャンバダールでです。ブラームスのヴァイオリン協奏曲のソリストは、イリヤ・カーラーで、彼の演奏を聴きたくて、チケットを購入したのですが、モーツァルトの交響曲第41番など他のプログラムも楽しめそうなので、期待しながら会場へ向かいました。
指揮:リオール・シャンバダール
ヴァイオリン:イリヤ・カーラー
ピアノ:外山啓介
管弦楽:ベルリン交響楽団
会場:長野県松本文化会館(長野県松本市。キッセイ文化ホールの別名もあります。)
エルガ―作曲 「威風堂々」第1番 ニ長調
モーツァルト作曲 交響曲 第41番 ハ長調「ジュピター」
シューマン作曲 ピアノ協奏曲 イ短調
ブラームス作曲 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
(アンコール曲)
リスト作曲 愛の夢(外山啓介演奏)
バッハ作曲 ヴァイオリン・パルティ―タ第3番よりガヴォット(イリヤ・カーラー演奏)
ブラームス作曲 ハンガリー舞曲第5番(ベルリン交響楽団演奏)
エルガ―の「威風堂々」は、普段からよく演奏している曲なのでしょうか、こなれていて、さっと始まり一気に終わりました。このオーケストラは多分2管編成であまり大きくないのですが、この曲は金管などたくさんの楽器が入るので、ステージは賑やかでした。
モーツァルトの41番は、全体にいうと穏やかで素朴な演奏でした。第1楽章のはじめ、弦の音が硬めで、あまり調子が出ていないようでしたが。第4楽章は調子が出てきているようでした。全体に強弱やダイナミクスが小さかったので、もう少し、メリハリをつけて、テンポも少し早い方がモーツァルトのイメージにあっているような気がしました。
シューマンのピアノ協奏曲を実演で聴けたのは、それだけで満足でした。ロマンチックなメロディが印象に残る曲なので、目をつぶりながら旋律を追いかけていました。ピアノの音は、まずまずきれいでしたが、全体に穏やかな演奏でした。
休憩を挟んで後半です。シャンバダールとカーラーが揃って登場。カーラーがかなり大柄で、舞台映えするのには驚きました。もっと小柄な人だと勝手に想像していました。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、イリヤ・カーラーの迫力あるソロに、いままでぬるま湯的だったオーケストラも反応して、生き生きとしたメリハリのある素晴らしい演奏になりました。前半とまるで違う出演者ではないかと目を疑うほどです。シャンバダールの指揮も熱を帯び、木管楽器のセクションも頑張っていました。ブラームスの曲は、音色も多彩なので、オーケストラだけの部分も楽しめます。
カーラーですが、余裕というか、自由自在にヴァイオリンを扱っている様子で、重音の部分など切れがよく、また、低音の方もきれいで、重厚なブラームスの曲にあった演奏を繰り広げていたと思います。アンコールの、バッハも技巧的に難しいのだろうと想像しますが、さらっと弾いていました。
アンコールのハンガリー舞曲は、カーラーも参加して楽しく演奏してくれました。盛りだくさんのプログラムで、終演は午後9時40分でした。CDの販売コーナーがあったのですが、始まる前や休憩時間などカーラーのCDが売れていて、彼のヴァイオリン目当ての人もいるのだと、ちょっと嬉しくなりました。