先日の群馬交響楽団定期演奏会のプレトークで、音楽評論家の渡辺和彦さんが、コントラバス(ベース)について解説をしていましたが、その中でジャズのベース奏者の音程の悪さを指摘していました。例外的に音程がいいのは、ビル・エヴァンス・トリオのベーシストだと話していました。恐らく、スコット・ラファロのことを指していると思いましたが、今夜はエディ・ゴメスが入ったものを。
BILL EVANS (ビル・エヴァンス)
JAZZHOUSE (Milestone 1969年録音)
オリジナルジャケットは、トリオの3人が飛行機から降りたったところを撮影したものですが、ビクター音楽産業から発売されたレコードは、チャック・スチュワートが撮影したエヴァンスのポートレートを使っていて、日本国内では、むしろ、このジャケットで有名になったアルバムかもしれません。内容もエヴァンスのアグレッシブなプレイが捉えられている優れたものです。
メンバーは、ビル・エヴァンス(p)、エディ・ゴメス(b)、マーティー・モレル(ds)。1969年11月24日にコペンハーゲンのジャズクラブ「カフェ・モンマルトル」にヨーロッパ楽旅の一環として出演した際に録音されたもので、このアルバムには主にスタンダードが収録されています。
曲は、「How Deep is The Ocean」、「How My Heart Sings」、「Good Bye」、「Autumn Leaves」(枯葉)、「California, Here I Come」、「Sleepin' Bee」、「Polka Dots and Moonbeams」(水玉模様とお月さま)、「Stella By Starlight」(星影のステラ)、「Five(Theme)」の全9曲。エヴァンス作曲の「Five」を除き、スタンダードといっていい曲ばかりです。
エディ・ゴメス(b)に触発されるのか、エヴァンス(p)の演奏は、ピアニスティックでもあり、パーカッシブでもあり、彼の多面性が出て、ライブならではの白熱したプレイが聴けます。本来抒情的な「Sleepin' Bee」や「Stella by Starlight」が、激しさを伴って再構成されています。バラードの「How My Heart Sings」や「Polka Dots and Moonbeams」も美しく、好調ぶりを物語っています。録音が極めてよく、エヴァンスの一音一音が粒立ち、厚い和音を弾いても分離されているのがよくわかり、テクニック面でも傑出したピアニストだと改めて印象づけられました。
【群馬交響楽団関連の催し】
地域貢献のためや、楽団に関心をもってもらうためにいろいろな取り組みを行っていて感心しています。楽団運営はたいへんでしょうが、この先もいい演奏を続けてほしいものです。
コンサートマスターの伊藤文乃さんらが出演する交流会が、喫茶店で開催されます。近くに住んでいれば出かけたい催しです。
安中市在住の群響ファン主催による、弦楽四重奏のコンサートが開催されます。群響メンバーによる弦楽四重奏団の出演です。
群馬県内各地で、第九の演奏会が開催されます。合唱団は、それぞれの地区で構成されるので、音楽愛好家の裾野を広げる役目も果たしているのでしょう。高崎市では、高関健さんの指揮で公演が行われます。