安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

セシル・ペイン ZODIAC

2018-04-22 20:00:01 | その他木管楽器

北陸新幹線の車両内で配布されているJR西日本「西Navi北陸2018年4月号」が、気になったので自宅に持ち帰りました。特集は「高岡をつくった前田利長」で、加賀百万石を作った前田利長が、隠居後に高岡城を築城し城下町も整備したという記事がメインです。高岡城跡や所縁の寺院などが紹介されています。その他、竹久夢二が最愛のひとと過ごした湯湧温泉(金沢市)や広島県廿日市市のあなごめしが取り上げられていました。武将のような風貌のミュージシャンです。

CECIL PAYNE (セシル・ペイン)
ZODIAC (STRATA-EAST 1968年録音)

   
セシル・ペイン(1922~2007年)は、長期間活躍を続けたバリトンサックス奏者で、チャーリー・パーカー(as)のコンセプトをバリトンで表現したような演奏を行っています。ディジー・ガレスピーやカウント・ベイシーといったビッグバンドに在団したり、自らのコンボでの録音を残していますが、デューク・ジョーダン(p)との共演が比較的聴かれていると思います。

メンバーは、セシル・ペイン(bs)、ケニー・ドーハム(tp)、ウイントン・ケリー(p)、ウィルバー・ウェア(b)、アルバート・ヒース(ds)。クリフォード・ジョーダンがプロデュースを行ったストラタ・イースト・レーベルの制作です。ドーハム(tp)やケリー(p)が入っているので、それだけで購入したくなるアルバムです。

曲はすべてセシル・ペインのオリジナル。「Martin Luther King, Jr.~I Know Love」、「Girl, You Got a Home」、「Slide Hampton」、「Follow Me」、「Flying Fish」の全6曲。1968年4月に凶弾に倒れた黒人運動指導者のマーティン・ルーサー・キング牧師を悼み作られた「Martin Luther King, Jr.」は、哀悼の意が溢れている曲想です。「Girl, You Got a Home」のメロディ、雰囲気から、映画「探偵はBARにいる」のメインテーマを想い起して、笑みがこぼれました。

セシル・ペイン(bs)が作曲能力を含めて実力を発揮したアルバム。最初の「Martin Luther King, Jr.」は、ドーハム(tp)の切々としたプレイ、続くペイン(bs)の優し気なソロと、胸をうつ演奏です。「Girl, You Got a Home」はいわゆるソウル・ジャズそのもので乗りのよいテーマに豪快なペイン(bs)や端正なドーハムのプレイがかっこよく、チープな感じも良くて僕の好きな一曲です。「Flying Fish」は、ラテンリズムも取り入れた明るいナンバーで、ゴリゴリと吹き続けるペイン、意外に息の長いフレーズを綴るドーハム、そして、ケリー(p)のリズミカルなプレイが聴き物。

【JR西日本PR誌 西Navi2018年4月号】

   

表紙

   

   

竹久夢二が過ごした宿などの紹介があります。湯湧温泉は気になるので、機会を作って訪れてみたいものです。

   

裏表紙です。このあなごめしは美味しそうです。