今年は季節が早く過ぎていくようで、自宅の小さな花壇の花も結構勢いよく咲いています。普段ほとんど手入れをしませんが、ありがたいことに次々と咲いてくれて目を楽しませてくれます。雑草もどんどん成長するので草取りも必要になりますが、春から初夏にかけての彩豊かで賑やかな庭は心温まるものがあります。心温まるアルバムを。
ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
NIRVANA (Groove Merchant 1972年録音)
Groove Merchantは、1970年代前半に多数の録音を行ったレーベルですが、R&B色も強く、ズート・シムズの録音は不思議な感じがします。バディ・リッチ(ds)が、サイドメンとして入っていますが、リッチはビッグバンドで同レーベルから何作か出しているので、その縁でシムズの録音が実現したのでしょうか。いづれにしても結果は上々で、僕はレコード、CDのどちらも持ち続けています。
メンバーは、ズート・シムズ(ts,ss)、バッキー・ピザレリ(g)、バディ・リッチ(ds)、ミルト・ヒントン(b)。ズートがギター入りのトリオで演奏しているものは多くありませんが、ピザレリとは相性がよいのか、ここではデュオでも演奏しています。バディ・リッチもブラシによる繊細なプレイを行うなど、小編成でも実力を発揮しています。最後の「Send in The Clowns」は、ピザレリ(g)のソロです。
曲は、Torrie Zitoの書いた「Summerset」、「A Summer Thing」、ズート・シムズ作「Nirvana」、あとはスタンダードで、「Honeysuckle Rose」、「Somebody Loves Me」、「Gee Baby, Ain't Good to You」、「Indiana」、「Memories of You」、「Come Rain or Come Shine」、「Up Lazy River」、「Send in The Clowns」の11曲。「Gee Baby, Ain't Good to You」では、ズートとリッチがワンコーラスづつ歌っていて、ズート・シムズの歌声を聴くことのできることで知られているトラックです。
共演のメンバーもよく、ズート・シムズ(ts,ss,vo)もリラックスしながらも締まったプレイを行っていて、愛すべきアルバム。最初の「Summerset」は、たそがれた哀愁メロディが印象的で、ズートのテナーサックスの音色が似合います。バド・パウエル(p)が素晴らしい演奏を残している「Somebody Loves Me」は、ズート・シムズ以下よくスイングしていて、一緒にハミングしたくなります。「Gee Baby, Ain't Good To You」では、ズートの歌声を聴くことができて貴重、バラード「Memories of You」の温かさ、ピザレリ(g)のソロが心に残る「Send in The Clowns」と、満ち足りた気持ちになりました。
【長野市自宅の花 2018年4月】
【ジャズ批評2008年9月号「ズート・シムズ特集」】
内容が盛りだくさんで、充実しています。「ズート・シムズ・アルバム・ベスト5」という記事では、それぞれの方がアルバムを挙げていますが、今回取り上げた「Nirvana」については、3人の方がベスト5に入れていました。
【ズートシムズファンクラブ 会員募集のお知らせ】
ズート・シムズファンクラブが出来て、会報の発行やレコードコンサートなどを行っています。興味のある方は次のホームページをご覧ください。入会方法なども記載してあります。