安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジェブ・パットン A LOVESOME THING

2019-06-02 20:10:03 | ピアノ・トリオ

ジェブ・パットンのライブを聴きに上田市に行ったところ、その会場のそばに「上田映劇」がありました。1917年創業の歴史ある映画館ですが、平成25年に劇団ひとり監督、大泉洋主演による映画『青天の霹靂』の撮影が行われた際の昭和40年代の浅草を再現したセットがそのまま残され、外観になっていて味わいがありました。味わい深い演奏を。 

JEB PATTON (ジェブ・パットン)
A LOVESOME THING (CD baby 2005年録音)

   

ジェブ・パットン(p, 1974年生)のリーダー・アルバムは3作あって、3枚とも今までに入手していますが、その中から初リーダー作を聴いてみました。先日の上田公演では、ベースとのデュオでしたが、ここではドラムスも入ったトリオです。昨今、ソロやデュオで行われるライブや録音も多いですが、バランスがとれているのはピアノトリオだと思っています。

メンバーは、ジェブ・パットン(p)、Vincente Archer(b)、Peter Van Nostrand(ds)。1曲のみデヴィッド・ウォン(b,)が参加していますが、彼(David Wong)は、パットンの他の2作でも演奏をしていて、レギュラー的なメンバーです。ここでは、ベースが主体のクラシック作品といってもよいような「Fantasy in F-sharp minor」を好演しています。

曲目は、スタンダードが「Love Walked In」、「A Flower is A Lovesome Thing」、「Begin The Beguine」、チャーリー・パーカー作「Relaxin' at Camarillo」、ジョン・ヒックス作「Yemanja」、あとはジェブ・パットンのオリジナルで「Worlds Apart」、「Hanna's Mood」、「TF」、「The Wise Ones」、「Fantasy In F-sharp Minor」の全10曲。パットンはローランド・ハナに師事していたので、彼に捧げて書いた「Hanna's Mood」は、しみじみとした佳曲。

ジェブ・パットン(p)の初リーダー作ですが、スタンダードや自作で幅広い音楽性を楽しめる好アルバムです。最初の「Love Walked In」では、気が効いたイントロから、小気味よくスイングするピアノトリオらしい演奏を行い、「Relaxin' at Camarillo」も同じく乗りがよいです。パットンはクラシックも好むようで、「A Flower is a Lovesome Thing」や自作の「Fantasy in F-sharp minor」で、両手をフルに使い幻想味のある世界を描いています。「Hanna's Mood」では、スローテンポで、音数の少ない美しい演奏を繰り広げています。 

【上田映劇の外観】

映画のセットでは「雷門ホール」という名称になっています。

入口付近

扉のガラスに「上田映劇ホール」という文字が書いてあり、本来の名前がわかります。

「そらのレストラン」と「ビル・エヴァンス Time Rememberd」が上映中でした。なかなかよいラインナップです。

【上田映劇】

住所:長野県上田市中央2丁目12−30
電話:0268-22-0269
ホームページ:uedaeigeki.com