書店で、角川春樹事務所のPR誌「ランティエ」を見たら、佐々木譲さんが特集されていて、道警シリーズ10冊目の最新刊「樹林の罠」が紹介されていました。未読だった9冊目の「雪を撃つ」をまず読みました。
表紙
(裏表紙にある内容の紹介)
(感 想)
道警シリーズは、8冊目まで既読で(その記事へのリンク)、今回は9冊目の「雪を撃つ」を読みました。「さっぽろ雪まつり」を舞台として、拳銃をもった暴力団員による執拗な追跡と、それを阻止しようとする警官との緊迫した場面がクライマックスにくる、手に汗握る面白い小説でした。
事件の背景には、外国人技能実習生をめぐる問題が描かれています。今日的な話題を取り上げていて、それも特色です。物語は、場面転換が早く、スピード感をもって進みます。映画的であると思ったのですが、著者は、映画の大ファンだそうなので、納得がいきました。
佐伯警部補をはじめとする登場人物については、仕事だけでなくプライベートも描かれていて、次の展開が待ち遠しくなりました。ジャズバーの「ブラックバード」も登場し、ジャズファンとしてはとても嬉しい。
(著者紹介)
【ランティエ2023年2月号】
ランティエホームページ:株式会社 角川春樹事務所 読書情報誌ランティエ (kadokawaharuki.co.jp)
表紙。佐々木譲、新井素子さんが特集されています。
佐々木さんと書評家の若林さんの対談が収録されています。『道警シリーズは同時代を描くというコンセプトで始めた作品』と佐々木さんは話していました。
若林踏さんによる、北海道警シリーズの紹介と書評。要領よくまとまっていて、感心しました。