安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

アンプを買いました

2015-08-14 17:35:39 | お出かけ・その他

今年の4月半ばに、プリメインアンプのデンオンPMA-S10Ⅱに不具合が発生して、スピーカーから雑音が出るなどしたので、修理に出しました。よくみてもらったのですが、内部が全く壊れていて、修理はかないませんでした。しばらくの間、ROTEL RA-05という小さなアンプを使っていましたが、最近、財布とも相談して、DENONのプリメインアンプPMA-2000REを購入しました。

   

電気店のご主人の話によると、前のアンプが故障した原因は、放熱がうまくいってなくて、熱がこもったせいだとのことでした。今度は、その轍を踏まないように、友人が用意してくれたラック(自作)は上下の間隔が広いものです。先日、機器同士の配線をやってもらい、セットしました。今度も、深夜用に小さいスピーカーでも音が出るようにしてもらいました。その友人には深く感謝しています。

         

まだ使いはじめですが、CD再生についてはよくなっているようです。前のS10Ⅱが20年近く前のものだったこともあると思いますが、2000REでは、音に厚みが加わり、中低域を中心としてJBLのスピーカーから自然に近い音が出ているような気がします。ピアノを聴いていると特にそれを感じました。

   

以前使用していたSONYのCDプレイヤーが壊れ、現在はROTEL RCD-06を使っていますが、CDプレイヤーを一台買い増して、2セットにし、ROTELのセットの方は、現在CDラジカセしかない安曇野市の実家に持っていこうと考えています。ただ、他にほしいものが沢山あるので、CDプレイヤーの購入は少し先になりそうです。

(2015年8月現在の再生用機器)

アナログプレイヤー:ヤマハGT2000L
カートリッジ:デンオンDL103、オーディオ・テクニカAT150E/G
CDプレイヤー:ROTEL RCDー06 
アンプ:DENON PMA-2000RE (デンオンPMAーS10Ⅱは、廃棄処分にしました)
スピーカー:JBL4425MKⅡ
アンプ:ROTEL RAー05   スピーカー:revolver MUSIC Series1 

(参考:2014年5月現在)

   

このラックは、ここ2~3年ほど使っていたものですが、それ以前は前面に扉がついたものを使っていて、長い間、扉を閉めたままで使用することが多かったので、それがいけなかったかもしれません。S10Ⅱについては、20年間よく働いてくれたので、いいとしましょう。


アン・ハンプトン・キャラウェイ EASY LIVING

2015-08-12 21:43:44 | ヴォーカル(A~D)

長野道松本ICのすぐ近くにある「日本浮世絵博物館」に入りました。「歌川国芳の妖怪変化、妖美、妖艶の世界」という素晴らしい企画展が行われていましたが、常設展示がないのが物足りませんでした。喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川豊国、歌川広重などの肉筆や版画の作品を多数所蔵しているので、それらを常時見ることができれば、入館者が増えるのではないでしょうか。華やかな女性歌手。

ANN HAMPTON CALLAWAY (アン・ハンプトン・キャラウェイ)
EASY LIVING (Shanachie 1999年録音)

    

アン・ハンプトン・キャラウェイは、歌手、作曲家、作詞家、女優として優れた活動をしてきていますが、日本では話題に上ることがあまりないようです。彼女は、1958年シカゴの芸能一家に生まれていて、姉のリズ・キャラウェイもブロードウェーのミュージカルに出ています。彼女のホームページを見ると、現在も旺盛な活動を行っていて、米国はもとより世界中で歌っているようです。

伴奏が豪華です。ケニー・バロン(p)、ベニー・グリーン(p)、ビル・チャーラップ(p)、ピーター・ワシントン(b)、二ール・マイナー(b)、ルイス・ナッシュ(ds)、クラレンス・・ビーン(ds)にゲストとしてウィントン・マルサリス(tp)など管楽器奏者が曲により参加しています。マルサリスは、「’Round Midnight」、「Easy Living」、「In A Sentimental Mood」で吹いていて、その伴奏ぶりも気になります。

曲は、スタンダードに彼女の自作です。スタンダードが「Easy To Love」、「'Round Midnight」、「Easy Living」、「All of You」、「Bluesette」、「It Had To Be You」、「In A Sentimenta Mood」、「You Don't Know What Love is」、「Come Rain or Come Shine」、「Skylark」、「Nice Work If You Can Get It」、「The Very Thought of You」の12曲、彼女の自作が「Come Take My Hand」の1曲。ほとんどがおなじみの大スタンダード曲です。

低音から高音までを使った、キャラウェイ(vo)のしっかりとした歌唱により、スタンダードの数々が楽しめます。どの曲もスケールの大きさが感じられ、歌い込んでいることが窺われます。とりわけスローテンポの曲がマルサリス(tp)の伴奏なども含めて印象に残り、「'Round Midnight」、「Easy Living」、「In A Sentimental Mood」、「Skylark」あたりには余韻も感じられて、惚れ惚れとします。もっと知られていい歌手。

 【日本浮世絵博物館】

住所:長野県松本市大字島立字新切2206番地1
電話:0263-47-4440

   

   

受付。入館者には外国の方も多いようです。

   

企画展の展示。撮影はかまわないとのことでした。

   

   

歌川国芳の展示ポスター


松本城 (松本市)

2015-08-10 21:35:40 | お出かけ・その他

大垣観光協会とNEXCO中日本がやっている「日本どまんなかお城スタンプラリー」は、お城を巡って5個以上のスタンプを集めると賞品がもらえるというイベントです。諏訪市の高島城に続き、松本城に行ったので、2個押すことができました。あと3個集める必要があり、最後に大垣市に行かなければなりません。歴史ファンではありませんが、お城は好きなので、このイベントに乗って、城巡りをもう少しする予定です。

台紙に押されたスタンプ

   

そんな動機で訪れたのですが、松本城は相変わらず美しい姿をみせてくれました。お城ブームなのか、天守閣に登るのに40分待ちだったので、登るのは時間の関係で諦めました。いくつかの地点から天守閣を撮影して満足しました。月見櫓を備えた優美な姿は、多くの人を魅了してやまないに違いありません。

今回は、東側の太鼓門(平成11年復元)から入りました。

   

   

黒門は、本丸に入る正門で、櫓門とは枡形を形成しています。ここから入場します。

   

庭からですが、逆光になっていて上手く撮れませんでした。

   

近づいて撮ってみました。

    

天守閣と反対の東側には、美ヶ原が見えます。 

   

東南からの天守閣

   

南西からの天守閣

   

西からの天守閣

   

西北からの天守閣

   


エリック・アレキサンダー HEAVY HITTERS

2015-08-09 09:41:29 | テナー・サックス

8月6日から第97回全国高校野球選手権大会が甲子園球場で開催され、連日熱戦が繰り広げられています。長野県からは、上田西高校が出場しましたが、大会初日に宮崎日大と対戦し3対0で初戦を突破しました。長野県からの出場校は、1回戦でなかなか勝てないのですが、よく頑張ってくれました。ともあれ、勝敗にかかわりなく、ひたむきに野球をやっている高校生の姿はいいものです。ジャケットが野球のアルバム。

ERIC ALEXANDER (エリック・アレキサンダー)
HEAVY HITTERS (ALFAJAZZ 1997年録音)

   

人気テナーサックス奏者のエリック・アレキサンダーは、野球が好きで、ニューヨークヤンキーズのファンだそうです。このアルバムのジャケットは、参加ミュージシャン4人がヤンキーズのユニフォームを着て、バッティングのフォームをとっています。内容とは全く係わりがありませんが、ユーモアのセンスがみてとれます。エリック・アレキサンダーのワン・ホーン・アルバムで、存分に吹いています。

メンバーは、エリック・アレキサンダー(ts)、ハロルド・メイバーン(p)、ピーター・ワシントン(b)、ジョー・ファンズワース(ds)。当時、新進のサックス奏者にベテランのメイバーン(p)というのはいい組み合わせです。その前作は、シダー・ウォルトン(p)と組み、デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)との共演も多いアレキサンダーですが、ハードバップ色の濃いこのセッションでは、的確な人選のように思えます。

曲は、アレキサンダーの自作が「This One's For My Love」、「Esther's Step」、メイバーン作が「Mr.Stitt」、「Rakin' & Scrapin'」、「Mr.Johnson」、スタンダードが「Guess I'll Hang My Tears Out to Dry」、「On A Slow Boat To China」、「If There Is Someone Lovelier Than You」、「Maybe September」の全9曲。アップテンポのものばかりでなく、バラードが選曲されていて、プレイが楽しみです。

ハードバップベースの溌剌とした演奏が楽しめます。「Mr.Stitt」は、メイバーンがソニー・スティットに捧げた曲ですが、アレキサンダーはデクスター・ゴードンあたりに加え、ソニー・スティットからも影響を受けているようなので、ピッタリの選曲。よどみなく、力強いテナーが印象的。アレキサンダーの自作「This One's For My Love」は、なかなかの佳曲で、静かめのイントロから、高音域主体のテーマがきれい。「On A Slow Boat to China」は、猛烈なアップテンポですが、できればもう少し遅いテンポでやってほしかった。

   

ジャケットの裏写真。念が入っています。


セロニアス・モンクのいた風景(村上春樹編・訳)

2015-08-07 22:36:39 | 読書

小説家の村上春樹さんが集めた「音楽本」の中から、セロニアス・モンクに関する文章を抜き出して編集した「セロニアス・モンクのいた風景」(新潮社刊)を読みました。村上さんは、モンクのファンでもあって、文章をあちこちから集めて翻訳し、一冊の本にまとめる作業はずいぶん楽しいものだった、とあとがきで述べています。

   

モンクの作った曲については、変化に富み美しいメロディもあって面白く感動したりはするものの、彼の演奏自体は、僕はあまり好きではありません。しかしながら、豊饒な音楽であることは確かなので、代表作のほとんどはレコードを買って聴いてみました。今では、手放したものが多いし、ごくたまに聴くだけですが、この本を、モンクの音楽にもっと親しむきっかけにするつもりで、読み進めました。

各章と執筆者は次のとおりです。

セロニアス・モンクのいた風景  村上春樹
この男を録音しよう!  ロレイン・ゴードン
それからゾンビ・ミュージックがやってきた/マッド・モンク  メアリ・ルウ・ウィリアムス
ビバップ・ハリケーンの目  トマス・フィッタリング
彼のすべての曲は歌えたし、スイングできた  スティーブ・レイシー
通常のピアニストがまず行かない場所に  ナット・ヘントフ
モンクと男爵夫人はそれぞれの家を見つける  デヴィッド・カスティン
ジャズという世界でしか起こりえなかったものごと  ダン・モーゲンスターン
モンクとコルトレーンの夏  ベン・ラトリフ
いちばん孤独な修道僧  バリー・ファレル
ブラインドフォールド・テスト  レナード・フェザー
セロニアスが教えてくれたこと  オリン・キープニューズ
セロニアス・モンクの人生の一端となること  ジョージ・ウィーン
私的レコード案内  村上春樹 

セロニアス・モンクのいた風景

村上さんの著書「ポートレート・イン・ジャズ」におさめたセロニアス・モンクの項に加筆されたものです。ここでは、10代の終わりから20代の初めにかけて、モンクの音楽に宿命的なまでに惹かれたことが述べられています。新宿にあったマルミレコードの店主に無理矢理にモンクのレコードを買わされて、聴き込んでいくうちにそうなったようです。このあたりは、村上さんがジャズにのめりこんでいった過程が窺われます。

他の章(原文が英語)については、村上さんが翻訳していますが、文章がこなれていて、意味がとりやすい。面白かった章について記します。

モンクと男爵夫人はそれぞれの家を見つける

ジャズの庇護者であった、ニカ夫人が、ことにモンクの面倒をみたことが記されています。ニューヨークのキャバレーカードを再発行させるために尽力したことや、モンクが亡くなるまで自分の家で過ごさせたことなど、ニカ夫人なくしては、彼の音楽活動が行えなかったような気さえします。

ジャズという世界でしか起こりえなかったものごと

モーゲンスターンは、『モンクのコンサートは、私が巡り合った初めての完璧なジャズ・コンサートであった』と賞賛し、当夜の音楽について、『モンクの音楽の最良なものは、三つのカテゴリーに分けられる。バラード、オリジナルのジャンプ曲、そしてスタンダード曲の再構築だ』と分類して、解説を加えています。肯定的な暖かい視線による文章で、章の最後を『モンクは、その音楽においても、人となりにおいても、ジャズという世界でしか起こりえなかったものごとのひとつなのだ』と結びます。ジャズが音楽の最先端を走り、世の中の注目を浴びていたことを強くうかがわせる文章でした。

セロニアス・モンクの人生の一端となること

プロモーターとして活動したジョージ・ウィーンは、元々ピアニストであるので、音楽家の視点からも書いています。『モンクは、32小節や12小節のメロディーをただ作曲しておしまいというのではない。ソロイストのバックに短い伴奏を入れながら、彼がサイドマンたちに求めているのは、彼らが総合的作曲の一部となって機能してくれることなのだ』という意見を述べていて、その例を2つ挙げています。

その一つは、ウィーンがグループを組織して、世界中を興行して回った「ジャイアンツ・オブ・ジャズ」で、モンクのメロディーを演奏するディジー・ガレスピーが味わっている困難を目にしたことです。もう一例は、1963年のニューポート・ジャズ祭で、ウィーンがクラリネット奏者のピー・ウィ—・ラッセルをモンクのカルテットと共演させた時のことを挙げています。モンクは、自らのグループで自分の曲を演奏することが多かったようですが、そのことが双方にとってよかったことを裏付けるできごとです。このあたりは、デューク・エリントンを連想させます。

私的レコード案内

村上さんにとって、セロニアス・モンクのいた風景みたいなものを立ち上げてくれるレコードを5枚挙げていて、それぞれについて、個人的な感想や想い出を綴っています。5枚は次のとおり。

(1)ファイヴ・バイ・モンク・バイ・ファイヴ (Riverside) 1957年録音
(2)アンダーグラウンド (Columbia) 1967年録音
(3)We See Thelonious Monk (Prestige) 1954年録音
(4)セロニアス・モンク・ソロ (Vogue) 1954年録音
(5)Miles Davis All Stars vol.1 (Prestige) 1954年録音

   

(裏表紙の絵)