安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

クレア・フィッシャー SO DANCO SAMBA

2015-08-23 09:36:02 | ピアノ

先日、白馬村の小遠見山へ出かけてきましたが、白馬五竜高山植物園には多くの観光客が訪れていました。そういったお客様向けに山頂レストランあるぷす360で売っているソフトクリームは、長門牧場のものでしたし、山麓のエスカルプラザには地元産の野菜や果物が並んでいて、こういう観光施設が、地域の農業振興に役立っていたのには感心しました。涼しげなプレイが入っています。

CLARE FISCHER (クレア・フィッシャー)
SO DANCO SAMBA (World Pacific 1964年録音)

   

クレア・フィッシャー(p)は、ビル・エヴァンスからの影響を感じさせるアルバムをパシフィックレコードから出していますが、それと同時にいち早くボサノヴァの演奏を手がけています。フィッシャーは、編曲にも長けていましたから、こういった新しいリズム、曲想にはひときわ興味を抱いたのだろうと思います。「So Danco Samba」(ソ・ダンソ・サンバ)というタイトル表記ですが、ダンソのソがパソコンの活字にないため、「Danco」となっています。

メンバーは、クレア・フィッシャー(p,org)、デニス・バディマー(g)、ボブ・ウェスト(b)、コリン・ベイリー(ds)。ピアノトリオにギターが加わった編成ですが、バディマーはリズムギターばかりでソロをとっていません。全体にわたり、リズムギターの音色をバックに、すっきりとしたピアノのプレイが聴けて成功していると思います。

曲目は、アントニオ・カルロス・ジョビン作が7曲、フィッシャーの自作が3曲で、ジョビン曲集といってもいいものです。ジョビン作が、「So Danco Samba」(ソ・ダンソ・サンバ)、「Desafinado」、「Quiet Nights」、「Girl From Ipanama」(イパネマの娘)、「Amore Em Paz」(過ぎし日の恋)、「How Insensitive」、「One Note Samba」、フィッシャーの自作が「Pensativa」、「Carnavel」、「Ornithardy」。ずらっと名曲が並んでいて、フィッシャーがどんな演奏をしているか興味が湧きます。

心地良い涼風が通り過ぎていくようなアルバム。1曲当たり2分半~4分半の演奏時間で名曲がさらっと聴けます。ギターを含んだリズムはバックに徹していて、フィッシャーのプレイを盛りたてています。両手による変化に富んだ和音により、リズミカルに旋律を奏でることも多く、そこにシングルラインによるソロがからみます。「Quiet Nights」や「Girl From Ipanema」、「How Insensitive」といった有名曲に並んで、フィッシャー作の「Pensativa」もきれいな出来で、彼の作曲能力の高さにも注目。 

【長門牧場ソフトクリーム】

長門牧場ホームページ:信州北白樺高原 長門牧場


   

山頂レストランアルプス360のソフトクリーム売り場。

   

歩いた後のソフトクリームは格別です。もちろん僕もいただきました。

【エスカルプラザ】

白馬五竜高山植物園ホームページ:白馬五竜高山植物園(エスカルプラザ) 

   

エスカルプラザ入口。麓にあり、売店、レストラン、温泉など施設がそろっています。


小遠見山(長野県北安曇郡白馬村)トレッキング(1)

2015-08-21 23:04:36 | 登山・ハイキング

日頃の運動不足の解消と北アルプス北部の山岳景色を観ようと、お昼くらいまで時間が空いた8月15日(土)に小遠見山(長野県北安曇郡白馬村)へ行ってきました。

【行 程】

長野市自宅発 6:15
エスカル駐車場着 7:05
テレキャビン麓とおみ駅 7:25
テレキャビン山頂アルプス平駅 7:36

トレッキング開始 7:40
アルプス展望リフト(降り場) 7:55
地蔵の頭 8:00
一の背 髪 8:35
二の背 髪 8:48 
小遠見山山頂 8:57

小遠見山山頂発 9:40
テレキャビンアルプス平駅 10:40
テレキャビン麓とおみ駅 11:00
エスカル駐車場発 11:10
長野市自宅着 12:10 

(往 路)

   

テレキャビン麓のとおみ駅。前に集まっているのはパラグライダーをやる人たちのようでした。   

   

テレキャビンアルプス平駅(標高1,515m)の屋上の展望台から。唐松岳でしょうか、よく見えます。

     

左手に折れて白馬五竜高山植物園の中を進みました。リフト乗り場の案内もありますが、リフトには乗りませんでした。

   

白馬五竜高山植物園内。

   

高山植物園内で撮った画像です。往路でしたが園内では写真を撮りつつゆっくり歩きました。

   

地蔵ケルン

   

地蔵の頭(標高1,676m)。ここで8時でした。しばらく平坦な道が続きます。

   

自然遊歩道分岐。

   

このへんから登りで急な階段もありますが、よく整備されています。

   

見返り坂。ここまでは林の中を歩いて行きます。

   

せっかくなので見返ってみましたが、雲に覆われていて眺望が効きませんでした。

   

見返り坂~一の背 髪間の階段。

   

一の背 髪。

   

快適な道が続きます。 

   

二の背 髪。

   

二の背 髪から頂上までは、尾根を歩くので、雄大な景色が臨めるはずですが、天気が悪く全く見えませんでした。

   

五竜岳との分岐。小遠見山頂上の近くです。

   

小遠見山山頂(標高2,007m)到着。9時少し前でした。

   

頂上の様子。もう少し人がいたのですが、それぞれ出かけて行きました。ファミリー登山の方もいました。  

   

40分間頂上で我慢していたのですが、晴れることはなく、全く視界がききませんでした。

 


ピエリック・ぺドロン DEEP IN A DREAM

2015-08-19 21:55:22 | アルト・サックス

先日、長野県下伊那郡高森町のジャズ喫茶「リデルコーヒーハウス」に出かけたのですが、帰る途中伊那インターで降りて、伊那市駅の近くにあるのジャズ喫茶「Kanoya」に寄りました。昨年はマスターの体調がよくなくて、休業が続いたこともありましたが、今年は、調子がいいようで毎日お店を開けているのが嬉しいところです。四方山話の背後で、流れていたのは寺久保エレナのアルトサックスでした。アルトサックスのCDを聴いてみます。

PIERRICK PEDRON (ピエリック・ぺドロン)
DEEP IN A DREAM (Nocturne 2005年録音)

   

1969年生まれのフランスのアルトサックス奏者ピエリック・ぺドロンがアメリカで録音したアルバムです。彼は、少なくとも2回来日していて、昨年(2014年)8月には、椎名豊(p)のグループに加わり新潟県見附市でも公演が行われました。僕は、日程が許さず行けなかったのですが、その代わりにこのCDを手に入れました。ぺドロンは、このアルバムではフィル・ウッズ(as)をちょっと想いおこさせる演奏を行っています。

メンバーは、ピエリック・ぺドロン(as)、マルグリュー・ミラー(p)、トマ・ブラメリー(b)、ルイス・ナッシュ(ds)。ぺドロンは、サクソフォン製造のセルマー社のアドバイザー的なことも行っていますが、透明感がある音色はそれをうかがわせるものです。マルグリュー・ミラー(p)が、好演をしていてそれも聴きもの。彼のアルバムは何枚も持っているですが、リーダー作がどうもいま一つなのが不思議。ミラーはサイドメン向きなのでしょうか。

曲は、スタンダードとぺドロンの自作です。スタンダードが「Deep in a Dream」、「Change Partners」、「Lover」、「A Nightingale Sang in Berkley Square」、「After You've Gone」、「It Never Entered My Mind」、ぺドロンの自作が「Waltz for a King」、「You Are Laughint at Me」、「Tune Z」で、全9曲。

ハードバップが基本ですが、ぺドロンは長く伸ばした音を使うなど新しさもうかがえます。ぺドロンとミラー、そしてナッシュのサウンドがきれいなことも特筆もの。アップテンポで、ぺドロン(as)が吹きまくる「After You've Gone」は爽快、バラード「A Nightingale Sang in Berkeley Square」では、ぺドロンとミラー(p)が繊細なプレイを行っていて美しい。「Deep In a Dream」は、うきうきとする明るい演奏ですが、モード的な響きをもっていてフレッシュ。

【ジャズ喫茶Kanoya】

住所:長野県伊那市荒井3487
電話: 090-2522-0705
ホームページ:JazzCafeKanoya (Facebookです) 

    

   


Liddell Coffee House (リデル コーヒーハウス) (長野県下伊那郡高森町)

2015-08-17 21:55:56 | ジャズ喫茶

このお店は、2011年7月18日開店なので、僕が飯田に単身赴任していたとき(2012~2013年度)には既に営業を行っていて名前は聞いたことがありましたが、珈琲専門店だと思っていました。3週間ほど前に、たまたまお店に通じる道の前を通った際に、通路入口の看板にJAZZという文字を見つけたので、今回訪問してきました。

   

この通路を上がっていきます。お店の場所は、高森町営の温泉施設「湯ヶ洞・御大の湯」のすぐ北側でわかりやすいです。

   

建物外観。2階がリデルコーヒーハウス。1階はご自宅です。

   

階段を上がって、右へ回ると廊下になります。壁一面がCD置き場になっています。

   

手前から部屋全体。一段上がった左手奥には、4人かけくらいのテーブルがあります。僕は手前の革張りの椅子に腰をかけて、寛いできました。

   

オーディオ装置。

   

右手前から撮ったもの。

   

JBL M-9500。アンプ類を含めてすごい機器ばかりです。CDプレイヤーは、ラックスの古いものを使っているとおっしゃっていました。

   

マッキントッシュのパワーアンプMC2300。

   

アキュフェーズのモノラルパワーアンプM-100。

   

カール・アレンの大型コンボによるアルバム。ジョージ・コールマンのテナーやスティーヴ・ターレのトロンボーン、そしてアンサンブルと音が舞っていました。

   

コーヒー。

   

パンケーキ。おやつにいただきました。

   

コーヒー2杯目。濃いめのものをお願いしましたが、そのとおりの味で美味しかった。400円。

   

飾り棚にはコーヒーカップなどが並べられていました。この反対側が、厨房、CDプレイヤーが置いてあるところになります。

   

本棚。手前の平らな台には、最新の雑誌が置いてあり、ジャズ関連では、ジャズ批評やJAZZ JAPANがありました。

開店日の7月18日(食べログで知りました)は、ジョン・コルトレーンの命日の翌日にあたるので、コルトレーンがお好きなのかもしれません。僕がいた間にかかったのは、オーネット・コールマン、カール・アレン、LENNI-KALLE TAIPALE(フィンランド出身のピアニスト)のアルバムで、比較的新しめです。次に行った時には、ヴォーカルも聴いてみたいものです。ジャズファンにはもちろん、オーディオのお好きな方にもよさそうなお店です。

【Liddell Coffee House  (リデルコーヒーハウス)】

住所:長野県下伊那郡高森町牛牧2863-8
電話:0265-35-4141
営業:12:03~21:03 (オーダーストップ20:00)
休日:不定休 
食べログの紹介ページ:リデルコーヒーハウス 


ヤン・ラングレン PERFIDIA

2015-08-16 09:50:13 | ピアノ・トリオ

先週から、新しく購入したDENONのアンプPMA-2000REを使用してジャズやヴォーカルを聴いています。せっかくアンプを新しくしたので、録音が明晰で、楽器の特徴をよくとらえているCDを取り出して聴いてみました。マシュマロレーベルのこのアルバムは、演奏も気品があってよいのですが、原音に忠実に録っていると思われる録音も特筆すべきものです。

JAN LUNDGREN (ヤン・ラングレン)
PERFIDIA (Marshmallow 2002年録音)

   

スウェーデン出身のピアニスト、ヤン・ラングレンは、多くのアルバムを作っています。何作か持っていますが、いずれも音色が優しく、フレーズにも抒情性があって、全体に上品です。このアルバムは、録音がよく、そんなピアノの音もとらえられています。また、知られざる佳曲が収録されているのも特徴です。

メンバーは、ヤン・ラングレン(p)、イエスパー・ルンゴー(b)、アレックス・リール(ds)。ベースとドラムスが強力で、リズムもかなり聴きどころが多そうです。ラングレンが選んだ曲に、「Med Ogon Kansliga For Gront」(「若葉のささやき」)というスウェーデンの曲があり、美しさが際立つロマンティックなメロディーを持っています。「Don't Cha Go 'Way Mad」も、ラングレンが探してきたもので、グルーヴィー。以上の2曲が収録されたことは、アルバムの価値を高めています。

他はスタンダードで、「Russian Lullaby」(ロシアの子守唄)、「Perfidia」、ハリー・ウォーレン作「Carnival」、「Dat Dare」、「Alfie」、「Jordu」、「More Than You Know」、「Star Eyes」、「Long Ago and Far Away」。タイトルからすると、ラテン曲集と勘違いしそうですが、実際にはバラエティーに富んでいます。

多くのハードバップのファンに気に入ってもらえそうなアルバム。「若葉のささやき」と「Don't Cha Go 'Way Mad」の2曲は必聴。ラングレン(p)は、どの曲もさりげなく弾いているように聴こえますが、たっぷりと歌うところやバピッシュなところもあり全く飽きません。ルンゴー(b)は「Russian Lullaby」などでタイトなソロをとり、リール(ds)もラテンものなどメリハリの効いたリズムを作り出して、貢献しています。

【マシュマロレコード】

ホームページ: http://www.marshmallow-records.com/

横浜中華街のジャズ喫茶「マシュマロ」も好評を博していて、ことに月2回開かれるジャズファンによるレコードコンサートにはお客様が多いようです。

   

5月に訪れた際の、喫茶マシュマロの販売用CD陳列棚。ヤン・ラングレンの諸作が並んでいます。