安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

スタンリー・タレンタイン Z. T. 'S BLUES

2018-09-15 20:12:12 | テナー・サックス

先日、初めてJR中央線沿線の西荻窪を訪れました。目的は、喫茶店の「JUHA」へ行くことでしたが、ついでに中古レコード店のファンレコードに寄ったところ、「西荻窪 古本とアンティークマップ」という冊子が置いてあったので、もらってきました。全体には住宅街だと思いますが、古美術や古書のお店が多く、西荻窪は特徴のある街でもあるようです。古い録音ですが、古さを感じさせないアルバム。

STANLEY TURRENTINE (スタンリー・タレンタイン)
Z. T. 'S BLUES (BLUE NOTE 1961年録音) 

   

録音時には未発表で、1985年に復活したブルーノートレーベルにより発表されたアルバム。メンバーの充実ぶりといい、タレンタイン(ts)には稀なスタンダード集という選曲といい、本来、お蔵になるはずがないものですが、61年当時は彼のアルバムが次々と発売されていたので、見送られたもののようです。そんなことになるのも、さすがにブルーノートだからこそでしょうか。

メンバーは、スタンリー・タレンタイン(ts)、トミー・フラナガン(p)、グラント・グリーン(g)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。フラナガン、チェンバース、テイラーのトリオは、マイルス・デイヴィスの「Collectores Item」、ジョン・コルトレーンの「Giant Steps」、ケニー・ドーハムの「Quiet Kenny」と、名作で伴奏を務めているので、グリーン(g)ばかりでなく他のメンバーのプレイも注目に値します。

曲は、トミー・タレンタイン作「Z. T. 'S Blues」と、スタンダードの「More Than You Know」、「The Lamp is Low」、「The Way You Look Tonight」、「For Heaven's Sake」、「I Wish I Knew」、「Be My Love」の全7曲。トミーの曲を除いて有名なものばかりですが、「I Wish I Knew」はアップテンポで、ジョン・コルトレーン(ts)をはじめバラード扱いが多いので、ちょっと驚きました。

豪放で黒っぽい演奏を思い浮かべるスタンリー・タレンタインですが、スタンダード曲では、意外に端正で、よく歌う演奏をしています。グラント・グリーン(g)はブルーノートらしいサウンドを奏でているので、バランスがとれているように感じます。バラードの「More Than You Know」は、タレンタイン、フラナガンともに情緒豊かなプレイをしていて、最も気に入りました。僕の大好きな曲「The Way You Look Tonight」はアップテンポで、流麗な演奏をしていて、原メロディの良さも味わえます。「Z. T. 's Blues」は、従来のブルージー路線です。

【東京都杉並区西荻窪の街】

JR西荻窪駅南口に降りました。

駅前広場から、すぐ商店街が続いています。

中央線に沿った道から少し入ったところにあるファンレコード。少し見てみました。

バス通りを南の方向へ歩いて喫茶店のJUHAへ向かいます。

アイスクリーム工房「BOBOLI」。「西荻牧場」という表記が、意外性があって面白く撮影しました。

盛林堂書房。古本屋さんで、山岳書・近現代文学・ミステリ・音楽・絶版文庫・その他全般を扱うようです。

JUHAに到着しました。こちらのお店については、ジャズ喫茶の項目に書きます。

(西荻窪 古本とアンティークマップ)

   

表紙

   

お店紹介の一部。北口のお店の紹介ですが、南口にも相当数あります。また、西荻骨董好きまつりというのが、年2回開催されているようです。

   

お店の位置を記載したマップです。


高内春彦著 「VOICE OF BLUE」(リットーミュージック)

2018-09-14 20:05:03 | 読書

1970年代から80年代初めまでは、アメリカのジャズシーンに関心があったので、downbeatなどの雑誌もたまに読んでいました。しかし、それ以降は、新しいものについていけなくなったり、生活も忙しくなり全般に関心が遠のいていました。今回、久しぶりに現在の状況を知りたくて、購入した本です。

    

著者の高内晴彦さんは、ギター奏者で大学卒業後1980年に渡米。84年には、マイク・スターン、ジャコ・パストリアスなどとともに練習セッションを始め、ブルーノート、ミケルズ、ヴィレッジゲートなどに出演。共演したミュージシャンには、ポール・モチアン(ds)、バリー・ハリス(p)、ジョン・ヒックス(p)、ウェイン・ショーター(ts)、スタンリー・タレンタイン(ts)など。自己のリーダー作を何作も出しています。

(目次概略)

第1章 デューク・エリントンの遺産
第2章 ビバップの時代
第3章 モードの真実
第4章 エスニシティとジャズ
第5章 ロックとジャズ
第6章 米国ジャズ界の現状

なお、裏帯には、本書の内容が簡便にまとめられているので参考に掲載しました。

(感 想)

演奏現場での体験を踏まえた記述は、たいへん興味深いものです。まず、第1章の『アメリカではエリントンという存在がイコール「伝統」であり、ジャズの主流である』という記述には、うなづきつつも驚かされました。僕は、マイルス・デイヴィスが中心だと考えていたからです。エリントンの数々の功績に触れ、影響の大きさや「エリントン・チェンジ」というコード進行まであることが記載されています。

第2章では、究極のビバップは、ジョン・コルトレーンの1959年録音の「Giant Steps」で、ジャズ史でも特に重要だと記し、詳しい解説をしています。『僕にとっては、J.S.バッハ以来の完璧な作曲家がコルトレーンです。悪魔と契約したのではないかと思うくらいです。』と著者は述べていて、コルトレーンを高く評価しています。

第3章では、ギル・エヴァンスに師事した著者ならではの記述があります。モードというとマイルス・デイヴィスですが、『モード・ジャズは、エリントンが持っていた印象派的な要素を、ジャズの中に再び蘇らせたものともいえる』と記して、この章でもエリントンの名前が出てきました。

第4章、第5章では、新しさを米国以外の音楽に求めたり、ロックやフュージョンの音楽や演奏家について触れられています。第6章が最も読みたかったところですが、米国ジャズ界の現状として、「メニューが出揃った現在のジャズ・シーン」とし、1990年代以降は、JAZZの顕著な進化はあまり見られないが、プレイヤー単位では、特別にセンセーショナルな人がいるとして、楽器ごとに名前が挙げられています。

また、6章では、ピアノについて、『王道な弾き方だけど、ちょっと新しい響きを取り入れることが1990年代以降のピアニストの特徴』でそれが行き着く先として、回帰が起こるだろうとし、『ウィントン・ケリーやレッド・ガーランド・スタイルの発展系で、しかも今っぽいというものが、この先にでてくるのではないでしょうか。』とあります。実際に出てくればよいなと期待したいところです。

なお、音楽的な解説については、僕にはよくわからない部分も多く飛ばし読みもしましたが、ピアノなどで和音を確認しながら進めば、理解しやすいかもしれません。ミュージシャンの視点から書かれた面白い本でした。

(著者の演奏写真)

   


浜名屋 (鰻 長野市県町)

2018-09-13 22:01:25 | グルメ

暑い日が9月に入っても続いているので、先日友人と鰻を食べに浜名屋(はまなや)へ行ってきました。長野市内の鰻屋さんは、近年閉店することろもあって、ごく少なくなってしまいました。こちらのお店は、ホテル「長野犀北館」の近くにあって、昔から長野市民に親しまれているお店です。

清潔な店内で、ふっくらとした鰻をいただき、満足しました。鰻の骨を注文したら、山盛りで出てきて、驚きましたが、お酒を飲む方にもよさそうなお店です。また、鰻の他にカツ丼もあります。

   

外観。駐車場は、南側(建物右側)にあります。

入口。

店内1

店内2。清潔そうなのがよいです。

うな重(中)と肝吸い。

ふっくらとした鰻3枚。

きも吸い。

骨を注文しましたが、量が多くてびっくり。ノンアルコールビールのつまみに最適でした。

【浜名屋(はまなや)】

住所:長野県長野市大字南長野県町600
電話:026-232-7411
営業:11:00~20:00  定休日:日曜、祝日不定休
ホームページ:浜名屋


タード・ハマー TARDO'S TEMPO

2018-09-12 20:07:27 | ピアノ・トリオ

9月も半ばになり、スーパーの店頭には葡萄が並ぶようになりました。巨峰やナガノパープル(長野県オリジナル品種)もありますが、「シャインマスカット」が目につきます。それを見たら食べたくなって、デニーズで、シャインマスカットのミニパルフェを食べてきました。糖度が高く甘い葡萄にソフトクリームの組み合わせは、繰り返し食べたくなります。最近リピートして聴いているアルバム。

TARDO HAMMER (タード・ハマー)
TARDO'S TEMPO (Sharp Nine 2003年録音)

   

ニューヨークを中心に活動しているピアニストのタード・ハマーは、バド・パウエルやバリー・ハリスらバップピアノの系統に連なるピアニストで、気に入っているので、時々CDを聴いています。これは、シャープ・ナイン・レーベルに録音された3枚目のアルバムですが、ベース、ドラムスも充実していて、結構よいアルバムだと思います。

メンバーは、タード・ハマー(p)、デニス・アーウィン(b)、ジミー・ウォームワース(ds)。デニス・アーウィンは、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに参加していたので、日本でも名前が知られていると思います。ウォームワースは、マル・ウォルドロン(p)、ルー・ドナルドソン(as)、アル・ヘイグ(p)らと共演してきたベテランドラマーです。

曲目は、スタンダード曲が「Last Time I Saw Paris」、「Russian Lullaby」、「Little Man You've Had a Busy Day」の3曲。ジャズ・オリジナル曲がギル・フラー作「I Waited For You」、ケニー・ドーハム作「Philly Twist」、タード・ハマーの自作「Journey to Liechtenstein」、トミー・フラナガン作「Minor Mishap」、ビル・エヴァンス作「Very Early」、セロニアス・モンク作「Thelonious」で全9曲。ドーハムやフラナガンの曲は、余り知られていませんが佳曲で、ハマーの選曲センスが光ります。

タード・ハマー(p)ばかりでなく、締まった音色でハードボイルドなソロを繰り広げるデニス・アーウィン(b)、柔らかなタッチのシンバルも心地よいジミー・ウォームワースト(ds)とこのトリオは素晴らしい。中でも、ハマー(p)が楽しげにバウンドする「Last Time I Saw Paris」、アーウィン(b)のソロも素晴らしい「Philly Twist」、3人の息があってよくスイングしている「Minor Mishap」、ハマーの美しいイントロ、ソロが見事なバラード「Little Man, You've Had a Busy Day」と聴きどころたくさん。

【タード・ハマー・ホームページ】

tardohammer.com

   

【デニーズの葡萄のデザート】

メニュー。シャインマスカットのサンデーを食べようと思ったのですが、カロリーを考えてミニパルフェにしました。巨峰も美味しそうです。

シャインマスカットのミニパルフェ。スマホによる撮影ですが、美味しそうに見えます。

ミニパルフェの裏側を撮影。


JAZZ FLASH (ジャズ喫茶 新潟市)

2018-09-11 20:11:26 | ジャズ喫茶

新潟市内のジャズ喫茶巡り3軒目は「Jazz FLASH」(ジャズ・フラッシュ)です。今回訪れた「Swan」、「A7」、「Jazz FLASH」は、3軒とも古町界隈にあって、回るのに便利でした。Jaaa FLASHの店内には、ステージもあり、外観から想像するよりも広い空間でした。

現在、月に10回程度のライブを開催していて、マスターはライブに力を入れているようです。オーディオ機器も凝っていて、スピーカーは、Vitavox CN-191 Corner Hornで、初めて見るものでした。マスターと少し話をしましたが、昼の午後2時から営業をしていて、長野市からもお客様が行っているようです。

外観

   

入り口

店内。奥にグランドピアやドラムセットが置かれています。

オーディオ装置は次の通り(お店のホームページからの転載です)

スピーカー:Vitavox CN-191 Corner Horn
パワー・アンプ:COPLAND CTA504  プリ・アンプ:Accuphase C-28
ターンテーブル:TEAC TN-400  アーム:SME 3012 カートリッジ:DENON DL-103
CD プレイヤー:SONY CDP-557ESD

左側のスピーカー。真ん中のほかに壁に沿ってテーブルが設置されています。

カウンター

エルヴィン・ジョーンズ(ds)の写真が飾ってありました。

奥の方には、ジョン・コルトレーンの写真がありました。

スイングジャーナルが多数保存されています。

ライブの案内。ピアノの高島田さんの演奏は聴いたことがあります。

シェリー・マン(ds)のアルバム(CD)がかかりました。

ホテルへ戻り寝るだけなので、ビールとチーズをもらいました。

【Jazz FLASH(ジャズフラッシュ)】

住所:新潟県新潟市中央区東堀通五番町440 小林ビル1階
電話:025-224-4518
営業時間:14:00~01:00  定休日:火曜日
ホームページ:jazzflash