安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

キース・ジャレット「THE OUT-OF-TOWNERS」と安曇野市「胡蝶庵」のお濃茶シュークリームなどの話題

2020-04-19 19:50:35 | ピアノ・トリオ

安曇野市内でよく通る道路沿いにあるお茶・和菓子販売の「胡蝶庵」でおやつ用のお菓子を買いました。販売だけだと思っていたのですが、レストランが併設されていてランチや午後のお茶もできるようです。今までレストランに気づかなかったのが不思議です。今まで聴くことがなかったのが不思議なアルバム。

KEITH JARRETT (キース・ジャレット)
THE OUT-OF-TOWNERS (ECM 2001年録音)

   

このところキース・ジャレット(P, 1945年生)のアルバムを聴き直したり、未聴のものを購入しています。特にピアノトリオで演奏したスタンダード曲が気に入っているので、そういうものが中心です。2001年に行われたツァーからは何枚かライブ盤が出ていますが、これはそのうちの一枚。

メンバーは、キース・ジャレット(p)、ゲイリー・ピーコック(b)、ジャック・デジョネット(ds)。録音について「Live at State Opera, Munich, July 28, 2001」と記載され、『ミュンヘン、州立歌劇場にて』と訳されていますが、バイエルン国立歌劇場のことを指しているはずなので、さすがにキース・ジャレットです。

曲目はスタンダード曲が「I Can't Believe That You're in Love with Me」、「You've Changed」、「I Love You」、「It's All in The Game」、キース・ジャレットの自作「The Out-Of-Towners」、ジェリー・マリガン作「Five Brothers」の6曲。ジャレットの自作が入り、アンコールで演奏した「It's All in The Game」はソロで奏されていて、バランスがとれた選曲です。

このアルバムにおけるキース・ジャレット・トリオの演奏を聴いていると、ジャズのアドリブ(即興)の極致を体験した気持ちになりました。もちろん予め用意された編曲やストックされたフレーズやリズムもあるはずですが、極めて自然発生的に音楽が流れています。ジャック・デジョネットのドラムソロがスリリングな「I Love You」、ステディなリズムに乗りジャレットが切れのよいフレーズを繰り出している「Five Brothers」、深い叙情と余韻を感じさせるピアノソロの「It's All in The Game」などと、どれも素晴らしい。

キース・ジャレットのアルバムを長野市から安曇野市へ持ってきて聴いているところです。

【お茶元みはら胡蝶庵 あづみ野本店】

住所:安曇野市豊科5564-26
電話:0263-73-6666
ホームページ:kochouan.jp

看板

外観

お茶やお菓子の売り場

レストラン

レストランのメニュー。パスタが中心でしょうか。デザートがたくさんあります。

おやつに購入した「お濃茶シュー」。

桜まんじゅう

安曇野市の自宅でおやつに食べました。

アップ。シュークリームも和テイストです。お茶の味がして甘さ控えめなので男性にもよさそうです。

コーヒーは、濃いめのフレンチ仕様で淹れました。


立原道造の詩を読み、彼が好きだったというフォーレの音楽を聴きました。

2020-04-18 20:01:05 | 読書

最近、読書をする時間が増えています。小説が多いですが詩集も読んでいて、手に入れやすいハルキ文庫のものを購入しています。萩原朔太郎、北原白秋に続き、立原道造(1914~39年)の詩集を読みました。

立原道造の詩は、抒情とともに寂寥感が漂い、胸をうつものが多く「のちのおもひに」や「夢みたのものは・・・」の一節は暗誦できます。短い言葉を使うところや、形式から音楽が連想されるところも特徴的です。彼が好んだというフォーレの音楽も聴きました。

   

表紙

文庫カバー裏面にある本の内容の紹介。

立原道造の肖像。ナイーブな感じを受けます。

   

19歳の時に母に捧げた手製詩集「日曜日」より「唄」が、写真とともに文庫の最初のページに掲載されています。

立原道造は、24歳8ヶ月で亡くなったので詩作の期間は短かったのですが、永遠の青春の詩ともいうべき作品をたくさん残していて、読んだことがある方も多いのではないかと思います。詩集『萱草に寄す』(わすれぐさによす)から感銘を受け大好きな二編の冒頭を記します。

SONATINE   No.1

はじめてのものに

ささやかな地異は そのかたみに
灰をふらした この村に ひとしきり
灰はかなしい追憶のやうに 音立てて
樹木の梢に 家々の屋根に 降りしきった

のちのおもひに

夢はいつもかへつて行った 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち 
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を

(聴いたフォーレのCD)

立原道造はフォーレの音楽が好きだったようです。特に室内楽曲には、息の長いフレーズや陰影に富んだ和音が聴かれ深い叙情が漂っています。

レイモン・ガロワ=モンブラン(vn)の演奏で、ヴァイオリンソナタ第1番。ヴィア・ノヴァ四重奏団の演奏で弦楽四重奏曲を聴きました。弦楽四重奏曲は、冒頭から複雑に絡み合う妖しい和音の連続で、結構好きな曲です。

晩年に書かれた傑作の「ピアノ五重奏曲第2番」をジャン・ユボー(p)とヴィア・ノヴァ四重奏団の演奏で聴きました。

フレデリカ・フォン・シュターデ(メゾソプラノ)が歌うフォーレの歌曲集。「夢の後で」や「月の光」が親しまれていますが、「イスファハーンのバラ」や「マンドリン」も歌とピアノ伴奏が溶け合い印象深い。

ジャン・マルタンのピアノで、夜想曲第1番~第6番と「主題と変奏」を聴きました。フォーレのピアノ曲は部厚い和音を使っています。

ピエール=アラン・ヴォロンダのピアノで、舟歌とバラードを。

フォーレの代表曲とされる「レクイエム」。「怒りの日」に曲をつけていないので、全体が穏やかで優しい。ジェレミー・サマーリー指揮オックスフォード・スコラ・カントルム、オックスフォード・カメラータの演奏。


桜丸御殿址のヒガンザクラを観て、ジャズ喫茶「パス・モンゴメリー」へ (長野県飯田市)

2020-04-17 20:01:46 | ジャズ喫茶

中川村のBASECAMP COFFEEでスープカレーを食べたあと、飯田市へ足を伸ばしました。桜丸御殿址の桜を観て、ジャズ喫茶「パス・モンゴメリー」に寄ることが目的です。今年は桜の開花が早く、桜丸御殿址の桜はほとんど散っていましたが、名残の花を見ることができました。

パス・モンゴメリーは、1年以上ぶりでしたが、マスターは僕とジョニー・ソマーズの話をしたことを覚えていてくれました。レコードのコレクションが半端でなく、それをみるだけでも面白いですが、いただいたシフォンケーキも美味しく、また訪れたいお店です。

長野県飯田合同庁舎。飯田城の跡地になり、この建物の裏に桜があります。

ヒガンザクラ

説明書き。エドヒガンとシダレザクラが合体しています。樹齢400年だそうです。

飯田単身赴任時は、満開の桜を観ていたのですが、今年は遅かったです。

名残の花を観ることができました。

美しい。

すぐ横には飯田城桜丸御門(通称「赤門」)があります。

道路を挟んだ追手町小学校の桜は、まだ花がついていました。

桜を観た後は、ジャズ喫茶の「パス・モンゴメリー」へ。

【パス・モンゴメリー (PASS-MONTGOMERY)】

住所:長野県飯田市山本646−5
電話:080-6109-1176 
ホームページ:http://pass-montgomery.com/index.html

外観

入口

店内。基本的に変わっていません。

客席に向いて5枚のレコードジャケットが展示してありました。マスターはギターに加えヴォーカルがお好きです。左から、スピーカーの上に乗っているパティー・マクガヴァン「Wednesday's Child」、レコード収納棚の上に置いてあるインゲ・ブランデンブルグ「It's Alright with Me」、ローズマリー・スクワイアーズ「My Love is a Wanderer」、マリリン・メイ「Happiest Sound In Town」、モニカ・ルイス「Easy Come Easy Go」。

スピーカーは、JBL S3100MKⅡ、アンプはマッキントッシュです。

ローズマリー・クルーニーのアルバム。これは初めて聴きました。

クリス・コナーなどのオリジナル盤を奥から収納している箱ごと持ってきてくれました。

その中から、クリス・コナーの「chris craft」(Atlantic)のオリジナル盤を聴かせていただきました。最高です。

珈琲とさくらのシフォンケーキを注文。

珈琲はポットに入って出てきます。

このシフォンケーキかなりいけます。本日は、奥様も厨房に出ていました。


BASECAMP COFFEE(ベースキャンプコーヒー)でスープカレー (長野県上伊那郡中川村)

2020-04-16 20:04:33 | グルメ

2月24日に中川村の陣馬形山へ登りました。その際、駐車場の目の前に喫茶店らしきお店があるのを見つけたのですが、当日はそのまま戻りました。調べてみると、米や野菜が自家製のスープカレーを提供していることがわかり、先日、出かけてきました。

マスターは札幌でお仕事をされていて、そこで奥様と結婚し、祖父母の地である中川村にUターンし、2014年4月に「basecamp Coffee」をオープンされたそうです。スープカレーの味は札幌を想い起させるもので、デザートも含め美味しくいただきました。

お店の中から陣馬形山登山の駐車場をみたところです。右の道路沿いがそうです。

2月24日の登山の際に駐車場で撮影したもの。車が前に停まっている建物が、basecamp coffeeです。

外観。郵便ポストもありました。この建物は、農協から借りているようです。

入口。

店内。窓際のカウンターに腰かけました。テーブル席には二組のお客様がいました。

店内。一組のお客様が帰ったあとです。

自家焙煎の珈琲も販売しています。

ジャムなども委託を受けてでしょうか、販売されていました。

足元からジャズを含めてBGMが流れてきたので、音の方向を探したら、オーディオセットがありました。

マスターに訊いたら、近所のオーディオ好きな人の自作だそうです。

メニュー。

スープカレーを注文。

野菜が大ぶりで、鶏肉が入っています。スープは量が多く、味わい深いものです。

デザートと珈琲もいただきました。

かなり丁寧に淹れられているもので、滑らかさがありました。

アフォガードです。アイスクリームにエスプレッソがかかっています。カレーの後だったせいもあり、一段と美味しく感じました。

【BASECAMP COFFEE(ベースキャンプコーヒー)】

住所:長野県上伊那郡中川村大草2145−3
電話: 090-9747-1645
ホームページ:basecampcoffee.wixsite


アン・バートン「Remember 1966-1988」と飯田市「いとうや」の季節の和菓子

2020-04-15 20:01:02 | ヴォーカル(A~D)

先日、飯田市に行ったので「いとうや」に寄りました。昔、同市に単身赴任していた時は、大きさが手ごろで美味しい月替わりの和菓子をたまに購入していました。上品で飽きの来ない味は、お土産用としてもよく、今回も多めに買いました。ずっと聴いていますが、飽きが全くこない歌手。

ANN BURTON (アン・バートン)
Remember 1966-1988 (MUZAK 1966年~88年録音)

   

アン・バートン(vo, 1933~89年)は大好きな歌手で、寛ぎタイムに聴くことが多いです。彼女にはバラード歌手のイメージがありますが、スイングした歌もなかなかよいです。このCDは、1966年から88年の間の放送音源などを収録したもので、ジャズ的な感興を覚える歌が入っています。

伴奏はオランダのトップジャズメンです。ハーマン・スホーンデルワルト(ts)・セプテット、ピム・ヤコブス(p)・トリオ、ウィム・オーヴェルハウ(g)・トリオ、メトロポール・オーケストラ、トニー・ノルテ(p)・コンボなど。ピム・ヤコブスが、リタ・ライス(ピム・ヤコブス夫人)以外の人の伴奏を引き受けているのは異例なことです。

曲はほぼスタンダードですが、16曲と多いので縦に並べてみました。珍しいのはオグデン・ナッシュ作詞、ヴァ―ノン・デューク作曲の「Roundabout」で、1946年のミュージカル「Sweet Bye and Bye」中の曲です。
The Wildest Gal In Town
Once
When A Woman Loves A Man
Put On A Happy Face
Blue Turning Grey Over You
But Beautiful
Gypsy In My Soul
I'm A Fool To Want You
In The We Small Hours Of The Morning
Me Myself And I
The End of Love Affair
This Is New
Humpty Dumpty Heart
Roundabout
That Old Devil Called Love
Everything Happnes To Me

バラードに加え、ジャジーなアン・バートンの歌が楽しめます。1968年にピム・ヤコブス(p)トリオの伴奏で録音された「When A Woman Loves A Man」と「Put On A Happy Face」ではよくスイングしていて、もっと聴きたくなります。1970年にウィム・オーヴェルハウ(g)・トリオの伴奏で録音された「Gypsy In My Soul」もご機嫌。1983年にメトロポール・オーケストラの伴奏で録音された「I'm A Fool To Want You」と「In The Wee Small Hours of The Morning」は、珠玉のバラード。

(CDの裏面には若い頃の歌っている姿の写真があります)

   

【(参考)1962年春に録音された3曲が聴けるCD「Fly Me to The Moon」】 

   

1962年の録音で、アン・バートンが歌っているのは「Just in Time」、「Fly Me to The Moon」、「Let's Get Away From It All」の3曲です。BLUE JACK jazz recordsからのリリースです。

上記CDのブックレットの写真。1962年当時のものでしょう。

【飯田市「いとうや」の季節の和菓子など】

住所:長野県飯田市本町2-15
電話:0265-23-8343
ホームページ:http://www.iida-itouya.co.jp/

入口

店内。

月替わりで季節のお菓子が販売されています。

看板商品の「大名きんつば」

新しく買った食器です。

いとうやで購入した4月の「わらび餅」と3月の「よもぎ饅頭」をいただきました。

アップ。イチゴと一緒です。ちょっと食べ過ぎました。

一つは翌日職場へ持って行って3時のおやつにいただきました。