「官僚との死闘700日」には、国益より省益を優先させる「抵抗勢力」としての官僚が実名で登場する。特に、坂篤郎官房副長官補と田中一穂総理秘書官は圧巻である。何しろ、首相の国会答弁を捻じ曲げたりするのだから(156p~)。
「抵抗官僚」が猛烈に反対したのは、従来の省庁別再就職斡旋の廃止である。ここに目をつけたのは平凡だが的確である。というのも、「再就職斡旋こそが、役所に対する忠誠心の源泉になっているからだ」(165p)。
官僚機構にとって、「若さ」は生命線といってよい(このことは、大手渉外事務所でも同じである)。平均睡眠時間3時間で毎日働くためには、とにかく若くなければならない。フルに働けるのは30代までであり、何とか働けるのは45歳くらいまでである。だから、経済産業省などでは、事務次官候補の1~2名を残して、全て40代で首を切る。その代わり、特殊法人の理事などのポストをあてがう。いわゆる「再就職斡旋」である。
もしもこの「再就職斡旋」が廃止されたら、若手官僚は命を削って働かなくなりかねない。かといって、定年まで職を保障すれば、官僚機構は「高齢化」に陥り、生産性が著しく低下するだろうし、昇進スピードが遅くなる。転職率も高まるだろう。
だが、省益よりも国益を第一に考える「ヒノマル官僚」を再生させるためには、省庁別再就職斡旋制度は解体すべきなのだ。こうした意味で、安倍政権はいい仕事をしたのだと思う。
「抵抗官僚」が猛烈に反対したのは、従来の省庁別再就職斡旋の廃止である。ここに目をつけたのは平凡だが的確である。というのも、「再就職斡旋こそが、役所に対する忠誠心の源泉になっているからだ」(165p)。
官僚機構にとって、「若さ」は生命線といってよい(このことは、大手渉外事務所でも同じである)。平均睡眠時間3時間で毎日働くためには、とにかく若くなければならない。フルに働けるのは30代までであり、何とか働けるのは45歳くらいまでである。だから、経済産業省などでは、事務次官候補の1~2名を残して、全て40代で首を切る。その代わり、特殊法人の理事などのポストをあてがう。いわゆる「再就職斡旋」である。
もしもこの「再就職斡旋」が廃止されたら、若手官僚は命を削って働かなくなりかねない。かといって、定年まで職を保障すれば、官僚機構は「高齢化」に陥り、生産性が著しく低下するだろうし、昇進スピードが遅くなる。転職率も高まるだろう。
だが、省益よりも国益を第一に考える「ヒノマル官僚」を再生させるためには、省庁別再就職斡旋制度は解体すべきなのだ。こうした意味で、安倍政権はいい仕事をしたのだと思う。