名曲の裏側

　ベートーベンの最後のカルテットは、知人に金を貸したベートーベンが、「そうでなければならない（返してももらわにゃあかん）。そうそう、さっさと財布をお出し！」という言葉に着想を得たものらしい。名曲の裏側にはこんな冗談めいた話が隠されていたのだ。
　８年ぶりにコンサートでチャイコ・コン１番（ピアノ協奏曲第１番）の第一楽章を聴きながら、ふと、「チャイコフスキーは薬物常用者だったのだろうか」との疑念を抱いた。何百回も聴いたのだが、メロディーがいかにも麻薬的である（もちろんバーディーはドラッグなどやったことはないのだが）。
　そういえば、彼の死因は砒素中毒だったっけ？

金払い

　一般的に言って、弁護士事務所のボスは、金払いの悪い依頼者に対して厳格である。なぜなら、複雑で手間のかかる事件をやったのに報酬がもらえないとなると、小さな事務所ならすぐに干上がってしまうからである。このような依頼者を、弁護士は慎重に見分けて避けている。「飛び込みの客は受けない」というのは、こうした事情からなのである。
　「報酬が払えない（払わない）」依頼者が「被告」に多いことは、「弁護士の就職と転職」の著者である西田章弁護士も指摘するところである。一般的に、「被告」は、訴訟に勝っても金を獲得するわけではないからである。
　もちろん、不当な訴えを受けて困っている「被告」も中にはいるけれど。