強制残業

「トルストイ」名言集・格言集　
　ある先輩弁護士の話。
　公の席で、その弁護士の奥さんが、「主人ったら、いつも７時に帰ってくるのよ。これじゃあだめよね。ちゃんと営業しなきゃ」と周囲の人たちに向かって延々としゃべったという。その話を聞いてバーディーは背筋が寒くなった。傍目には模範的な弁護士に見えるその先輩の家庭が、実はさむざむとした雰囲気に包まれているように思えたからである。
　自営業者である以上、営業をしなければならないというのは分かるが、いまどき酒を酌み交わして営業しようとしても、金と時間の余裕があるお客さんは激減している。土日のゴルフ営業に至っては、絶滅の危機にひんしているだろう。
　結局、この奥さんは、「亭主は一家団欒の夕食の時間には帰ってこなくていい」と思っているのだろう。
　トルストイいわく「すべての幸福な家庭は、互いに似かよっているが、不幸な家庭はどれもが、それぞれの流儀で不幸である」（アンナ・カレーニナより）・・・。