治安維持法(大正14年法律第46号)
第一条 国体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シ又ハ情ヲ知リテ之ニ加入シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
平沼赳夫氏が「新潮45」(6月号)に「なぜ自主憲法を持たないのか」と題する論文を寄稿している。
平沼氏のことを「保守の政治家」と呼ぶ政治評論家がいるけれども、その評価は疑問である。例えば、
「この天皇という存在を中心にして、・・・いかにして国益を守るかに腐心することが重要なのだ」(p28)
とあるくだり。天皇制と国益(おそらく経済的利益)を並列扱いしているのは、上掲の治安維持法第1条と同じである。
天皇制(国体)と資本主義(私有財産制度)を並列扱いする発想が奇妙だ。これは「文化防衛論」で三島由紀夫が指摘したことなのだが。
第一条 国体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シ又ハ情ヲ知リテ之ニ加入シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
平沼赳夫氏が「新潮45」(6月号)に「なぜ自主憲法を持たないのか」と題する論文を寄稿している。
平沼氏のことを「保守の政治家」と呼ぶ政治評論家がいるけれども、その評価は疑問である。例えば、
「この天皇という存在を中心にして、・・・いかにして国益を守るかに腐心することが重要なのだ」(p28)
とあるくだり。天皇制と国益(おそらく経済的利益)を並列扱いしているのは、上掲の治安維持法第1条と同じである。
天皇制(国体)と資本主義(私有財産制度)を並列扱いする発想が奇妙だ。これは「文化防衛論」で三島由紀夫が指摘したことなのだが。