学生時代、三井誠先生が、「令状の『発付』を『発布』と書いている答案を見ると、零点をつけたくなる」と言っていたという話を聞いたが、この話を刑事弁護のベテランにぶつけてみた。
すると、その弁護士は、「そんな些細なところは重要ではない。そこで間違っても、弁護人としての資質に欠けるということにはならない」という回答だった。ちなみに、その弁護士に「裁判所」と「裁判官」との違いを尋ねてみたが、あいまいな回答しか返ってこなかった。安富潔先生によると、この違いを知らないような法学部生はけしからんという話だったのだが。
さて、何が言いたいかというと、学者と実務家とでは、「何が重要か」という基準がまるで違うということである。特に、刑事弁護の世界では、理屈よりも反射神経の鋭さが問われる部分があり、些細なところにこだわっていると、依頼者に不利益を与えかねないことがある。
すると、その弁護士は、「そんな些細なところは重要ではない。そこで間違っても、弁護人としての資質に欠けるということにはならない」という回答だった。ちなみに、その弁護士に「裁判所」と「裁判官」との違いを尋ねてみたが、あいまいな回答しか返ってこなかった。安富潔先生によると、この違いを知らないような法学部生はけしからんという話だったのだが。
さて、何が言いたいかというと、学者と実務家とでは、「何が重要か」という基準がまるで違うということである。特に、刑事弁護の世界では、理屈よりも反射神経の鋭さが問われる部分があり、些細なところにこだわっていると、依頼者に不利益を与えかねないことがある。