季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

受け継いだ物

2006-06-22 09:24:22 | 暮らし Daily life
祖母がずいぶん高齢になり、生活用品をいくつかもらいました。
まずはぬか床。

       

母の所に来たのを少し分けてもらいました。
祖母のぬか漬けはみんなの大好物。
何十年もなじんだぬか床は宝物です。
私はこれまで何回かチャレンジしてきましたが、
いつもぬか床が膨れ上がってすっぱくなったりして失敗ばかり。
だからちょっと緊張しています。

それから裁縫道具。

       

このチープな入れ物に入っている所が(蓋もなし)私と似てる。
私のも百均で買ったもの。
元気だった祖母が認知症が進んでいると聞き、訪ねたときにベッドの足元にこの箱を見て、なんだかグッと来ました。

その中にこんな物が入っていました。

       

木の糸巻きです。
今では珍しい物。昔は全部木だったけど、今はプラスチック。
子どもの頃、糸巻き車を輪ゴムや割り箸を使って作りました。
今では糸巻きの糸が無くなる事なんてあなりないのではないでしょうか。

曾祖母、祖母、母と受け継いできた宝は「手」。
曾祖母は蚕を飼って糸を取り、機織をし、着物に縫い上げ、産婆さんの代わりからお嫁さんの仕度までなんでもこなしたそうです。
祖母もいつも手を動かしていました。
子どもの時は毎年セーターを編んでもらっていました。
お料理もとても上手で、私がお嫁に来てすぐは何度も彼女に電話をして
作り方を聞いていました。

「子どもは自分の実現したい能力を持っている器を探して生まれてくる。」
と聞いた事がありますが、私の手仕事好きのことを思うと納得が行きます。
彼女達以外の先達のいろんな人たちからもたくさんの特徴を受け継いでいるこの私という器を私は心地よいと思うし、誇りにも思います。

その器を活かしてさらに磨いていきたい。
毎日かき混ぜてぬかや塩を足しながら熟成していくぬか床のように。

ぬか漬けおいしいです。
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