季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

新しい流れ

2020-09-27 20:39:56 | 心と体 Mind&Body
テレビをつければ彼への非難の番組に当たる。
アルコール依存症(最近ではアルコール使用障害と言うらしい)専門クリニックに勤めて20年以上。
クリニックの様子がこの頃変わってきたなと感じていた矢先、こんな事件と世間の反応に
世間はあんまり変わってないんだなと思える。
それでもこんな記事を読んだら、知ってる人も居てよかったと思う。


私が勤め始めた頃のクリニックでは、仕事を無くし、家族を無くし、健康も失って生きるか死ぬかの瀬戸際で運び込まれる患者さんが多かったように思う。そう言う状況を「底つき」と言って、回復には必須のように言われていた。
それでも「俺はアル中ちゃう!こんなところに世話になるような人間と違う!」と断固として宣言する。思い続ける。
そう思いながらそれでも毎日通ううちに何年かしてやっと「もしかして俺、この人らと一緒やん。アルコール依存症やったんやわ。」って気づく。

このようにアルコール依存症とは「否認」の病気であると言われている。
山口達也さんも今でも認めていないらしいけれども、それはこの病気の特徴なので当たり前のことなんです。
それでも2年前の事件も今まで築き上げてきたものを失うのに十分な事件だったし、今回も十分にダメージはあると思うけど。
患者さんたちの話を聞いていると、そこまで底つきってないのかと思うほどだから、まだまだなのかも。

それでも世間を見てみると、「飲めるほどかっこいい」とか「男なら上司の酌は断らない」とか「飲みに行くのがコミュニケーション」って言う時代は終わったように思える。
もちろん飲みに行くのが好きな人たちはまだまだいるけれど(そして私は飲酒の文化を否定する者ではないけれど)、無理に誘われたり飲まされたりはしないと息子も言っていた。
無理に誘ったり飲ませるのがパワハラだと言う認識も広まって来ている。
それはASKを始め、アルコールの弊害を真摯に伝えようと努めて来た人たちのおかげだと思う。

アルコール飲料は制限なく売れるために、企業や国の大きな財源になっているから、なかなかその考えはアピールが難しいらしい。そんな番組を作るとスポンサーが付かないらしい。
でももう一度、制限なく売れる結果のことを企業も国も考えたようが良いのではと私は思う。
その事によって壊れる体、人間関係、家族、傷つく子どもたち、そこからどれだけの負債が生まれるかを考えたら良いのではと思う。私は人生の一番良いところをアルコールに持って行かれた失った人たちをたくさん見てきました。

数年前、新しく来た患者さんは親しい仲間にこの病院に繋げてもらったと言っていた。
その後も車で連れて来て貰ったり食べ物を運んで貰ったりしながら、始めからアルコール依存症からの回復を目指して通っていました。そんな愛の中で断酒に入る人をその時初めて見た。
その人はその後も順調に断酒を継続し、仕事にもつき、今も仲間と繋がりながら社会生活をしています。

そんな周りの人たちの愛によってここに繋がり、回復していく底つきの浅い人たちがそれから少しずつ増えて行った。
インターネットの普及も要因としてあると思う。
インターネットで調べてみて、自分でクリニックに来る人もいるらしい。
特に若い人たち。

アルコール依存症からの回復には知識も大きな武器になる。
毎日のようにある講習や書籍や断酒会などで知識を得て、それを手掛かりにお酒を前向きに辞めて、新しい人生を歩んでいる姿は頼もしい。

もう一つの武器は仲間だ。ここに来れば安心できる仲間が居る。そんな仲間と繋がって新しい明るい温かい人生を1日1日歩んでいく。そのことの意義はとてつもなく大きい。

私の親しい人にもアルコール依存症と思われる人がいる。
もう歳だし、こんなボロボロの体と精神状態で、ここから断酒をするのは相当の覚悟とエネルギーが要るから無理だと言って
本人はもちろん、家族の方もなかなか回復と断酒に踏み切れないでいる。

多分、飲んでいる人はみんなそう思ってるんだろうな。これが楽、ここからは変われない。

クリニックに長年勤めていても、じゃあそこからどうやって断酒に踏み切れたのかと言うきっかけや手段は謎だ。
人それぞれ。

そこは謎だけど、私はそこからお酒を辞めて、新しい人生を手にした人たちの日々の輝きを実際に見ています。
その輝きを見ていると、それがどんなに素晴らしい事かわかります。
人生の仕切り直しややり直しはいつだって始められると思えます。

山口さんを見ていると、20年前に戻ったよう。否認している患者さんと同じだ。
有名な彼が病院と繋がって、回復して行けば、それはすごくかっこいいことだし、輝かしいし、
何より人々のためになるだろうと思えるけど。
それは清原選手にもそう思えるけど。

薬物やアルコールの依存症者を弾劾して世間から疎外するのではなく、そこからの回復を促してそれを広めるような社会になったら良いのにな。

回復そのものに輝きや他への影響があると思う。それを見ることで私はたくさんの力を得てきた。人生が豊かになった。
勿体無いな。そんな流れにならないかな?

いろんな人が、今年はいろんな流れが変わる年だと言う。コロナもそのきっかけ。
もしそれが本当なら、変わるのはこの流れだ。
そうでありますように。

もし公認心理師になれたらその業務の一つに「心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供」があるので、
私はその事を発信できたらと思う。待つだけではなく、自分から流れを作って行こう。一滴の水から川が始まる。






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百均さまさま

2020-09-27 13:45:00 | 公認心理師
どうしても覚えられないものたちはカードにまとめていろんな機会を作って覚えます。

情報の量とめくり易さなど考えて、探して見つけたのがこれ。




百均で買いました。
この行の太さや数、カードの厚みや大きさが絶妙。
心理検査のカードも作ったけど、書きたい情報はかなり書ききれる。
さすが情報カードと言うだけある。
これに祖父から譲り受けたパンチで穴を開けて、百均で手に入れたリングを通せば出来上がり。

めくってみたり並べてみたりして、見る回数触れる回数を増やして力づくで覚える。

名前は元々覚えにくい。名前覚える所のネジが外れてるみたい。
少しずつでも何回でも見て覚えよう。

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