季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

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発酵米ぬか液による汚毛洗いの実験結果

2015-10-18 21:11:19 | ウールクラフト WoolCraft
とぎ汁で汚毛洗いの実験結果。

A)この前と同じ羊のフリース。ピックランドの羊ソーティングして一番きれいだった羊毛1stクラス。
B)それと同じピックランドのだけど、違う羊の今度はベリー。一番汚れている部位の羊毛。
それをとぎ汁発酵液を加えて発酵させた米ぬか液(米ぬかを木綿の袋に入れて水中で揉んで成分を出したもの)に数時間浸け(常温下、気温約20度)
その後、40℃弱の温湯にてすすぎ4~5回行った。

A)フリース洗う前の状態。

       


 洗った後の状態。脱水ご乾燥。
浸け置きの時に冷たい水で行ったのが良くなかったと思われる。見た目はきれいに洗えているが、房の根元に特に脂分が残っています。
やはり始めは熱めの湯(50度くらい)に浸けて、洗うときも塊ごとじゃなくて、少し分けるようにして広げて洗う方が良い。
それでも汚れは殆ど取れていたし、フェルトには脂分が残りすぎて使い難いだろうけど、紡ぐにはこれくらいの脂分があっても差し支えないと思われる。

       

B)フリース洗う前の状態。

       

 洗った後の状態。汚れ、思ったより随分きれいに落ちています。
しかしやはり脂分がA)よりは少ないがまだ残っている感じがする。多くはないけど。

       

やはり丁寧に温湯中で手で揉むようにしてとったけれど毛先の汚れを全部は取りきれてなかった。毛刈りしてから何年も経っているので、熱めのお湯にしばらく浸けてから作業するべき。そして一掴みずつに分けてするべき。

       

根元がフェルト化している箇所は毛刈りをしたときから元々の状態だと思われる。

       

考察>
発酵米ぬか液であっても、普通のモノゲンで洗う時と同じように熱めの湯に浸けてその後一掴みずつ丁寧に温湯で濯ぐと脂分も落ちると考えられる。
ベリーの泥汚れなども軽く落ちるので、同じく、高温にて浸け置き、温湯にてすすぎを行うと汚れがひどい汚毛も洗える事がわかった。


よって、次回は高温(50~60℃)にて浸け置き、その上温湯(30~40℃)にてすすぎの行程で洗ってみる事にする。
この時に、発酵前の米ぬか液と発酵後の米ぬか液で仕上がりの違いがあるかどうか確認したい。
発酵によって洗浄能力が高まるかどうか。

これから気温も水温も下がってくるので、発酵速度や反応速度、脂分の水溶性など変わってくると思う。
それも考慮して進めて行きたい。

今の段階でまた考えてみて思っている仮説は
とぎ汁に含まれる油脂及び脂肪酸、そしてでんぷんによる洗浄能力。
羊の脂と米ぬかの油が分子量や性質が似てるかも。互いに混ざりやすくしかも適度な水溶性があるかも。そうすると落ちやすいと思う。
そこにでんぷんの助けが加わって。
それなら発酵がなくても落ちそうだから、今度は発酵しないで試してみたい。

それでもとにかくモノゲン使わなくてもきれいに洗えることが分かった。
それ自体はすごいことだと思う。
こんなにずさんに洗ったのにこんなにきれいになって、ちょっとびっくりです。
これからも試して確立して行きたい。楽しい。




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