バトンは次の世代へ。


オイルリークでお預かりした、Z32ツインターボ最終モデル。
お父様から息子さんへ引き継がれることとなったZ32は、これまでも”ある程度”の整備を行ってきたとの事ですが、あまりにもオイル漏れが酷くディーラーへ相談したところ部品もない為修理不可。
そこでデイトナへ相談してくれることとなりました。


パット見は、そこまで悪くない雰囲気でしたが、所々”その場しのぎ”的な修理痕が見られ、また全体的に経年劣化していることからも段階的な修理を行い、必要な修理箇所を特定する方針にしました。


パワーステアリング系、クランクシール系、カム/オイルポンプシール系をエンジン車載状態で行いましたが、ファクトリー2のJunは、やはりオイルパンのシーラー痕が気になって仕方がないとの事。
推測する限り、再シールの施工が不十分である可能性が高いです。


仕方なく、と言うより当初の予定通りエンジンを降ろすことにしました。
2023年は19機 2024年の今現在で9機 VG30を降ろしていますので脱着作業は非常に早く、おそらく日本一のスピードと精確さです。


エンジンを降ろさないと、オイルパンを完全に外すことのできない構造であるZ32。
ですが、本個体はエンジンを降ろした形跡はなく、どうやって液体パッキンを充填することが出来たのだろうか?不思議ではありますが、液体パッキンの基本は古いシールを如何に完全除去出来るかが大きな鬼門となり、
不完全ならば再シールを行ったところで、凹凸が出来てしまった接合部よりオイルリークを生じてしまい、今回はこのパターンです。


また、シリンダーヘッド背面は相当な高温となり、純正シールは無惨にも溶け落ちてしまうのです。


デイトナでは単に修理を行うだけではなく、三日月キャップは高温対応型のシリコーンを
VTCソレノイドはASSY交換ではなく、オーバーホールを行いアルミニウム製のカバーへとアップデートしています。

エンジンを搭載し、最終調整を行い無事納車をおこなうことができました。
これで実際にステアリングを握る息子さんも、Z32を託したお父様も、皆が安心してフェアレディZを楽しむことが出来るかと思います。

ありがとうございました。

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