Z33中期モデル サスペンション系オーバーホール


Z33中期モデルの入庫です。
これからも長く乗り続けるために、サスペンション・ブッシュのリフレッシュを行いました。
ダンパーは中期/後期モデルで採用されている日産デュアルフローパスを継続して使用し、各種サスペンションブッシュは豪Super Proを選択です。
明日アライメント測定を行う前に軽く試運転を実施したところクラッチペダルが戻り悪い状況が発生し、急遽予定を変更してクラッチオーバーホールまで実施します。

■Z33中期モデル ブラッシュアッププラン
・日産純正デュアルフローパスダンパー
・日産純正バージョンSTメインスプリング
・日産純正アッパーマウント
・Super ProサスペンションブッシュA及びB
・Whitelineデフマウントブッシュ
・EXEDYクラッチディスク及びクラッチカバー(追加)
・日産純正マスターシリンダーO/Hキット(追加)
・Z1モータースポーツ強化ピボット

車は僕の揺りかご。


コロナ過(コロナか)とは、2019年末からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行による災難や危機的状況のこと(Wikipedia抜粋)
自宅にいる時間が明らかに長くなり、最初のうちはYoutubeを始めとするインターネットを用いての娯楽ないしニュースを見る時間を過ごしていたけど、この最近はそれら情報に少し飽きてきた、というよりYoutuberからの発信に対する関心が薄れ始めてしまい、今では好きなアーチストのLIVE映像を楽しんだり、恥ずかしながらも10年以上前のビデオOPTIONを見たりとYoutubeの使い方もこの半年で変化しました。
と、同時に先月から"新聞"をとるようになり、明らかに時代と逆行しながらも、毎朝5時30に起床し新聞を広げ今更ながらに活字の面白さに夢中になっています。 
今の社会情勢では"コロナ"に関するネガティブな情報が非常に多く、大企業はこれまでにない赤字を出し悲鳴を上げている様子が紙面より伝わり、それはYoutubeから配信される”誰々がスーパーカーを納車されました! イェーイ!”的な日本とは全く対局にあるような情報を読みながらも、どちらも”今”であることを考えると非常に複雑な思いが胸に残ります。 
それは時間を余し自分と向き合う事が多くなり、それは時には自分の嫌な部分を明らかに浮き彫りにしてしまう瞬間もあり苦しい場面も正直あります。 
そんな時、僕は部屋で落ち着いて読書したり、馴染みのBARでお酒を飲んだりして気を紛らわしたりもますが、最も好きな時間は好きな車に乗り込み好きな音楽を聞きながら、あてもなく夜の街や高速道路をドライブし、その時間だけは何も考えずに"無"になる事で心と体をリセットしています。 

VG30DETTエンジン ブラッシュアッププラン


エンジンオイル漏れで入庫のZ32ツインターボ
ボディ色は希少なイエローパール 色味の薄い平成1〜3年までの限定カラーでした。 しかも標準ルーフかつツインターボ、マニュアルですので大変貴重なモデルです。
そのZ32はオーナーさんからのリクエストもあり、一旦エンジンを降ろしてからのオイル漏れ修理のご依頼です。
予め予算を提示していただきましたので、ほぼ予算内でのプランAと、若干予算はオーバーしますがDAYTONA推奨のプランBを用意させていただき選択していただきました。
この際だからと、より良い部品を使用するプランBにて決定。 着工は8月下旬を予定しています。

VG30DETTエンジン ブラッシュアッププランB
・エンジン着脱
・各種オイルシール交換
・各種ウォーター・ホース交換
・クラッチO/H
・ハイフローターボチャージャー2機交換
・AMSハイフローEXハイフローマニホールド交換
・DAYTONA EFIエンジンハーネス交換
・日産後期型PTU変換

 

ワイセコ鍛造ピストン


アメリカよりワイセコピストンが到着しました。


VQ35DEエンジンへ使用するパーツですが、スタンダードでは採用されていない特殊メッキとコーティングを施したスペシャルなモデルです。
目的は当然ながらにフリクションロスの低減を狙い、同時にブローバイガスの排出を抑える効果も期待できます。
また燃焼室内でのスパーク時に発生する巨大なエネルギーをコンロッドへ伝達するためにアルミ鍛造材を使用し、軽量かつ高剛性なピストンはレーシングピストン直系のアイテムです。

クランクシール 補足説明


昨日のBlogを見てくれた読者さんより「クランクシールを交換してもオイル漏れが止まらなかった」との相談を今朝一番でいただきました。
VG30に限らず、多くのクランクシールは2つないし3つのオイルシールで構成されていることが多いようです。
その1つにクランクリール本体がありますが、そのクランクシールの台座とエンジンを接合する箇所にパッキン そして台座とオイルパンの間にラバーシール VG30の場合は合計3点で構成されています。
これまでも多くのVG30を見てきましたが、クランクシールとパッキンのみを交換し、ラバーシールは再利用 時々見かけるのは液体ガスケットを塗布している車も見かけます。
本Z32も一度はクランクシールを交換した形跡はあるものの、オイル漏れの原因はクランクシールからではなく、その下のラバーシールからの発生でした。
作業を行う際にはミッション降ろして交換するならば同時作業を行うと良いのですが、工場さんや部品商さんにはZに特化した知識はありませんから、ある意味仕方のないことなのかもしれません。
それとは別にクランクシールを交換してもクランクシャフトからのオイル漏れが止まらないケースも有り、その場合はクランクシャフトの痩せによるものですから話は全く異なる方向へと進みます。

Z32最終型 エンジンオイル漏れ修理


Z32ツインターボ最終型のオイル漏れ修理に着工しています。
カムカバーガスケット交換に加え、クランクシール交換とVG30エンジンでは定番コースです。
特にトランスミッションとエンジンの接合部からオイル漏れがありますので、"それだけ"と診断されがちですが、実はもっと上からオイルが漏れてエンジンブロックを伝ってきているケースも多々見受けられます。
その原因の1つは最初に書いたカムカバーガスケットであることもありますが、その大半はエンジン後部からではなく側面 主にターボチャージャー付近へ流れ落ちているケースが多く、後部の場合はVTCシールやEX側プラグラバーの硬化から生じる漏れがあります。
DAYTONAではプラグの再利用を行わずに交換、VTCは強化シールカバーの装着をおこない対策を行っています。

VQ35DEフルチューニング計画開始


エンジンブローしたZ33スーパーチャージャーへ搭載するベースエンジンが到着しました。
パワーに耐えきれずコンロッドが折れてしまいブロックまで駄目になりましたので、エンジンは全損です。
新規にて強化コンロッドを搭載して強化する方向でも考えていましたが、オーナーさんの要望もあり鍛造ピストン、ハイカムまで入れたフルチューニングエンジンへ換装します。
ベースエンジンはダメージさえないなら内部パーツはほぼ一新しますから、比較的程度の良い中古エンジンを手配しました。

■VQ35DE+HKS GTS8555 GEN2
ワイセコ鍛造ピストン
イーグル鍛造Hビームコンロッド
東名PONカム
UpRev Osiris システムアップデート

DFV OHLINS


DAYTONAでは2009年よりOHLINSダンパーを推奨し使用しています。
とはいえOHLINSの日本総代理店であるラボカロッツェリアジャパンにはZ32の設定がありませんので、DAYTONAからの特注オーダーという形で製造を依頼しています。
VG30エンジンを搭載するZ32はフロントヘビー故にハイレートなスプリングを使用するイメージを持つ方も多いですが、実際は10kgf程度の中レートスプリングを使用して、
リアはハッチバック車ですので、キャビン空間とのマッチングを配慮し当初は8kgf程度のレートで使用していましたが現在は1gkf落とし7kgfでセッティングを行いベストな状況を作っています。
前後ともに強化ラバーブッシュを使用したスペシャルアッパーマウントを採用し、突き上げ感の無いスポーツツアラーとしての理想的な足回りを実現しています。

■OHLINS DFV車高調 for Z32
●コンプリートキット 330,000円 (本体価格 300,000円)

■スペック
          Front              Rear
メインスプリング 10kgf/200mm ID65   7kgf/200mm ID65
基準車高(純正比) 約15mm DOWN    約20mm DOWN
全長調整範囲 上記基準に±15mm     上記基準に±15mm

ツインターボ2シーター しかも標準ルーフ


九州のオーナーさんより2シーター ツインターボのZ32をお預かりしました。
10万キロの個体はエンジンオイル漏れも多く、安心して高速道路を走ることも出来ないとのことで、お預かりした同日も一般道を走りDAYTONAまで入庫してくれました。
ご依頼メーンは当然ながらオイル漏れ修理ですが、オーナーさんの希望もあり一旦エンジンを降ろしてからの作業を行います。
その際にタービン交換まで行うことが出来るなら、今後も長く乗ってゆく為には大きな安心材料となりますので、なんとか上手に予算ぐりを提案してコストパフォーマンスの高いリフレッシュを行いたいと考ええいます。

スワップ。


以前にご紹介したGT7040→GTS8555へのスワップ依頼の部品が揃いましたので車両入庫をしてくれました。
スーパーチャージャー載せ替えも興味深いですが、トランスミッション載せ替えも施工する側としても楽しみにしています。
AT→MTは平成初期では大人気メニューでしたが現代では少数派のチューニングメニューです。 故にすんなりと作業が進んでゆくかは未知数ですが、どちらにしてもオーナーさん以上に楽しんでいることは間違いありません!

■HKS製GT7040→GTS8555換装
600ccインジェクター
UpRev MAF-GT
6AT→6Fミッション換装
DAYTONA スポーツクラッチキット装着

診断機以上の能力が求められる瞬間


エンジンオーバーホール後のZ32ツインターボは、試走点検時に気がついた幾つかの修正を行ってゆくうちに、どうにも始動性が悪くアイドリングも安定しない傾向にあることに気が付きました。
このような時の診断は結構難しく、まず最初に疑うのは入庫時からの異常であったのか否か?ですが、正直な話 入庫時に些細な不調があったとしても、着工後とは診断する感覚が異なるため気が付かないことが多いから、結局の所当初からの異常であったとしても最終チェック時に洗い出すことになります。
幾つか気がついた不具合の状況から考えつく幾つかの仮設をたて診断を行いますが、残念なことにZ32時代のOBDは性能もそれなりですので、不具合箇所に引っ張られセンサーが動く事も多いため、最終的にはOBD以上にテクニシャンの勘に頼る作業も事実あります。
状況からアイドリング制御系統 特にAACバルブに焦点を当てましたが、アクティブテストではそれなりに稼働している様子もありましたし、エンジンが組み上がった直後ということもありバルブタイミング等のメカニカル的なエラーも並行して調査を行いました。 しかしながら、"残念ながら"か"当然ながら"か問題はなし。
やはりAACを疑いにかけ取り外したところ、見事にアクチュエーター部のトラブルを発見し無事完成です。
この数日、テクニシャンは残業を繰り返し神経がすり減る思いで作業を行っていましたが、今晩はAACバルブを片手に旨い酒が飲めそうです。

"書く"ではなく"伝える"ことが大切


大分県から車検と修理でお預かりしていたZ33は、往復ともにプライオリティサービスを利用して帰ってゆきました。
納車日取り等を打ち合わせしている最中に、本BLOGの話になったときのこと。
「毎朝出勤して、PC立ち上げてコーヒー飲みながらDAYTONAのBLOG見るのが日課なのですよ」
と言われました。 
今現在で1日のアクセス数が6000程度 しかも、もっと面白いページやYoutubeがたくさんある現代で、本BLOGの存在意義や方向性のあり方に書いている側としては『必要とされているのだろうか?』と時々不安になったりもします。
このgoo blogというサービスを使いBLOGを書き始めて丁度15年になりました。 以前はモノを書くと次の日には同じ商品の注文が来るという時代もありましたし、逆に去年なんかは殆どBLOGを書かずにサボって、FacebookやInstagramを中心に情報を配信している時もありましたし、そのはるか前ではYoutubeを使いDAYTONA TVなる放送を行っていた時期もありました。
繰り返しになりますが、書く側の立場としては"目の前の誰か"に向け話しているわけではありませんから、どうしても相手の反応が見えずに、それが不安になったり辞めるきっかけになったりもするものです。
書くことも大切だし、きれいな画像を写すことも大切な要素です。 だけど本来の姿としては伝えること。文字も写真も、そのための手段であると僕は考えています。
声なき声を感じ多分誰かには届いているであろうと信じてはいますが、生の声を聞くことができたらそれだけでもBLOGの存在価値を僕はしっかりと確認することができ、僕のやり続ける勇気と責任を奮い立たせるには十分すぎる言葉を頂戴することができました。

プロフェッショナルからの依頼。


今回はナックルアームボールジョイント左右と、デフマウントブッシュそしてLLCの交換を行いました。
雨天時にスリップして後輪が暴れるように感じる症状は、デフマウントブッシュのダメージを表す代表的な例で、納車当日は福岡地方は大雨警戒の最中ということもあり、ブッシュを交換した効果を感じながらドライブできた事と思います。

基本的に、顧客の多くは何かのプロフェッショナルで有ることが多く、航空宇宙、バイク、建築、料理そして営業など。
自分はプロだと言わなくとも、皆さんは何らかのプロフェッショナルであるはずですが、こと自動車整備のプロフェッショナルからの依頼となると正直やりにくいのは事実です。
仕事を見られて困るわけではありませんが、やはり自分との"差"を比較しやすい業種なだけに、触る側も触られる側も意識してしまうのではないでしょうか?
よく"一流の営業マンは他人から営業されたくない"と言われますが、どことなく似たような状況なのかもしれません。
オリジナルコンディションを維持するのが一般整備ならば、ネガな部分をアップデイトする事は特殊整備なのかもしれません。 しかしながら、どちらにせよ僕たちは顧客の大切な愛車を触れせてもらいより良い方向へ導くことは同じであると考えています。 

エンジンマネージメントを制御する。


九州最南端よりDAYTONA SPORTS ECMへの書き換えに来てくれました。

これまでにも数多くのECMチューニングを行いましたが、UpRev側が年々アップデートを行ってくれるので操作できるパラメーターの数が増え、と同時にマシンの調子はどんどんと良くなってゆきます。
この最近ではVVEL系のアップデートとアイドリング操作の自由度が増え、特にVVELでは3500~5500rpm付近のトルク落ちを解消できる傾向にあり、結構攻め甲斐のあるマップを作ることができます。
それと今週から実チューニングとは無関係ではあるものの、純正では0km時でのカラ吹かし時に4500rpmで頭打ちとなるリミッターも解除できるようになりました。

■DAYTONA SPORTS ECM
スピードリミッター解除
REVリミッター変更
電子スロットル調整
目標空燃比変更
空燃比マップ変更
点火タイミング変更
VVEL調整
トルクマップ調整
電動ファン開始温度変更
DTCコントロール

小さな積み重ねは大きな力となる。


先日組み終えたばかりのSTILLENスーパーチャージャー+ハイブーストプーリーのセッティングを行いました。
相当数のケースをこれまでにも収めているので、既存データーでもうまく制御できている自信はあるのですが、やはりノーマルエンジンならではの個体差に応じた現車セッティングを行うか否かでは5%前後の出力差は生じます。
その差を煮詰めるためにローラー式シャーシダイナモを用いて安全かつ最適なセッティングを行います。 と同時にマッピングの確認。
エンジン回転軸/負荷軸/ベースフューエルスケジュールの確認を行い、純正マップを最大限に使うことの出来るよう調整を繰り返します。
この日の気温は30度 湿度82%と、セッティング環境としては過酷な状況でしたが、セッティング前後では23馬力のボーナスパワーを得ることができました、
始動時の燃料噴射時間等の再調整を行った後、来週前半にはオーナー氏の待つ東北地方へと輸送を予定しています。

■STILLEN スーパーチャージャー パフォーマンス パッケージ 
・V3スーパーチャージャー
・ハイブーストプーリー
・600ccメーンインジェクター
・高効率燃料ポンプ
・水冷式インタークーラー
・19段エンジンオイルクーラー
・UpRev Osiris ECMセッティング